【『理論構築の方法』からの離脱と一時的な緊張感の途切れ】
『理論構築の方法』は、2年生になると履修できるHMBA独特の授業の一つではないかと思います。端的に言えば、"ワークショップレポートを書くための基本となる知識や考え方"を教えてくれる授業です。具体的には与えられた概念に沿ったケースを見つけた出した上で、原因と結果 を探り当てて因果推論の仕組みを学んだり、リサーチクエスチョンの立て方についての考え方を深めたりしました。
また、時には査読者になったつもりで実際に学術誌に掲載されている論文を読んで、主張を裏付けるようなデータが示されているか、論理的にきちんと構成されているか等のチェックを求められることもありました(そのような作業の結果 として、雑誌や新聞はもちろん、学術誌に掲載されている論文でさえも、よく分析してみると主張と論理、そして裏付けるデータの組み合わせがおかしいものが数多く巷に溢れているんだなと感じました。。)。
そういったことの事前学習の成果として、毎週月曜日にA4一枚程度のレポートの提出が要求されます。そして、水曜日の授業には学生のレポートの事例を踏まえて作られたプレゼンテーションを元に授業が行なわれていました。毎回のレポートの採点や、学生のレポートの内容を授業で使うスライドに組み込んだりと先生の頑張りが目に見えるような授業だった気が個人的にはします。
ただ、そのような先生の献身的な印象が残っている授業だったのですが、本年度受講した学生の反応は様々でした。もちろん、当初のこの授業の目的どおり"ワークショップレポートを書くのに役立ちそう"という意見も複数聞きました。しかし、一方では直接、経営について真正面 から取り組む授業ではなかったためか、"仕事に戻ってから役に立つかどうか分からない"という意見もありました。
ですから、事実として当該授業はM2の多くが履修する数少ない授業の一つだったのですが、最初は多かった授業への出席者がだんだん減ってきてしまっていたのも正直なところかと思います(後に商学研究科の事務員方とお話をした時に、「毎年は、結構評判の良い授業なのに、今年は例年に無く履修中止者が多いね。」と不思議がっておられました) 。
かく言う自分も、実はその『理論構築の方法』から離脱した一人となってしまっていました。上記の文章を読んでいただければ分かると思うのですが、もともと積極的に履修をストップしようとは思っていたわけではありません。
ただ、6月の終わりにどうしてかポッカリと心に穴が開いてしまった週末があったことが履修を止める原因となってしまいました。土曜日の丸一日と日曜日の朝昼をかけて、ワークショップと『Corporate Finance』の輪読の準備をした後に、『理論構築の方法』の課題をやろうとしていました。ですが、その日曜日の晩はどうしてもパソコンに手が進まなかったのです。課題が重なった週末だったあったので、体力的につらかったのは確かだったと思います。
ただ、そういったピンチはそれまでにも何度となく乗り切ってきたはずなので、やはり気持ちの問題だったのでしょう。2年生になって学校に慣れてしまって、緊張感が抜けてしまわないようにと授業を(聴講を含めて)詰め込んで、心ののりしろ(?)を削りすぎたたのが、今思えば、原因だったのかもしれません。。そうして、レポートを提出しない日が一度できてしまいました。そして、次の週も...。。 という具合にその授業から離れてしまったのでした。
ともあれ、学期中はそれなりの緊張感をもって、レポートやグループワークに取り組んでいるつもりでしたので、一度緊張感の糸が切れてしまうと逆にそれを修復するのが大変でした。レポートを出せなかった初日は、レポートを出せなかったこと自体がかなりショックでだったことを今でも覚えています。
もっとも、そんな学期中の緊張感の途切れた状態から自分を救い出してくれたのも、"あぁ、これも明日までにレポートを仕上げなきゃ! グズグズしてる時間なんて、もったいない!"という気持ちでした。他の科目でもレポートやグループワークが与えられますので、そんなにいつまでも息をついている暇が無かったのです。そう振り返ってみると、学期中の自分の気持ちは、結局のところ、課題の進捗と出来具合に大きく左右されていたのだなぁと感じたのでした。
【同総会】
7/2(土)にHMBAの同総会組織である"マーキュリー会(ちなみにマーキュリーは、一橋大学のシンボルで校章となっています)"の総会を開催しました。MBAコース独自の同総会組織が結成されたのは、昨年のことなので今回は第2回の総会でした。昨年は現在MBAコースの学生が使用しているマーキュリータワーという校舎の御披露目という意味合いもかねて国立キャンパスで同総会が開催されましたが、今年は少し趣を変えて新宿のセンチュリーハイアットで総会を行ってみることにしました。
また、初回と違って、新鮮味の落ちる2回目の総会にはそれなりのアトラクションがないと卒業生が集まらないのではないかという意見があり、同窓会総会の決議をした後に先生を招いて講演会を行なうこととして、懇親会との2部形式にしてみました。講演はHMBAの前ディレクターでもある伊丹先生にお願いし、「日本型コーポレートガバナンス」という題にて最近の研究内容についてお話を頂きました(内容は、"人本主義"という言葉を耳にしたことのある人でしたら想像がつくと思いますが、企業の競争力を高めるためには観点からは株主だけでなく、従業員をもっと重要なステークホルダーとして認識すべきというような内容であったと思います。講演の要旨はHMBAの同窓会のHP上で見ることができます)。
また、その講演会に続く懇親会では、ご出席頂いた約10名余りの先生からご挨拶を頂いたり、現役生の代表者が近況を報告したりとそれなりの盛り上がりを見せたようです。
昨年の初年度の総会と個人的に違ったのは、前回はパワフルな2年生の隣で会が流れていくのを見ているだけでしたが、今年は同窓会事務局の一員としてホテル側との交渉や、会計担当として同窓会ために動き回ったことでしょうか。在学中にMBAコースのために何かしらの貢献はしておきたいと思っていたので、その願望を少しは満たせた気がします。残念なことには、その同窓会の事務局の会計担当者として参加者や賛助金などの集計をしていて後半の懇親会には殆ど顔を出せなかったことです。
ただ、その代わりと言ってはなんですが、だいたい3ヶ月に一度に開かれる同窓会の理事会を通 して既に社会に戻って、大学教員やベンチャー企業の役員として活躍されている卒業生のお話を聞ける機会が持てたのは、自分にとって当初期待していなかった貴重な機会でした。
今回の参加人数は全部で120人ほど。今までの卒業生の累計人数からするとなかなかの数の卒業生に参加して頂けたのではないかと思っています。運営面 では、まだまだ改善する余地があったなぁと事後的には思ったのですが、とりあえず総会自体は無事終了していち事務局員として、今は"ほっ"としています。