アドバイザリー業務を担う各企業の特性
アドバイザリー業務は、クライアントの代理交渉及び、プロセス管理、各種DDレポートの作成など高い専門性が必要となるため、特定の企業がサービスを提供しています。
主要プレイヤー群
■ 投資銀行(外資、日系)
■ BIG4FAS
■ ブティックファーム
■ 銀行
各社の違いや、提供しているサービスが一部異なりますので下記で説明します。
■投資銀行
M&Aアドバイザリーサービスとファイナンス(資金調達)を提供
・外資系投資銀行は『ラージキャップ×クロスボーダー』案件にフォーカスし、件数ではなく金額をベンチマークに新聞の一面を飾るような大型案件を得意とします
→ゴールドマンサックス、JPモルガン、BofA、バークレーズ等
・日系投資銀行は、外資系投資銀行に比べ比較的幅広い案件規模を取り扱い、様々な営業網を駆使し多くの案件を執行します
日本国内で最もメジャーなプレイヤーになります
→野村證券、大和証券、みずほ証券、SMBC日興証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券等
また、資金調達(引受業務等)の支援が出来る点や、TOBなど不特定多数の投資家から有価証券を集めるなど、証券会社専業の業務もあります
日系投資銀行はカバレッジ(営業)とプロダクト(執行)に分かれて業務を遂行するのも大きな特徴です
■BIG4FAS
M&Aアドバイザリー、バリュエーション、財務デューデリジェンス、ストラテジー(M&Aコンサル)とM&Aに関連するほぼすべてのソリューションの提供が可能で、特にクロスボーダー案件に強みがあります
→DTFA、PwCA、KPMG FAS、EYSC
● M&Aアドバイザリー
投資銀行が提供するM&Aアドバイザリーと同一業務になりますがミッドキャップ系の案件を主に取り扱います
● バリュエーション
M&A取得時の企業価値算定や会計目的のバリュエーションなど、M&Aに関連する価値分析業務全般をカバーします
上場株式を対象としたM&Aに掛かる株式評価や、フェアネスオピニオン等、大型案件の取り扱いもあり数値分析のスペシャリスト集団
● トランザクションサービス
FASの屋台骨で財務デューデリジェンス業務になります
投資銀行がFAを行う大型案件の財務DD等、多岐に亘る案件を多く取り扱います
公認会計士(USCPA)等の有資格者が活躍する、会計領域のスペシャリスト集団
PreM&A(戦略、BDD)、PMI(統合支援)とM&Aエグゼキューション前後のフェーズにサービスを提供します
※戦略コンサルティングファームでも同一のサービスを提供しますが、コンサルティングファームは様々な企業成長戦略の一つとしてM&Aを提供しますが、FASはM&Aに主観を置いて企業成長の最良化を図るソリューションを提供します
■ブティックファーム
外資系(フーリハンローキー、ロスチャイルド等)、日系(フロンティアマネジメント等)があり、外資はM&Aアドバイザリーに特化したサービスを提供し、日系はBIG4FASと近しいサービスラインにて組織運営しています
外資系は『クロスボーダー×ラージ~ミッドキャップ』、日系は『in-in×ミッドキャップ』の取り扱いが多いです
■銀行
投資銀行、BIG4FASが取り扱う案件よりも小規模で、事業承継案件等の取り扱いが多いです
→三井住友銀行、みずほ銀行、三菱UFJ銀行 等