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プロ経営者インタビュー 株式会社アレスカンパニー 代表取締役社長 大富 涼 氏

プロ経営者インタビュー

大富 涼 氏

アレスカンパニーは、アミューズメント施設のプライズゲーム(UFOキャッチャー)向けの景品の卸売・企画制作を手掛けている。日本全国の500を超えるアミューズメント施設、卸売企業との取引実績、多数の大手コンテンツホルダーとの共同企画商品の開発実績を誇る同社は、大富氏が事業承継後大きな成長を実現し、現在はGENDAグループに入り、更なる飛躍を目指している。
サーチファンドの仕組みを活用し、20代で事業承継を実現した大富氏は、経営者をどのような役割だと考えながら経営に取組んでいるのだろうか?
いつもの20の質問を通じて語ってもらった。

大富 涼 氏
株式会社アレスカンパニー 代表取締役社長
https://ares-co.com

三菱商事では在タイ子会社のターンアラウンドプロジェクトなどに参画し、現地スタッフと共に直営旗艦店立上げをリード。Bain&Companyに転じた後は、コンサルタントとして複数の国内大手企業に対し、全社戦略策定、ポートフォリオ改革、PMI、組織風土改革、BDDなど幅広い経営支援・提言を行う。サーチファンド・ジャパンのサーチャーとしての活動を経て、2022年3月アレスカンパニー代表取締役副社長就任、2023年2月同社代表取締役社長就任。

[1]自己紹介をお願いします

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大学を卒業後、三菱商事で約3年勤務し、その後、Bain&Companyを経て、サーチファンド・ジャパンのサーチャーとして、自身が社長として参画したい企業を探索しました。結果としてプライズゲーム(クレーンゲーム等)の景品をゲームセンターに卸したり、景品の企画を行う事業を営んでいたアレスカンパニーを承継し、代表取締役に就任いたしました。2023年10月にアレスカンパニーがGENDAグループに参画した今も、引き続き代表取締役社長として、同社の経営を担っております。

三菱商事では、産業インフラグループの産業機械本部(前 産業設備部)に属し、トレーニーとしてタイの農業機械を販売する事業会社に派遣され、ターンアラウンドプロジェクトの一角を担っておりました。そのタイの事業会社は、ディーラーに対してトラクターを販売する事業を主に営んでいたのですが、自社でも直接農家に販売できるような販売店網を構築するプロジェクトを任され、現地の方をマネジメントしながら1軒1軒農家を駆けずり回りながら、販売先の拡大に貢献しました。

Bain & Companyでは、日本の大企業のM&Aに関するプロジェクトにアサインされることが多く、ストラテジーの構築から、DD、PMIなどの支援を行っておりました。
その後、自身でも経営者としての経験を積みたいと考えていた時に、サーチファンド・ジャパン(SFJ)が設立されたと耳にし、これは良いチャンスだと考え、サーチャーに志願いたしました。サーチャーとして選定された後、自身が経営をしてみたいと思えるような企業を探索していたところ、アレスカンパニーと出会いまして、SFJと共にアレスカンパニーの事業を承継し、私自身が代表取締役となり、現在に至るまで同社の経営に従事しています。

[2]現在のご自身の役割について教えてください

アレスカンパニーには営業の責任者はおりますが、それ以外の業務(仕入先のネットワーク構築、新商品企画の折衝、KPIの管理、人事・採用、コーポレート業務(経理・労務・法務など))はすべて私が担っております。当社には優秀な営業マンがたくさんおりますので、従業員の皆さんが最大限の力を発揮できるよう、環境づくりも含め、全てのことを行っているイメージです。

上記の業務を通じて、"当社の企業価値拡大を実現する"という使命は、GENDAグループの傘下になってからも同様ですが、上記に加え、GENDAグループ内のグループシナジーを発現させることも役割の一つです。GENDAグループは『GiGO』等のアミューズメント施設を、国内にとどまらず海外にも展開をしています。一方で、アミューズメント業界のプライズ(景品)の調達オペレーションはかなり手間がかかることに加え、昨今のプライズゲームの人気の高まりに合わせてプライズの種類も大幅に増えてきております。オペレーターが施設の価値向上に集中できるよう、このような仕入業務を当社が一括で引き受けることで、グループの全体最適を求めていくことなどが、私のミッションの一つにもなっております。

[3]小中学生時代はどんなお子さんだったのでしょう?

学級委員や生徒会などにはチャレンジしておりましたが、いわゆる普通の子供だったと思います。読書も好きでしたし、ゲームも好きでした。中学時代から軟式テニス部に所属していましたね。

[4]高校、大学時代はいかがですか?リーダーシップの芽生えのようなものはあったのでしょうか?

高校時代から、かなり勉強にのめりこみました。勉強することで成績が伸びていくことに面白さを感じて、朝6時から夜12時まで勉強していたこともあります。高校時代にリーダーシップの芽生えを自覚したことはなかったですが、所属していた学校のカリキュラムの一環で、マクドナルドの経営戦略を分析するようなレポートを作成したことがあり、そこで戦略や経営に対する面白さに気づき、一橋大学の商学部に入学したきっかけにもなりました。

一橋大学の商学部で勉強する中で、日本の経営者不足の問題を学び、その問題を解決できる一助を担いたいと考え、5年一貫コースでMBAに進みました。MBAでは実社会で経験を積まれた方と議論を重ねることができたことが貴重な経験でした。自身が経営者になりたいと考え始めたのもこのころで、大学で学んだ理論を実践で活かせるようになりたいと思っていました。

[5]ご家族やご親戚に経営者はいらっしゃいますか?

特におりません。

[6]ご自身の性格について教えてください

楽観的でポジティブな性格だと思います。人のことは好きでして、従業員ももちろんですが、関わってくれたすべての方々の人生を豊かにできるような人間でありたいと考えています。

[7]いつ「経営者になろう」と思われましたか?

長期的にキャリアの軸として経営者になることを据えたいと思ったのは、MBA進学前後だったと思います。
経営者に対するリアルなイメージが芽生えてきたのはサーチファンド・ジャパンと活動をしてからです。サーチャーとして活動していく中で、自分自身が経営者として成し遂げたい世界観が固まっていきました。

[8]経営者に必要なメンタリティ、スキル、経験とは何でしょう?

度胸と愛嬌だと思います。経営者が判断しなければいけないことにはあらゆるリスクが付きまといます。リスクをミニマイズしながらリターン検証をするのが、基本ですが、時には検証しきれない不確実性も飲み込みながら腹決めできることの方が重要と感じました。また合わせて、そのリターンを現実のものにするためには、周囲のステークホルダーに協力して頂かなければならないため、周囲の方に支えてもらえるためのチャームが必要だと感じています。

[9]他に経営者に必要な資質や能力などありますか?

経営者の役割は、①足元の状況を正しく理解する、②その状況を基にゴール設定をする、③ゴールまでの道筋を立てて会社を走らせる、ことだと考えています。

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①には、人の話を聞く力、仮説を作る力、仮説を検証する力が必要です。
②では、自分の発想にはないゴールを立てることはできないので、自らの頭をアップデートするために野望を持ち、磨き続けることが重要と考えています。

③を果たすためには、前述の愛嬌も活用しつつ周囲に納得してもらいながら動いてもらわなければいけません。三菱商事時代の先輩から、「正面の論理、側面の感情、背面の恐怖」が重要だと教わりました。論理で納得させられることもありますが、感情に配慮しなければいけないシチュエーションもあり、時にはプレッシャーも与えながら動かしきることが重要だ、と教えて頂き、今でもとても大事にしている言葉です。

[10]これらのスキルなどをどこで手に入れたのでしょうか?

一つひとつのキャリアの積み重ねで身に着けてきたと思っています。商社時代に愛嬌の磨きこみの重要さに気づき、コンサル時代にロジカルに正しい姿を追求しきる姿勢の重要さを学びました。

[11]業界のプロとしての知見はいかがでしょう? やはり必要だとお考えですか?

あったらベターだと思いますが、ないと立ち行かないわけではありません。アレスカンパニーが属するプライズ業界は関係性で物事が動く側面や古くからの人脈が生きる場面があるのですが、私は持ち合わせておりませんでした。その分、従業員の皆さんに補完していただきながら、軌道に乗せることができたので、業界のプロの力をうまく活用する力の方が重要と理解しています。

[12]過去に体験した最大の試練やストレッチされたご経験について教えてください

前述のタイプロジェクトは異文化や異言語といった環境の中で、従業員と関係性を構築し、事業を再浮上させるための仮説検証を迅速に行わない非常に強いプレッシャーがかかる状況だったかと思います。衣食住含めほぼ完全現地水準という違ったハードさもありましたが、あの時間・経験があるからこそ、今の環境への感謝や挑戦への心理的安全性が生まれているように感じています。また、結果を出し続けることでついてきてくれた従業員にきちんと報いたいと強く感じるようになったのもこの経験からだったと思います。

[13]経営者を志す者には、どのような努力や学びが必要でしょうか?

リスクを取る経験、もしくは、リスクを自分事化して目の前の仕事に没入する経験が必要と考えています。

[14]今までに影響を受けた先輩や師匠といえるかたはいらっしゃいますか?

2人おります。1人は、大学のゼミの指導教官であった沼上幹教授です。物事に対する捉え方や見方、考え方に影響を受けました。
もう1人は、三菱商事時代のインストラクターで私と一緒にタイの事業会社に出向していた方です。非常にオーナーシップのある方で、仕事への取り組み方や向き合い方は非常に勉強になりました。

[15]キャリアの成功とは「計画的に努力して成し遂げるもの」でしょうか?それとも、「偶然や人との出会いなど、運が影響するもの」だとお思いですか?

後者だと思いますが、自分の進んでいきたい方向性を発信して、運を引き寄せる力や、引き寄せた運を選び切る力も必要だと感じています。

[16]なぜ起業ではなかったのでしょうか?

起業でもよかったと思います。ただ、サーチファンド・ジャパンのサーチ活動を通じて行ったサーチ型事業承継は、自分がパッションを持てる業界で、すでにあるアセットを活用できる状態で参画できたので、経営者としての第1歩としてはとても良い入り方だったと感じています。

[17]特別な信条やモットー、哲学などをお持ちですか?

物事は結局確率論だ、ということを意識しております。うまくいくときも、うまくいかないときもある中で、やり続けることが重要だと考えており、いつかは当たるだろう、と挫けずにいることが大事だと思っています。

[18]経営者となった今、何を成し遂げたいとお考えでしょうか?

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2つあります。
1つ目はGENDAグループの一員として、世界一のエンターテイメント企業になるというビジョンに共感しており、共にそのビジョンを成し遂げていきたいです。

2つ目は、サーチファンド自体をこの国に広めていくことです。自身がサーチャーの経験を経た上で、改めてサーチファンドは中小企業・地域社会・経営者個人のキャリアにおいて"三方良し"の成長をもたらし得るとても良い仕組みだと感じました。サーチファンドを通じてこの国に経営者をたくさん輩出していきたい、という思いも実現していきたいと考えています。

[19]現在のポジションを去る時、どういう経営者として記憶されたいですか?

今回のご縁で、千葉県の松戸にあった中小企業が、上場企業の傘下になることができたように、今まで見ることも想像することもしなかった素晴らしい未来に、社員を連れて行くことができた経営者として、みんなの心に残ると良いな、と考えています。

[20]20代、30代のビジネスパーソンにメッセージをお願いします

私自身、"経営者としてのスキルやマインドは経営者をやる中でしか磨かれない"との言説をどこかで聞き齧り、半信半疑で飛び込みましたが本当にその通りだと痛感しています。業界経験や、人としての成熟度は勿論あればベターとは思いますが、経営者としてのものの見方・考え方に触れるのが早くて後悔する、ということは全くないです。もし機会があり、挑戦を悩んでいるようであれば、ぜひ早く経営者の道に飛び込んでみるのが良いかなと考えています。自分ができたのですから、皆さんも絶対できるはずです。この先40-50年共に経営者としての日々を乗り越え、日本経済を引きあげられる同志が増えることを強く期待しています。

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