人事・総務・法務に求められる役割とは?
バックオフィスや間接部門などと、一括りにされることが多い人事、総務、法務ですが、社会情勢の移り変わりとともに、これらの部門にも「守り」だけではなく「攻め」の姿勢が求められるようになってきました。
多様化する社会のあり方やグローバル化するビジネス環境、情報通信技術の発展やソーシャルネットワークの普及など、変化に富んだ時代に合わせた対応力が求められています。
少子高齢化、低成長時代において、ビジネスを大きく発展させるためには、彼らが果たす役割は非常に重要です。
まずは各職種の主な職務と、これから強く求められる役割などについて、改めてご紹介していきましょう
人事
- 【主な職務】
- 人事に期待されているのは、事業目的を達成するために必要な採用計画や適切な人員配置計画の立案、従業員の待遇・処遇の制度化、社員採用や教育研修実施、評価・報酬制度の運用、各種社会保険の手続きや勤怠管理などです。しかし、少子高齢化や女性の社会進出、ソーシャルネットワークの発達や高度な情報技術の普及により、個人の働き方は急速に多様化しています。そのため、人事部門にも、社会構造の変化に対応した働き方の提案や評価方法の確立、新たなテクノロジーを活用したワークスタイルの実現などにも、寄与することが求められるようになりました。企業が成長を続けていくためには、優秀な人材を獲得し次世代のリーダーを育てていくことが不可欠です。人事が対処すべき課題は、これからも増え続けていくでしょう。
- 【主な業務】
- 採用計画の策定
- 人事配置計画の策定
- 新卒・中途採用
- 入社・退職手続き
- 異動・出向の手続き
- 教育研修制度の導入
- 人事制度の策定
- 評価制度の策定
- 報酬制度の策定 など
総務
- 【主な職務】
- 総務に託される役割は、建物やオフィス環境の整備やセキュリティ対策の実施、株主総会や社内行事の運営など、組織内の機能が円滑に業務を遂行できるよう、さまざまな課題解決にあたることにあります。かつて多くの企業では、総務部門が人事、法務、経理、広報などの業務を担当することが多かったのですが、それぞれの業務に高い専門性が求められるようになると、機能ごとに分離独立するようになっていきました。そのため近年では、自然災害やテロ、感染症の流行といった危機から、事業や従業員を守りるために策定されるBCP(Business Continuity Planning/事業継続計画)や、土地、建物、構築物、備品を最適に保つファシリティマネジメントなど、総務部門に求められる専門性も高くなっています。
- 【主な業務】
- 株主総会、取締役会、経営会議などの運営
- 株主対応
- 社内規則、就業規則の整備
- 不動産・動産の調達・管理
- BCPの策定
- ファシリティマネジメント
- 稟議書など社内文書の管理
- 秘書・庶務業務
- 部門間調整や社内意見の集約
- 消防・防災業務
- 警備・防犯業務
- 衛生管理・社内美化の実施
- 社内行事の企画・運営 など
法務
- 【主な職務】
- 法務の仕事には、売買契約や秘密保持契約、業務委託契約など、各種契約内容のチェックのほか、特許権や商標権など、知的財産権の管理や訴訟問題への対処、M&Aや子会社の設立のサポート、経営者や社員に向けた法教育など、法律や商取引を軸に、非常に広範な領域におよびます。とくに海外に拠点や顧客、取引先を持つ企業においては、各国の法令や商慣習に精通している必要があるため、国内外の弁護士との連携も欠かせません。求められる知識や専門性についても、年々高まりを見せていることから、外資系企業や東証一部上場企業を中心に、組織内に複数の弁護士人材を抱えるケースも増えつつあります。
- 【主な業務】
- 各種契約書の精査・作成
- 知的財産権の管理
- 訴訟問題への対処
- 新規・既存ビジネスにおける法的支援
- 債権・債務の管理
- 国内外における立法動向の調査
- 社内向けの法教育や法律相談 など