こんにちは、ヘルスケア業界担当 喜田です。
2020年春先より全世界を襲った新型コロナウィルス。11月現在では、日本は第三波の襲来と言われています。あらゆる産業で様々な影響を及ぼし、世の中が変わってしまいました。ヘルスケア業界ではどのような変化が起きているのか、いくつかの視点から見てみたいと思います。
■ 製薬業界の影響
2020年度上期の製薬各社の決算が出そろっています。主要7社(武田、アステラス、第一三共、エーザイ、大日本住友、塩野義、小野)の概要は1.9%減収、2.0%の営業減益でした。ただし、今回は薬価改定の影響もあり前回薬価が改定された2018年は0.6%増収、1.8%の営業減益のため、ある程度想定の範囲内だったといえます。
ただし、薬価以外にも様々な影響が出ています。
まずは、感染症拡大を恐れた患者の病院の受診控え。街中のクリニック等では特に、経営が悪化しているという現状もありますが、医薬品業界においても薬の処方がなされないので医薬品の使用も減少しています。特に抗菌剤の領域が打撃を受けているといわれます。
臨床試験の遅れも発生しています。当然、開発スケジュールにも影響は出てきます。ひいては新製品のローンチも遅れ経営に影響はでることは必至となります。
MRの在り方にも変化が起きています。これまでもMSLとの棲み分けが問題でしたが2020年のMR認定試験はオンラインで原則全員合格。訪問規制も強い中で、一人一人のMRが提供できる情報の量と質と提供方法が厳しく問われてくることになるでしょう。
主だったものをピックアップしていますが、その他にも今後様々な影響が発生することでしょう。
■デジタル化の推進
11月にいよいよ、治療アプリの保険適用が認められました。CureApp社の開発する、禁煙治療アプリです。今後も第一三共と共同でがん治療支援アプリの開発や他にも高血圧治療アプリ等も開発しています。
アステラス製薬はバンダイナムコと提携し運動支援アプリの開発を行っていますし、その他の各社もデジタル治療・予防のスキーム開発に力を入れています。
他にもAI創薬を活用することで、開発費用は半分に成功率は10倍になるいう資産もあり中外製薬は世界的なAI創薬リーディングカンパニー Prefered Networksと包括契約を結ぶ等各社動きを加速させています。
オンライン診断も話題となりました。コロナ禍の影響もありますが、初診時にもオンラインでの診断が認められたのは医療のデジタル化における大きな一歩でしょう。
患者個人のデータの連携等、取り組むべき課題はまだまだ様々ありますがコロナによって急激にデジタル化が進展したのは事実でしょう。
今後も最新のマーケットトレンドは随時アップデートして参ります。今後ともよろしくお願いいたします。
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(喜田)