はじめまして。2005年8月よりCornell University Johnson School of Managementの2年コースへ留学することとなりました能村康弘です。これから2年間、Johnsonでの勉学、生活の様子などを毎月1回レポートさせていただくことになりました。第1回目の今回は、なぜMBAを目指すようになったかについてご報告させていただきたいと思います。
先日、大学を卒業し入社して5年半ほど勤務したアクセンチュア株式会社(旧アンダーセンコンサルティング)へ休職願いを提出しました。事業戦略立案、組織変革、業務プロセス変革、システム導入等、非常にバラエティに富んだ、且つエキサイティングなプロジェクトへ参画し、コンサルティング業務の魅力を十分堪能した5年半でした。日々のプロジェクトを楽しみつつもふとした"思い"が湧いてくるようになり、気がついた頃にはMBAを意識するようになっていました。この"思い"がMBA準備を始めたきっかけです。
(1)「40歳の自分をより明確化したい」
就職当時、私がアクセンチュアを就職先として選んだのは、面接官の「他社と比べて3倍のスピードで成長できる」という一言がきっかけでした。コンサルティングビジネスを通 し企業活動を早く捉え、高い視野を持った上で実業へ転進することを目標にコンサルティング業界に身を転じました。
実際働いてみて、早くから部門横断的な視点で多種多様なプロジェクトを経験でき、仕事に対する大きな権限も与えられ、非常に早い成長を実感できました。ところが、いざ事業会社へ身を転じようと転職活動を始めたとき、今の横断的な視点を一度下げ、1部門の視点から業務を担当し続けることに納得できるだろうかと疑問を感じるようになり、現時点での実業への転身に躊躇いを感じるようになってしまいました。
今後のどうキャリア設計し、どのように実業へ転身するのか、10年後、40歳になった時にどうしていたいのか、明確なマイルストーンが設定できていなかった2003年秋、たまたま数名のMBAホルダーから留学を通 して得られた考え方、人生観を機会に恵まれました。彼らの話を通し、私も一度業務を離れ、留学を通 してより広範な視点を持つと共に、より大きな視点から中長期のキャリアスケジュールを立案したいと思い、MBA留学を意識するようになりました。
(2)「より大きな視野を持ちたい」
同じ会社に何年か勤務すると、仕事や人生に対する視野が会社に大きく影響されてしまいます。「30歳の視野が人生の視野を決める」、そんな言葉を聞いたことがありますが、高々30年で築いた視野や価値観で今後の人生の視野が決まってしまう? もっと違うものの見方、考え方があるのは? と思う時がよくあります。色々な生き方をしている人々と知り合い、信頼・尊敬できる一生の友をより増やすと共に、日本国内や今の会社の中で築かれた既存概念をどんどん変えていきたい、自分に新たなスパイスを与えつづけたい、そんな思いから留学という経験に憧れを持つようになりました。
(3)「共通言語を整理しておきたい」
MBAで学ぶ知識は、実はコンサルティングの実務を通じてかなり学べます。私もプロジェクトを通 じて戦略、組織戦略、マーケティング、IT、オペレーション等、多くのことを学んできました。しかしながら、特にアカウンティングとファイナンスに接する機会が少なく、やはり継ぎ接ぎ感はいがめませんでした。MBAへの留学を通 してビジネスパーソンとして必要な共通言語を再整理するとともに、今後のキャリアで求められるであろう知識の蓄えを作っておきたいと思うようになりました。
以上、3つの"思い"に対して自分なりの答えを見つけていくことが留学の目的です。来月8月から2年間、この3点の思いに対して私がCornellから何を得ることができたのかについて発信していきたいと考えています。