CxOとは?(概要説明・国内における呼称の意味・欧米での役割・立場の違い)
CxO(Chief x Officer)とは、「Chief=組織の責任者」+「x=業務・機能」+「Officer=執行役」からなる経営用語で、企業活動における業務や機能の責任者の総称です。CEO(最高経営責任者/Chief Exective Officer)、CFO(Chief Financial Officer/最高執行責任者)のように、「x」に代入される頭文字によってその職務や職責が異なります。
CxOは、文字どおり企業活動における各機能「x」のなかで、もっとも高い地位を占める責任者という認識でほぼ間違いありません。しかし、巷でよく目にする「CEO」や「COO」という呼称は、会社法にその定めがある「代表取締役」や「取締役」とも、2003年の商法改正で誕生した指名委員会等設置会社(※)における「執行役」とも異なります。いうなれば、法的な裏付けがない「会長」や「社長」、「部長」、「課長」といった呼称と同様、組織内での職制を示す役職名として命名されているケースがほとんどです。そのため、同じCxOであっても、法的な裏付けがないだけに、その役割や意味づけは各社によって微妙に異なります。あえて目安を示すなら、CEOを「会長」とすると、COOは「社長」、それ以外のCxOは特定分野の業務を指揮する「執行役員」や「事業部長」という位置付けが一般的のようです。
ちなみに、前述した通り、会長や社長という呼称には、会社法にその定めがないため、必ずしも取締役でない者が務めても構いません。しかし企業を指揮する立場上、特殊な事情がない限り取締役が務めることほとんどでしょう。一方、執行役員や事業部長についても、法の定めを受けていない役職であるのは、会長や社長と同じですが、企業によって職責の軽重が異なるため、取締役自身が務めることもあれば、取締役会が選任した幹部社員が務めることもあります。
日本で広がりを見せるCxOは、経営の監視役である取締役(Director)と事業を取り仕切る執行役(Officer)を明確に分けることで、健全な企業運営と迅速な経営判断を実践する欧米流の企業統治を見習い、国内企業が現行法規の枠内で自社の企業統治に取り入れられはじめたと見て間違いないでしょう。欧米企業におけるCxOと国内企業におけるCxOとでは、その意義や役割、法的な位置付けが異なるため正確には同じものとはないえないものの、欧米流の企業統治を見習った企業統治の手法と捉えておけば間違いないでしょう。
(※)指名委員会等設置会社
取締役会のなかに社外取締役が過半数を占める委員会を設置する株式会社のこと。米国の企業統治を参考に2003年の商法改正で誕生した。経営を監視する取締役会と、実際の業務を担う執行役の役割を分離し、適切な企業統治を目指す統治制度として日本でも普及している。