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プロ経営者インタビュー

郡 信一郎 氏

[2]現在のご自身の役割について教えてください

社長就任以来、社内外を問わず提示し続けている通り、デルは「IT ソリューション・プロバイダー」として新たなポジションを確立しようとしています。PCやサーバなど、高クオリティの製品をいち早く、リーズナブルな価格で個人や法人のお客様に提供し、なおかつ高い顧客満足を実現するアフターサービスの充実などによって、デルはIT市場で大きな成果と高い評価を受けてきました。

そして、今まさにお客様が求められているのは「優れた製品やソフトウエアを保有する」ことに加えて、それらをいかに活用して成果に結びつけていくかです。クラウドやビッグデータなど、重要なキーワードが次々に生まれ、その重要性が叫ばれている一方で、満足のいく成果を獲得できないでいる企業は少なくありません。製品に密着し、その価値を最大限に引き出すことに通じてきたデルにしかできないサービスやソリューションが必ずある。それをお客様にどんどん提供していこう、というのがここ数年の私たちの姿勢です。

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ですから、まずは「製品提供のデル」ではなく「IT ソリューション・プロバイダーのデル」というものをもっともっとお客様に認知してもらう。そうして、実際に目に見える成果へとつなげていく。これが私の主な役割ですし、デル株式会社にいる1800名の社員がどのように力を結集すれば目標を実現できるのか、その方向性を示し、率先して行動を起こしていく役割も担っているのだと自負しています。

すでに大きな業績を築き上げた企業が、新しく生まれ変わろうというのですから、決して平坦な道ではないことは自覚しています。しかし1800人の皆とともに是非とも成功を分かち合いたいと思っていますし、先ほども申し上げたように、「これほど大きなチャレンジができる機会はない」と考え、ワクワクしています。

[3]小中学生時代はどんなお子さんだったのでしょう?

泣き虫、生意気、負けず嫌い(笑)。それが子どもの頃の私です。3月生まれということもあって、小学校ではクラスの中で体も小さく、体格の大きな子供達と比べていろいろな場面で不利な事もありましたが、おかげで「負けるものか」という意識はさらに強まったような気がします。

成績はまあまあ良かったのですが、特に得意だったのは国語でした。ところが父の仕事の都合で渡米することになり、中学からはアメリカの学校です。日本での国語の強みは発揮できません。負けず嫌いな自分に鬱積したストレスを、私はスポーツで発散するようになり、冬はスキー、春は陸上、秋にはサッカーというように、季節ごとにいろいろなスポーツに没頭。サッカーではマサチューセッツ州の代表に選ばれるくらいにまでなっていました。

[4]高校、大学時代はいかがですか?

リーダーシップの芽生えのようなものはあったのでしょうか?

高校も大学もアメリカの学校でしたが、高校生の頃はサッカー部でキャプテンをしました。大学時代は北米特有の男子学生向け社交団体であるフラタニティで幹部の1人になったりもしました。しかし、「ではそこでリーダーシップをいかんなく発揮していたか」というと、そうではありませんでした。

まあ、そこそこのリーダー気質は養えたかもしれませんが、ビジネスリーダーにつながるような気構えや発想や行動力というものを強く意識するようになったのは社会人になってからです。とりわけリーダーシップの重要性を痛感したのはつい最近、デルに入社してからです。

マーケティングの担当から営業分野の本部長へと役割が変わった2006年ごろ、目標達成のためにはどうしても組織全体が変わる必要性に迫られていました。この時、メンバーの皆に向かって私がクチにするようになった言葉が「できない言い訳はするな。できる理由だけ考えてくれ」でした。

この言葉は今でも私がよく使うメッセージの1つになっていますが、当時はこの言葉を自分にも突きつけていました。「リーダーシップをうまく発揮できない」などと自分が考え、迷っていたら、何もかもうまくいかなくなる。何があってもリーダーとなってチームを勝利させるのだ、と厳しく自分に言い聞かせていった結果、なんとかリーダーらしく行動できるようになった気がしています。

[5]ご家族やご親戚に経営者はいらっしゃいますか?

父は一部上場企業でナンバー2の立場にいました。また、母方の祖父も上場企業の創業者でしたし、私は大のお爺ちゃん子でしたから、特に意識はしなかったものの何かしら影響は受けたのではないかと思います。

子どもの頃に「僕も経営者になるんだ」などと考えたことはありませんでしたが、よくわからない大人の世界とはいえ、「自分もこうなるのかな」というような漠然としたイメージは抱いていたかもしれません。

[6]ご自身の性格について教えてください

子どもの頃の話でも言いましたが、今現在に至るまで一貫して負けず嫌いな性格です。責任感が強いのか、正義感が人よりも強いのか、そのへんはよくわかりませんが、とにかく負けることが嫌いですね。ただ、身近な人間たちに言わせると、恥ずかしがり屋な側面もあるようです。

[7]いつ「経営者になろう」と思われましたか?

具体的に「社長になる、なりたい」と考え始めたのは、デルに来てから。しかも社長に就任する3〜5年前くらいの時期です。

[8]経営者に必要なメンタリティ、スキル、経験とは何でしょう?

私なりに大切にしている事柄が3つあります。1つは「リードしたい」という強い気持ちを備えること。私自身がこの必要性を強く感じたのは、先に申し上げた通りデルに入ってからです。公共分野のお客様を対象とする営業部門を任された時、「自分がリードしていかなければ」という思いにかられました。

では何をしたのかといえば、「できない言い訳ではなく、できる理由を考えよう」というメッセージを繰り返し投げかけていったのに加え、「公共営業はこうあるべきだ」というイメージを私自身の中で細かに構築して、これをメンバーの皆と共有できるように、何度も伝えていくようにしました。「リードしたい」「リードしなければ」という強い気持ちをもって、そのための行動を起こしていくこと。それが経営者には必要だと思います。

2つめは問題解決力です。私はハーバードやブーズにいた時代にこの力の重要性を痛感するようになりましたが、その後心がけるようになった基本的取り組み方というのが、「様々な問題を同時に抱えていても、まずは優先順位をつけていくこと」と、「それぞれの解決にあたっては極力シンプルな発想で臨むこと」です。

例えば今、私や1800人の仲間は「デルをIT ソリューション・プロバイダーにしていく」という課題を背負っています。途方もない大きな命題ではあるものの、実現できる道筋は必ずある。やるべきこと、なすべきことの優先順位をつけていき、それぞれの問題や課題をシンプルに考えて解決していけば、この大きな目標も達成できると信じています。

3つめは良きストーリーテラーになることです。公共営業部門にいた頃の私が「こうあるべき」というイメージを伝えていった話をしましたが、ただ漠然と「あるべき姿」を伝えていても真意を共有できない場合が出てきます。

「なぜ、そうするといいのか」「どうすれば、あるべき姿に到達できるのか」というように具体性のあるストーリーを組み立て、それを聞く相手が魅力的だと感じてくれるように伝えていく。社内ばかりでなく、社外の人たちを相手にする場合でも、こちらの考えや思いがいかに価値あるものか理解してもらい、支持してもらえるようなストーリーテラーにならなければいけない。これも重要な経営者の条件だと考えています。

[9]他に経営者に必要な資質や能力などありますか?

資質や能力とは違うかもしれませんが、経営者になるような人には、何かしらタイミングとか運命的な巡り合わせのようなものがついてまわるのではないかと思っています。

私自身がデルの次期社長として指名された時がまさにそうでした。前任のジム・メリットの米国帰国のタイミングと、私のスキルや様々な能力が高まったタイミングというのが、たまたま同じ時期に重なった。だから「次はおまえだ」ということになったのだと、私は今も確信しています。

「そんなものは運でしかなくて、本人にはどうしようもないこと」と受け止める人も多いでしょう。たしかに、物事がいつも自分にとって都合のいいタイミングで合致していくとは限りません。制御不可能なのが「運」であり「タイミング」。しかし、私は思うのですが、仮に制御不能であっても、なんとかたぐりよせようとする努力は必要なんじゃないか、と。

少なくとも社長就任前の数年間、私は「いつかここの経営者となってリーダーシップを発揮する」ことを目標にしながら、「この会社に対して自分にできることは何か」というのを意識的に追いかけ、行動していった自負があります。そして、こういう意識のおかげで自分自身が成長することができたのだと捉えています。

結果として、望んでいた立場に就くことが出来た私は、ラッキーだったわけですが、経験的更にはスキル的、精神的に準備するべく努力をしていなかったら多分このタイミングで社長になれなかったでしょう。ですから、今後経営者を目指そうというかたは、「運だからどうしようもない」ではなく「そうかもしれないけれど、なんとかたぐりよせられるように努力してみよう」と考えてほしいと思います。

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