#三女って稀少
三谷家の3人娘たち。三者三様でなかなに個性的です。のんびり屋さんだが、いざというときは最強お姉ちゃんの長女、クールビューティで我が道を行く次女、友だち大好き嵐大好きでの三女。
長女に続いて、この春からは次女が大学生となって家を出ました。これでいよいよわが家は三女の天下、でしょうか。
昔、長女と本屋さんをお散歩していたら『長女の育て方』みたいな本を見つけて笑ってしまいました。だってこの世の女の子のほとんどは長女だから。
たとえば一人っ子だったら、長女か長男しかあり得ません。
一人っ子の比率はここ10年、急激に上昇しています(*1)。一組の夫婦が一生の間に産む子どもの数(完結出生児数、という)の平均は、1972年から2002年までほぼ2.2人前後で安定していました。ところが2010年の調査では、それが1.96人に急落しています。子どもが0人もしくは1人しかいない夫婦の比率が上昇したからです。子ども数0人の夫婦の比率は3.4%から6.4%に、1人は8.9%から15.9%になりました。
ここでちょっと計算してみましょう。ほんとうに「長女だらけ」なのでしょうか。子どもが1人なら、女子は長女しかありえません。2人では女女、女男、男女、男男の4パターンがあり、ここで現れる4人の女子の内、3人が長女となります。3人だと・・・と繰り返していって、この出生児数の分布と掛け合わせてみる(*2)と女子に占める長女の比率がわかります。
答えは71%なのです。イマドキの女子の10人に7人は「長女」です。
では3女は?
先ほどの出生児数の分布でその比率を大きく下げているのが、出生児数3人、もしくは4人の夫婦です。30.2%から19.4%、4.4%から2.2%となってしまいました。
いやそもそも子どもが3人いても、女女女と続かないと三女なるものは生まれません。だからもともと稀少ではあったのです。
女子に占める3女の比率はなんと、3%。1学年に男女同数の30人学級が3クラスあっても、そのなかに1人いるかいないかの存在なのです。
なので『三女の育て方』という本は、ありえない(笑)
でも、『AB型の本』が(血液型比で10%しかいないのに)バカ売れしたように、『三女の本』は売れるかもしれません。
だってとっても個性的だから。
(*1)「第14回出生動向基本調査」国立社会保障・人口問題研究所
(*2)ただし、出生児数4人以上(比率は2.2%)は4人として試算している。
#三女って唯我独尊? 「一人でモクモク料理」編
うちの三女は昔から、一人で何かをするのが好き。
そして尋常ならぬ観察力と洞察力をときどき発揮します。
小3のとき「ピクニックをしよう!」と言い出しました。場所は3階のベランダです。
そしてそのピクニック用の料理を自分がつくると言います。もちろん5人分、です。そのとき最初に叫んだのが「お母さんはだまってて!」でした。
彼女はひとりでモクモク、お料理をつくり、みなに振る舞いました。ただ、そのとき、ちょっと量が少なく、みなそれに気が付いたけれど何も言わず「美味しかったね」と。
そしたらそのあと一人で「ちょっと少なかったね」とつぶやいていたらしいです。
いまでも彼女はクックパッドを調べながら、一人でモクモクつくってます。
一昨日はキーマカレー。少し細切れにしすぎて、わかんなくなっちゃった食材もあったね(笑)
#三女って暴露好き? 「家族の秘密」編
ある朝、妙に三女がハイテンションです。
一体どうしたのかと、周りに尋ねると、こんなことがあったと・・・。
私は大学入試を間近に控えた次女に、こんな「入試心得」を渡しました。ポストイットに走り書きです。
1. ダメだ・・・ →問題自体が難しい。きっともっとショック受けてるやつがいる
2. ヨッシャ!→ヤマが当たった。頭も回ってるゾ!
3. マアマア →マアマアと思えているのは3割くらいしかいない。このままGo
父
まあ、書いて電子辞書に貼り付けておいただけで、本人からも特にレスポンスはありませんでした。
これをたまたまその朝、三女が見つけて、すぐにあることをしました。
それは・・・長女に確認することでした。いや、確認というより確信だったかもしれません。
「ねえ、おねえちゃんのときは、こんなことしてもらった?」
なんと鋭い突っ込み。しかもそっち向きとは。
「いいや」と答える長女。あははははーっと大笑いしながら、三女さらに追い打ち。
「ちょっと、しんみりした?」
う~ん、いいとこ突いてくる。父から次女へのお手紙を見つけて、それを「長女はもらってないはず!」と直感するところは三女ならではだねえ。うん。
#三女って暴君? 「鬼軍曹」編
三女は結構、暴君です。
次女の入試直前の1週間も、自主的に次女のお目付役をやっていました。
テレビもダメ、マンガもダメ、パソコンもダメ!
次女が、勉強に飽きてマンガに手を伸ばそうとすると、そのカサッという音を背中で聞いて、そのまま「おねえちゃん、ダメだよ!」と叫びます。
ちょっとだけいいでしょ、と言っても、ダメ。
もう少しで終わるからと言っても、ダメ。
普段は逆なことも多いのですが、相手の立場が弱い(入試前だから)とみるや容赦なし(笑)
そして自分の期末試験が始まるや、家の話題を「次女の入試」から「三女のテスト」にすぐさま持っていきます。初日は、
「うまく行った!」「でもこの数学の最後の問題がわからなかった」「ちょっと解いてみて」
でも翌日は「うまく行かなかった・・・」「社会は好きで得意っていつも言ってて、今回は9時間もやったのに、最高でも83点しか取ったことない・・・」といろいろ愚痴った後、「問題、見る?」
はいはい。見させていただきますよ。日本近代史、勉強になるなあ。
#三女って・・・? 「三女の涙」編
三女でも、お父さんがちょっと苦手です。唯一、暴君が通じないからかもしれません(笑)
中2も押し詰まった、3月初め、私の書斎にやってきました。そして話を始めます。
「都立I高校に行きたい」「でも今の学力じゃいけないから塾に行かせて欲しい」
私は彼女に1年ほど前から宿題を出していました。「もし高校に行きたいなら、ちゃんとその理由と志望校、そのためにどうするかを教えて」「そうでないと、高校には行けないよ」と。
この日は、彼女にとって、満を持しての登板だったのです。
10分間ほど、三女の主張をじっくり聞きました。あまり口は挟みません。話が終わった後、私はいくつかの質問をしました。
そもそもなぜ高校に行きたいの? 実際にI高校には行ったの? 在校生や先生に話は聞いた?
三女は頑張って答えます。
「I高校のことは、おねえちゃん(長女)が友だちの卒業生に聞いてくれた」
でもお父さん(私)も、簡単には認めません。
それではダメ。直接聞かなきゃ。去年はそうでももう変わっているかもしれないよ。
そういう質疑応答を続けるうちに、三女の目から涙がポロポロ。
私はだまってティッシュ(正確にはトイレットペーパーの切れ端)を渡します。でもそのまま話は続けます。
しばらく話し合って、いくつかのことを確認しました。OKを出したもの、追加調査を求めたもの、却下したもの、などなどです。
よく頑張った。でもまだまだ。がんばろー
#三女って末っ子? 「長女の試練」編
そう、三女の後ろには、長女がいます。
去年から三女の進路アドバイザーとして業務委託しましたが、三女のことがやはり心配らしいのです。
三女が私の書斎に来る少し前に、電話をしてきていました。
事前にブリーフィングするなんて、高度だね。
三女との話が終わった後、長女にも電話をしました。三女が何を話したか、どう質疑して、結論は何か。
三女の涙について長女は、「わかる」「お父さんと話してると自分の至らなさがわかっていやになっちゃうんだよねえ(笑)」と。
そうですか。ま、しゃあないねぇ。
いろいろ今後のことを話した後、メールで改めて長女に頼んだのは、「やってあげる」じゃなくて本人になるべくやらせるように、ということ。
頼りがいのあるおねえちゃんでもいたいのだろうけれど、ちょっと面倒くさいおねえちゃんでもあってね。
そしてみなで三女に試練と愛を。
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