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注目の企業「CDMO」とは 最新の業界動向と採用マーケットについて

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製薬業界においては、CRO(Contract Reserch Organization)やCSO(Contract Sales Organization)などのcontractビジネスがなくてはならない存在となっております。その中で昨今注目を浴びており業界としても成長性の高い企業がCDMO(Contract Development and Manufacturing Organization)です。本記事では、CDMO業界全体の概況・市場感について解説致します。

【CDMOとは】

CDMOとはContract Development and Manufacturing Organizationの略で、治験薬や商用生産用の医薬品を受託製造している企業群を指します。
以前はCMO(Contract Manufacturing Organization)と呼ばれることも多かったのですが、近年はCDMOの呼び方の方が定着しつつあります。イメージとしては、CMOは依頼のあった品目を正確につくる製造支援企業であり、CDMOは製造の専門家として開発(Development)に相当する工程である製剤研究や治験薬製造までをカバーするコンサルティング的な要素も含まれる企業となります。
2005年の薬事法改正に伴い、ビジネスモデルとして発展した比較的新しい業界でもあります。

製薬企業において、医薬品開発のモダリティが低分子からバイオ医薬品にシフトしており開発費用も増加の一途をたどっています。
また大量生産をしていた低分子医薬品から、バイオ医薬品は少量多品種製造のプロダクトが多くモノづくりそのもののあり方もシフトしております。
そのような実態の中、医薬品メーカー単体で生産ラインを持つことはコストおよびリスクの面からも不安があり、また多種多様なモダリティに対応するため、様々な生産法に強みを持つCDMOの存在感が増しています。

【CDMOマーケットの現状】

日本におけるCDMOの市場規模は4000億円程、横ばいもしくはマイナス成長が危惧される医薬品業界において年平均成長率は3~5%程度が見込まれており、まだまだ成長が見込まれる産業です。2028年にはグローバルで200億ドル(約3兆円規模)に成長するビジネスであると言われています。

【現状の事業構成】

モダリティ別にみるとグローバルにおいてもまだ低分子医薬品の割合が大きく、実に全体の8割が低分子医薬品の案件となっています。また、そのうち6割が原薬・中間体と言われています。低分子医薬品のうち、製剤や包装等より製品に近いカテゴリーの売上はCAGRで10%弱伸びています。
また、バイオ医薬品の伸びはさらに著しくCAGRで10%以上あり非常に伸び幅が大きなカテゴリーとなっています。

【マーケットにおけるグローバル有力企業】

グローバル大手に位置づけられる企業はキャタレント、ロンザ、パセオンの3社と言われます。
キャタレントは日本国内でも2カ所製造拠点をもち、国内での歴史も長い企業です。日本ではソフトカプセル製剤の受託製造が多いですが、グローバルでは抗体やタンパク、再生医療等幅広いソリューションを持ちます。
ロンザはグローバルではバイオCDMOとして最大の売上規模を誇ります。日本円にして約8500億円。売り上げ全体の約6割がバイオ関連の売上です。ハードカプセル受託製造のカプスゲル社も買収し、キャタレントと並んでソリューションの拡大を続けています。
また国策としてバイオ医薬品製造を掲げている韓国ではサムスバイオロジクスの存在感も強まっています。グローバルから見ると中堅規模となるため特定のモダリティに特化する戦略をとっており、サムスンはバイオ特化の戦略を図っています。

【日系における有力CDMO】

国内バイオCDMOの2台巨頭と言われるのがAGCと富士フイルムです。いずれも祖業はヘルスケアではありませんが事業買収を行い、今や最大のカテゴリーがヘルスケアとなっている2社です。
AGCがドイツの医薬品受託製造会社を買収し、注力度合いを増したのは2016年。
富士フイルムは2011年にメルクから受託製造事業を買収、2022年には米国の拠点を買収し、細胞治療薬にも参入しています。富士フイルムは国内製造拠点も現在建設中です。
他方低分子製剤の製剤や包装を手掛ける企業は2005年以降事業規模を拡大しています。医薬品製造販売業の許認可を持つ企業が事業の選択の集中の際に工場を売却する動きもみられ、例としてはエーザイや三和化学研究所は武州製薬へ、エスエス製薬や第一三共はシミックCMOへそれぞれ事業を売却しています。

【人材採用における課題感】

特に日本に生産拠点を持つCDMOは既に日本に生産拠点を持っていた事業所をスピンアウト・買収する形で事業を開始した会社が多く(例:武州製薬、シミックCMO、クオリテックファーマ等)、生産活動に必要な生産・技術・品質等の人材は常に募集がある状況です。特に生産事業所は地方拠点を持つケースが多いので、人材確保に苦戦を強いられております。募集の多い地域で言いますと、富山・静岡・埼玉等が多く、その他福井や福島等でもニーズがあります。単身赴任や借り上げ社宅の制度を持つ企業も多いので、地方移住を検討される方にとっても選択肢の一つとなり得るかと思います。

また、日本に生産拠点を持たないCDMOも複数存在します(パセオン、ホビオンなど)。こういった企業群は国内で10名規模程度の営業部隊のみを配置するという体制で日本国内、場合によっては中国・台湾アジア等をカバーする営業拠点となっています。

日本に事業拠点があるなしに関わらず、事業拡大のためのBusiness Development人材のニーズは高く、特に海外と交渉できるレベルの英語力のある人材は非常にニーズが高いです。1件あたり億単位の受注となるケースも多いだけに、特にインセンティブ比率の高い外資系では年収の高い方が多く年収2000万円を超えるケースも数多く見られます。
CDMOのBD経験者はまだまだ少ないので、理系のバックグランドがありBtoBの営業経験、かつビジネスレベルの英語力がある方は業界未経験でも受け入れられるケースも多くなっています。

まとめ

CDMO業界全体の動向、採用マーケットにおける全体感を記述させて頂きました。
コロナワクチン製造や昨今の医薬品の供給不安問題についても、国際的に見た中で日本の医薬品生産体制の遅れから起因しているのではと指摘されています。
今後医薬品のモダリティが多様化していく現状を鑑みても、医薬品生産のプロフェッショナル集団として、製薬業界においてCDMOの重要性は益々高まってくると思われます。
医薬品産業ビジョン2021においてもCDMOにおける特に生産関連の人材不足が記載されており、今後も採用マーケットは活発であると考えられます。

ヘルスケア担当:喜田

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