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画像:大竹 秀彦 氏

プロ経営者インタビュー

大竹 秀彦 氏

ベイン、トンプソンという外資系トップの組織で育った大竹秀彦氏は、その後、大学発によるベンチャー事業創成にも携わった経験を持つ人物。その大竹氏が現在采配を振るっているカンター・ジャパンはグローバル企業グループ、WPPの中核を担うカンター・グループの日本法人。
独自の性質を持つ日本のマーケティング・リサーチ市場で、一層の成長を実現するべく多忙な日々を送る大竹氏だが、20の質問に対して丁寧に答えてくれた。
プロ経営者とはどんな存在なのか?どのような事柄を大切にすべきなのか?個性を重んじる大竹氏ならではの返答から、重要なヒントが得られるはずだ。

大竹 秀彦 氏
株式会社カンター・ジャパン 取締役社長兼COO
http://www.kantar.jp

1970年、東京都生まれ。東京大学教養学部を卒業後、ベイン・アンド・カンパニーに入社。コンサルタントとして多様なプロジェクトに携わり、1997年にはハーバード・ビジネス・スクールへ留学し、MBAを取得。2000年、ジェイ・ウォルター・トンプソンへ転職してデジタル・マーケティング部門のマネジメントを担い、後にEVP(エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデント)としてセールス・プロモーション・チームも含む大組織のリーダーを務めた。2004年、聖マリアンナ医科大学より依頼を受け、同大学の知財発信を担うMPO株式会社の設立に着手。一連の動きの中から2006年に大学発のベンチャー企業として株式会社ナノエッグを設立。2011年、カンター・ジャパンの前身であるテイラーネルソンソフレス・インフォプランにマネージング・オフィサーとして参画。2013年にカンター・ジャパンの取締役社長兼COOに就任した。

[1]自己紹介をお願いします。

学生時代の私にとって最大の関心事は留学でした。ですから、就職活動でも留学させてくれる可能性が高い企業に照準を定めていたんです。ベイン・アンド・カンパニーに惹かれたのも、所属するコンサルタントの多くが留学を実現しており、当時としては珍しいことだったのですが、留学希望者を企業として後押しする姿勢を持っていたことでした。スプリング・ジョブでインターンとして体験した内容も、非常に面白かった。それで入社を決めました。

コンサルタントとなって、様々な企業の経営上の問題解決に関わっていくことは、重責の伴う仕事ではありますし、タフな毎日を送ることにもなりましたが、やりがいを感じることができました。希望していた留学も実現しました。そして、ハーバードで学ぶうちに「いずれはコンサルタントではなく、自分で会社の経営を動かす存在になりたい」と考えるようになっていきました。しかし、当時はまだ29歳。そう簡単に大きなチャンスに出会えるとも思っていませんでした。

ところが、30歳となる2000年にジェイ・ウォルター・トンプソン(以下、JWT)の情報を耳にしたのです。JWTといえば、広告業界における世界のトッププレーヤーです。そこが日本でデジタル・マーケティング領域に力を入れようとしていて、この領域を任せられるマネジャーを募集している、というのです。詳しく聞いてみると、財務も人事権も任せてもらえるマネジャー職でした。経営につながる仕事を自らやってみたかった私にはとても魅力的でしたから、応募をしました。そうして、入社が決まったわけです。

ここでの仕事も充実していました。また、入社後しばらくするとデジタル・マーケティングのチームだけでなく、セールス・プロモーションのチームも任せてもらい、日本におけるマス広告以外のすべてのマーケティング事業でリーダーシップをとれることになり、より価値ある経験を積むことも出来ました。

そうして約5年が経過したところで、今度は聖マリアンナ医科大学が大学発のベンチャー創成に注力しようとしている、という話を聞いたのです。学術機関が研究成果として保有している知財を、自ら事業化していく動きが日本でも盛んになりつつある時期でした。かねてから、そうした動きに興味を持っていた私は、この聖マリアンナ医科大学の話に乗ることにしました。理由は、シンプルに「面白いと思ったから」。それだけです。

はじめに関わったのはMPOというチーム。大学が持っている知財を外に向けて発信し、特許の取得などにも関わっていく取り組みに参画していました。そのうち、人間の皮膚から体内に薬剤を入れていく技術を聖マリアンナ医科大学の研究者が生みだし、これを事業化し、会社にしよう、という動きが生まれます。そうして私は、ナノエッグというベンチャー企業を立ち上げ、翌年社長に就任しました。結局、2011年までの約4年間は、20人のメンバーがいるナノエッグの社長として経営の仕事をしていきました。

ナノエッグでの日々も私は楽しんでいました。新しい価値をビジネスという形にしていく仕事には、独特の喜びがありました。ただし、グローバルな広がりという面では当然のことながら、まだまだこれからという状況。私の気持ちは徐々に「もっとグローバルで、スケールのあるところで経営がしたい」という方向になっていきました。そして、この気持ちがカンター・ジャパンに来ることへとつながっていったのです。

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英国に本社を持つWPPグループは、様々な機能を持った企業の集合体で、世界中に強い影響力を持つグローバル・グループです。そして、その中でマーケティングに関わる企業の集合体として機能しているのがカンター・グループ。当時、日本でもこのカンター・グループがM&A等を通じて、数十年の歴史を持つ調査会社など複数の企業を併合させて、スケールの大きなチャレンジをしようとしている最中でした。すでに250人ほどの体制が出来上がろうとしているところで、私もまたこの動きに参加しました。カンター・ジャパンの前身となったテイラーネルソンソフレス・インフォプランという会社に、まずはマネージング・オフィサーとして2011年に参画し、2年後、カンター・ジャパンの取締役社長に就任したんです。

[2]現在のご自身の役割について教えてください

カンター・ジャパンの主な事業を一言でいうとすれば、マーケティング・リサーチです。クライアント企業の課題解決や目標達成につながる市場調査、消費者調査などを国内はもちろん、グローバル規模でも行い、意思決定に必要な付加価値として提供していくビジネスです。クライアントは現状、日本企業が4割、外資系企業が6割。これらのクライアント企業を、5つに分けたチームがそれぞれ担当し、売上目標を追求していくスタイルをとっており、私の主たる役割は、この5つのチームをマネージしていくことです。

非常に高いターゲットを常に目標にしていますので、私自身も案件獲得のために動きます。注力分野である自動車産業や製薬関連企業の案件などでは、クライアントへ出向き、直接お会いして議論を重ねたりもします。日本のマーケティング界には、大手広告代理店が動かしてきた独特の歴史があります。そして、その枠組みの中で形成されたヒエラルキーのもと、護送船団式に成長してきたのがマーケティング・リサーチの領域です。

今それが、例えばインターネットが普及したことや、既存マスメディアが新たな方向性を模索しなければいけなくなる潮流によって、変化の時を迎えています。ですから、そういう変化の波の中で、どうやって独自の存在価値を示していけるか、ライバルとの競争や協業をどう進めていくか、等々を考えるのも私の重要な役割になっています。

[3]小中学生時代はどんなお子さんだったのでしょう?

地味でした(笑)。おとなしいし、目立つのも好きではない子どもでしたね。ただ、4年生の時に父の仕事の関係で広島に引っ越したのが、ちょっとした転機になりました。広島は立派な都市ですけれど、それでもやっぱり東京に比べたら田舎ですから「東京から来た子」というだけで珍しがられたんです(笑)。それを私がどう受け止めたかというと、「違った環境に生きるのって、案外面白いな」だったんです。

[4]高校、大学時代はいかがですか?
リーダーシップの芽生えのようなものはあったのでしょうか?

広島の中高一貫校に進み、個性的な国語の先生と出会ったことから、俄然、本を読むのが大好きになりました。その先生が「この本は面白いぞ」と紹介してくれる本がどれもこれも面白くて、ハマっていったんです。小田実の『何でも見てやろう』や、妹尾河童の『カッパが覗いた』シリーズは特に面白く感じ、こうした本を通じて「日本以外の場所って面白い。行ってみたい」という欲求・願望も膨らんでいったんです。

まあ、そんな経緯がありましたから、大学に入ってからは、バイトをしてお金を貯めてはバックパッカー的に海外旅行を実行していくようになり、実際に世界の国々を旅した結果、「留学したい」「社会に出たら外国で働きたい」と思うようになりました。最初にお話したように、この動機がベイン入社につながったのです。

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