「いたいコンサルすごいコンサル」
―究極の参謀を見抜く「10の質問」―
【出版社】日本経済新聞出版社
【著者】長谷部智也
【発売】2016年9月22日
タイトルに惹かれて読んだ。
著者はATカーニー、ベイン&カンパニー両社で16年間活躍し、パートナーにまで昇進した本物のコンサルタント。
1、2年くらいしかコンサルをやっていないのにコンサル本を書く人と違って示唆に富んでいて読みごたえがある。
特に10の質問は大変学びが多く勉強になった。
最終提言の仮説を0日目に30秒で語れるかなど、本当のプロフェッショナルの姿がここにある。
また、成功するコンサルタントに求められる4つの資質は以下であるとのこと。
①マゾ気質である
②ナルシストである
③強い知的好奇心を持っている
④天邪鬼な性格である
私も多くのコンサルタントの方々とお会いしているが確かにそうかもしれない(笑)
ただ、業界についての著者の捉え方は彼の出身ファームのポジションを取り過ぎていることは否めず、そこは賛否両論あると思う。
ベイン&カンパニーの視点に立っての解説である。
ベインが目指すピュアなコンサルティングファームであり続けるのか、他ファームのように経営者のあらゆる課題に応えるために規模を拡大していくのか。
どちらが正解なのかは10年くらいしないと答えは出ないだろう。
しかし、それを差し引いても学生、社会人問わずコンサルタントを目指す方や業界に興味のある方は必読だろう。
知的であると共に業界裏話もあり読んでいて飽きなかった。
私が最初に著者にお会いしたのは彼がまだ銀行にお勤めの若手の頃で、私も起業前ですから長いお付き合いになります(苦笑)
キャリアインキュベーション株式会社
代表取締役社長 荒井裕之