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プロ経営者インタビュー

留目 真伸 氏

[11]業界のプロとしての知見はいかがでしょう? やはり必要だとお考えですか?

これも経営者に必要な「ビジョン」と「ゲームに勝つ力」に絡めて回答させて下さい。
まず、先ほどから経営者は「ゲームに勝つ力を持たなければならない」と何度も強調していますが、短期的にゲームに勝つことに関しては、業界のプロの知見はあまり重要でないかもしれません。スポーツでもトランプなどのゲームでも、何か1つの種目に強い人は他のゲームにも強かったりしますよね?

あらゆる勝負事に共通する「勝つためのメンタリティや能力」というものがありますから、それを備えている人は初めて挑んだ競技にもあっという間にとけ込んで、勝利を奪ってしまう。経営も同じようなことがあると思います。いわゆる職人的経営者、つまり困っている企業に行って、限られた期間内でともかく勝利を呼び込んでしまうプロフェッショナルになりたい、というのであれば、業界としての知見などは、さして重視する必要はないかもしれません。

しかしながら、実を言うと私はそれだけでは面白くない、と考えてもいます。もちろん、ゲーム、特に初戦に勝つことは重要です。けれども、そういう人がそのままずっと勝ち続けるかというと、そうではない。短期的には勝利を続けて周囲を驚かせるけれど、次第に深みのなさが出て劣勢になる......というパターンもまたよく見かけます。職人的経営者は自分が最大限にインパクトを与えられるタイミングを理解しているでしょうから、長くやりたいという気持ちも持たないと思いますが。

一方、短期的な勝利を上げることだけが目標なのではなく、先に申し上げたような「世の中の課題を解決したい」というビジョンを持っているのならば、最初の数回の「ゲームに勝つ」のはその一過程にすぎません。本当に実現したい人類のための課題解決があり、そのための経営者になろうというのならば、ビジョンを深めていく必要があります。

ビジョンを深める時、問われてくるのが業界固有の知見や人間関係です。現時点で知見を豊富に得ていなくても、最初の数回のゲームには勝てるかもしれない。けれども、そのままでいたら勝てなくなるし、そもそもその事業の本質を追求していくことを通じて得られる、わくわくするような喜びは手に入りません。大きな目標に向かって突き進む経営者になろうというのならば、業界知見と人間関係もまた、とても大切な要素だと私は考えています。

[12]過去に体験した最大の試練やストレッチされたご経験について教えてください

試練という意味でも、ストレッチという意味でも、私の半生の中でハイライトだったのはNECとの事業統合に携わった時です。本当に苦労しましたが、実に多くの収穫を得ることができました。先にも申し上げたように「和魂洋才」の理想を行動に反映できたのも、この時だったんです。

[13]経営者を志す者には、どのような努力や学びが必要でしょうか?

先ほども言いましたが、いち早く事業責任を背負う立場となって経験を積み、マネージメントというゲームに勝てる力を養うべきでしょうね。そして、もう1つ努力してほしい事柄があります。それはフラットでフェアなものの見方を手に入れることです。

グローバルに繋がってビジネスを展開するのが当たり前の現代で、フラットでフェアなものの見方を体得しようというのならば、外資系企業であろうとなかろうと、外国の人々とコミュニケーションをとって、なおかつ世界中の情報を収集できるようにするのは当然のこと。ですから最低限、英語で話すことは必須になります。

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ただし、本質は英語云々ではなく、意識の面でフラットでフェアな存在になること。多様な人々とつながりながら、同時にそういう人たちに染まるのではなく、ニュートラルな心でフラットに受け止めていけるよう意識し続ける努力が大切だと考えています。

人類にとって重要なグローバル規模の課題解決に貢献する、というビジョンを成し遂げようとすれば、その会社が「日系」とか「外資系」であることは何の意味もありません。むしろ、その出自に関わらず、多様性をもった世界最強のチームを作った方が、ビジョンを実現していくためには良いわけです。

そう考える私ですから、一般的に言わるような「海外売上比率を上げる」とか「○○市場で中国勢・韓国勢に勝つ」とか「日本発の○○で世界へ」といった文脈で「グローバル化」を語られると、いつも違和感を覚えます。

お客様にとっても、グローバル規模の課題解決という目標に関しても、「日系」「日本発」ということは意味がありませんから、それよりもフェアでフラットな視点をもって、世界とつながり、グローバルチームに参加し、日本人のアイデンティティを活かして活躍していくことを目指してほしい。そう思います。

[14]今までに影響を受けた先輩や師匠といえるかたはいらっしゃいますか?

デルで出会った浜田宏さんから、経営者のあるべき姿を学びました。そしてレノボでの上司のロードリック・ラピンから、フェアでフラットなものの見方の大切さを学びました。

[15]キャリアの成功とは「計画的に努力して成し遂げるもの」でしょうか?
それとも、「偶然や人との出会いなど、運が影響するもの」だとお思いですか?

計画はしなければいけないと思います。ただし、計画とはいずれ変更を余儀なくされるものでもあります。時間の経過とともに本人の持っているケイパビリティが向上すれば、計画もまた再構築していくのが自然な成り行き。それでも計画をきちんと立てて、それに基づいて行動していく。

私は世の中のすべての物事に「仕組み」があると信じていますので、計画を塗り替えながら行動していくことが、この「仕組み」に働きかけていくことへとつながり、その働きかけの繰り返しによって、「仕組み」が動きだし、例えば出会いにつながるのではないかと考えているんです。だから、出会いも運も「偶然」ではなく「必然」。「仕組み」に有効に働きかけた者だけが、必然的な対価として出会いや運に恵まれる。そう思います。

[16]なぜ起業ではなかったのでしょうか?

基本的な考えを先に言いますと、起業でもそうではなくても、どちらでも良い、というのが私の本音です。グローバル規模で人類の課題解決に貢献できる「大きな仕事」で、リーダーシップをとれれば、どっちだっていいじゃないか、と思うからです。そして、結果として私が起業しなかった理由があるとすれば、これまでは起業のテーマになりうるような「大きな仕事」が見つからなかったからだと思います。この先はわかりませんが。

ただ、もう1つ私には信念のようなものがあります。起業家のかたがたのことは心底尊敬をしていますが、メディアや世間が「起業、起業」とはやし立てている状況には疑問を持っているんです。私たちビジネスパーソンは野球選手やサッカー選手と違い、彼らよりもずっと長い選手寿命を得ている立場です。きらめくような才能がなくても、じっくり時間をかけて努力し、メジャーリーグやプレミアリーグを目指していくことが可能です。

今目の前にある仕事、あるいは誰かが始めた事業や会社でもいい、そこから、ビジョンを大きく持ってメジャーリーガーを目指すことの素晴らしさを多くの人に再認識してほしいなあ、と思っていたりします。小さなビジョンで起業して満足してしまうよりも、若い人にこそ「メジャーリーグ」を目指して欲しいです。

[17]特別な信条やモットー、哲学などをお持ちですか?

幕末・維新の志士が好きだという経営者やビジネスパーソンは数多いと思いますが、私もその1人です。そして、以前は坂本龍馬に入れ込んでいたのですが、ここ数年の私はすっかり高杉晋作に夢中になっています。今風に言うならば龍馬はフリーランスでした。その自由闊達さが最大の魅力ではありますが、私のように企業人としてメジャーリーグを目指してきた人間は、高杉晋作的な生き様に吸い寄せられるのではないかと思うんです。

脱藩浪士だった龍馬と異なり、高杉は長州藩の中枢にいました。エスタブリッシュのふところ深くにいながらにして、変革を起こそうともがいた人物。だからこそ、書籍などで彼の考えや言葉に触れると、共感するものが多々見つかるんです。やはりきわめつけは「おもしろき こともなき世を おもしろく」。高杉の辞世の句です。「勝たなければいけない。けれども勝つだけでは意味がないし面白くない。どうせ勝つならば面白くいこう」......そんな私の心の琴線に触れる言葉なので、とても大事に胸にしまっています。

[18]経営者となった今、何を成し遂げたいとお考えでしょうか?

世の中の課題を解決して貢献することが、会社というものの意義であり、経営者の使命なんだ、という話は先ほどしました。私自身に当てはめれば、コンピューティングパワーを世界の隅々にまで普及させ、また、常時人々の生活をサポートし、世界を元気にしたい。そして直近の目標として、まずは日本を元気にしたい。これが私の目標です。

[19]現在のポジションを去る時、どういう経営者として記憶されたいですか?

考えたこともありません。社長は辞めませんよ、という意味ではなく(笑)、ポジションがどうなろうが、私が目指すものは変わらないはずだからです。「どう記憶されるか」を考えるよりも、和魂洋才の志を貫き、どんな立場になろうと目標を追い求めることに集中したいと思います。

[20]20代、30代のビジネスパーソンにメッセージをお願いします

今日のインタビューでも何度か口にしましたが、私は事あるごとに「メジャーリーグを目指そう」と言っています。目指すにはどうすればいいのか、についても今日お話をさせてもらいましたが、やっぱり重要なのは本質を見失わないことですよね。

今、この国では本質を見失っている人が相当いるんじゃないかと思っています。なんとなく閉塞感に襲われている人、なんとなくハードウェアのビジネスは儲からないと言う人、なんとなくだけど日本はダメだと言っている人、なんとなくNPOに参加している人、とりあえずコンサルになろうかなと思っている人などなど。

この「なんとなく」や「とりあえず」がくせものなのだと思うのですが、そんなものは「やりたいこと」「解決したい世の中の課題」をしっかり見つけ出し、見つけたならとことん打ち込んで、チャレンジしていけば吹き飛んでしまうと思います。私がそうだったように、本質に従い、時には目標の中身を再定義したっていい。とにかくチャレンジを続けていけば、アスリートと違って長い選手寿命があるのですから、必ずメジャーリーガーになれる。私はそう信じています。

経営者になろう、というのであればなおのこと多大なチャレンジと努力が必要になりますが、大きなビジョンを持って、ゲームにも勝てる、グローバル・チームの中で日本のアイデンティティを活かして活躍し、世界を元気にするような経営者が現れることを心から待ち望んでいます。

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