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プロ経営者インタビュー

横濱 潤 氏

[2]現在のご自身の役割について教えてください

2つの大きな使命を自らに課しています。1つは、いろいろな面でこの会社を変えていくこと。武州製薬はこれまで右肩上がり一直線で成長をしてきましたし、それを実現できるだけの技術力等々は備わっています。しかし、製薬業界では世界的にも国内的にも、非常に大きな環境変化が起き始めています。

単に良質な製品を効率良く生産し、安定供給するだけでなく、たとえばコスト競争力のさらなる向上や、お客様満足度の拡充などに着手して、あらゆるファンダメンタルズを改革していく必要があります。そのためにも社員一人ひとりの意識から変えていく。それが私の役割の1つです。

もう1つは変革と成長の布石を具体的に打っていくという役割です。幅広い医薬の世界の中で、どの領域に出て行くのか、そこでどのような戦略を実行するのか、という意思決定をどんどん進めていき、スピード感を持って実行もしていく必要があります。武州製薬は外資系製薬企業のサポートを早い時期から行ってきたことが強みとなっていますが、現状の競争力に甘んじてはいられません。

サプライチェーンのグローバル化は今後本格化しますし、そうなれば過去の蓄積で差別化することも難しくなっていきます。また、日本のメーカーでも治験の実行は海外で、という時代です。「それならば製造も海外で」という傾向さえ現れてきています。こうした変化にどう対応するのかも含め、布石を次々と打っていく必要があるのです。

[3]小中学生時代はどんなお子さんだったのでしょう?

田舎育ちの普通の子どもでした。出身地は北海道の札幌ですが、私がいた郊外は本当に田舎で、のびのびと野球をして育ちました。

[4]高校、大学時代はいかがですか? リーダーシップの芽生えのようなものはあったのでしょうか?

高校になってから札幌市内の学校に入りましたので、「田舎のお山の大将」だった私は、大いにカルチャーショックを受けました(笑)。ただ、とても自由な校風を持つ良い学校だったので、すぐに馴染んでいきました。

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独自の教え方をする先生も複数いて、特に私は倫理社会の先生から影響を強く受けました。高校生を相手にいきなりカントやサルトル、マルクスなどの本を読ませたりする先生なのですが、そうした社会科学的な本に書かれている内容が私には面白くてしょうがなかったものです。まわりにも似たような読書好きの仲間がいて、一番仲が良かった友人もその一人でした。

東大への進学を目指したのも、彼が東大志望だったからです。残念ながら私は友人の1年後に入学をすることになりましたが、その彼が雑誌を作るサークルに入っていたので、私もそこに入り、似たような志向性の仲間を何人も見つけることができました。そしてその後、冒頭でもお話したゼミに入り、厳しい環境下で勉学する喜びを知っていきました。

このような高校〜大学時代でしたから、昔ながらの体育会的なヒエラルキーの中でのリーダーシップとは無縁でした。むしろその対極のような、リベラルでフラットな雰囲気の場にばかりいたことになります。今でも仲良くしている友人がたくさんいますし、私としてはこういう環境にいたことが、後々本当に役に立ったと思っています。

[5]ご家族やご親戚に経営者はいらっしゃいますか?

父が札幌郊外の田舎町でスーパーマーケットを設立し、経営していました。子どもの目から見れば、経営者と言うよりは地元の店屋のオヤジです(笑)。「経営とは」というような学びを得たとは言い難いのですが、それでも「中小企業の社長というのはこういうものなんだな」という感覚で父を見ていた記憶ならばあります。

後になって私はファーストリテイリングで柳井さんと出会い、「経営者とはどういうものなのか」を強烈に感じ取ったのですが、その柳井さんが常々体現していたのが「経営者は管理者としてではなく、創業者として仕事をし続けるべきだ」という哲学。要するに「身銭を切って、自らの責任で勝負する」のが本当の経営者である、という考え方をたたきこまれたわけです。その時は、父のことを思い出し、いろいろな感慨にふけりました。

[6]ご自身の性格について教えてください

小さい時から、かなりの楽観主義者で「自由に生きたい」という強い願望を持っていましたね。そんな一面が人と接するときにも出るようで、周囲からはよく「おおらかですね」と言われたりもします。そして、こういう性格なのは「北海道出身だからかもしれない」と思うこともあります。

北海道拓殖銀行時代にシカゴへ留学し、その後もアメリカの拠点に駐在した私ですが、初めて味わったアメリカのカルチャーがとても心地よく感じられました。考えてみればアメリカと北海道はよく似た出自を持っていて、どちらも初めは方々からやって来た開拓民、移民の集団です。そういう状態の中で生きていくには、相手の自由や立場を尊重しながら、同時に自分が何者で、何をしたい人間なのかをきちんと伝えていく必要があったはずです。

そして、こうした環境がその土地で生きる人のカルチャーとなって、定着したに違いないと思うのです。道産子の私がアメリカに馴染むことができたのも、そのおかげかなと考えています。
いまだに東京や関西にいる時のほうがアウェー感を覚えますよ(笑)。

[7]いつ「経営者になろう」と思われましたか?

おぼろげながら「いつかは経営の仕事がしたい」と思うようになったきっかけはBCG時代でした。ブランド構築に関わるような案件をかなり体験し、ブランド作りやその魅力の伝え方に携わる仕事をとても面白く感じました。これも会社経営に通じる大切な仕事の1つですから、「本格的にやってみたい」との気持ちは膨らんでいきました。しかも、BCGにいれば、いつも経営という事象が身近にあります。経営者と向き合う機会の多い立場ですし、経営に必要となる知識やスキルも日々学んでいくことができました。

それでも、強く「経営者になりたい」と志すようになったのはファーストリテイリングに入ってからです。先ほども言いましたが、「経営とは身銭を切って、自分の人生をかけてやる仕事だ」という発想を身体で覚えていくにつれ、BCG時代に培った左脳的な部分以外でも、経営の仕事に惹かれていきました。「この会社はこうあらねばならない」というような、ある意味、感情的で感覚的なものもとても大切だ、ということを知ったわけです。

もちろん、観念論だけでうまくいくほど経営というものは簡単ではありませんが、「意識のありようひとつで自分が持っている知識がよりパワフルな武器になる」ことを痛感する経験も多数味わい、「面白い」と思いましたし、「ぜひ経営者になりたい」と明快に志すようになりました。

[8]経営者に必要なメンタリティ、スキル、経験とは何でしょう?

メンタリティで不可欠なのはオーナーシップですね。「この会社は自分が何とかするんだ」という意志です。どれだけこの意志を強く持てるかどうかが問われると思います。豊富な知識やスキルの持ち主が現れて、雇われ社長になることもあるでしょうけれど、「短期的に問題を解決して経営を建て直したらそれで終わり」という姿勢しかないのなら、その人は真の経営者とは違います。長期に渡って、自分の事として成果を出し続けようとする意志。これが必須だと思います。

スキルということになれば、誰しもMBA的な知見を思い浮かべるでしょう。それは間違いではありません。そのような知識は必要です。しかし、ファーストリテイリングで私が学んだのは、「そこにいる皆に共鳴をしてもらい、多くの人が協力したくなるような目標、仕組み、素地、組織を作る能力」の重みでした。

経営者個人がどれほど有能であっても、まわりの人々が本気になって動いてくれなければ、経営というものは決してうまくいきません。武州製薬に来てから、私自身も実感していますが、自らが創業者であるかのごとく気概を持った行動こそが、皆の心を動かし、周囲の協力を得ていくために必要不可欠なスキルだと感じています。

最後に経験についてですが、以上のようなメンタリティやスキルを確立しようと思ったのなら、日々の仕事の場で小さな労苦を惜しまずに引き受けて、経験値を積み重ねていくしかないと思います。どんな経験をすべきかといえば、「人に集まってもらい、盛り上がってもらい、計画したものを皆で成し遂げる」というサイクルに、責任者となってグルっと一回り携わり続ける経験。

人に賛成してもらったり、反対してもらったりしながら、最後には皆で納得しながら結果につなげていく。理屈が必要な場面もあれば、理屈なんかじゃ説明できないことに挑んでいく場面もあります。そのすべてを自己の責任でやり遂げていくことで、成長していけるはずです。

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