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プロ経営者インタビュー

西口 一希 氏

[2]現在のご自身の役割について教えてください

今も申し上げたように、ビジネス面でのロジックと、直感や感性という背反する要素を融合できるような経営を目指しています。そのためには、アントレプレナーシップとチームワークという、これまた一見相反するような2つの要素を同時に伸ばしていく必要がある、と私は考えています。

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ロクシタン本体は1976年に誕生した歴史ある組織ですが、ロクシタンジャポンは1998年に設立され、短期間で急成長してきた組織です。当然のことながら中途入社してきた個人が数多く在籍し、それぞれ異なるバックグラウンドを持ちながら活動しています。

多様な価値観が共存するのは素晴らしいことですが、私としてはそれぞれの個としての高い能力を、より密につなぎ合わせて、点を線に変え、面に変えていくのが当面の責任と役割だと捉えています。

そうして再構築したチームワークによって、さらに大きな成長につなげていきたい。そのためには、まず私自身がアントレプレナーとチームワークの共存を体現して見せていかなければ、と思っているんです。

[3]小中学生時代はどんなお子さんだったのでしょう?

特徴らしきものがあったとすれば、好奇心の旺盛さでしょうか。遊びでもスポーツでも興味を持ったものには夢中になりましたし、父の影響もあって、幼い頃から本をたくさん読んでもいました。

私の両親は戦中・戦後を生きた世代ですから、相当な苦労を経験していました。父は様々な事業を手がける中、失敗したりもしましたが、とにかく忙しく働く人でした。夜はたいてい営業上の接待などで遅くに帰宅していましたし、休日もせいぜい週に一日あるかどうかでした。

それなのに、私と遊ぶ時間を作ってくれて海外に一度も行ったことがないのに「おまえは海外に行っていろんな経験をしろ」などと言っていました。あらゆることに好奇心や関心を持つようになったのは、そんな父の影響があってのことでしたし、本を好きになったのも父が読書家だったからだと思います。

とはいえ、一人っ子だったせいか、自己主張の強い子どもでもありました。何事にも強引さが目立つ子で、気の合わない人とはまったくうまくいきませんでしたし、中学に上がってからは生徒会の委員をやらされたりしたものの、わがままな性格はいっこうに変わっていきませんでした。

[4]高校、大学時代はいかがですか?

リーダーシップの芽生えのようなものはあったのでしょうか?

高校や大学でも、性格の悪さは変わりませんでした(笑)。よくしゃべるし、言ったことは実行するタイプでもあったので、企画サークルや、家庭教師派遣の仕事を始めた仲間うちなどではリーダー的なことをしていたものの、たぶん周囲の連中は「うるさいから、あいつにやらせておけ」くらいの気持ちだったのだと思います。

ですから、人間として多少大人になれたのも、本当の意味でリーダーシップにつながる意識が芽生えたのも、すべてはP&Gに入って厳しく鍛えられてからです。

27歳のころ、ブランドマネージャーになり、生まれて初めて360度評価というものを体験した時にも、きっと自分は皆に最高の評価をされている、と思い込んでいたんです。ところがふたを開けてみると、見るも無残な低評価でして(笑)、大いに反省をしました。

[5]ご家族やご親戚に経営者はいらっしゃいますか?

先ほども話した通り、父はいくつか事業を起こした人でしたし、小さな鉄工所の役員をしていたこともありますが、「経営者の子ども」だという意識を抱いたことはありませんでした。とにかく父も母も毎日忙しく働いている印象が強烈で、子ども心に思っていたのは「必死で働かないとお金は稼げないんだな」というものでした。

また、父は代々漁師をしていた家系だったので、叔父は漁業を営んでいました。自営業者ならではの苦労というものを子どもの頃から見ていた影響というのも、あったと思います。

[6]ご自身の性格について教えてください

ここまでにお話をした通りの性格です。好奇心は旺盛だし、物事には真面目に取り組むし、人に対して共感する性質も強いと自覚してはいますが、一方で相変わらず、わがままで自己主張が人よりも強いところがあります。大人になっていろいろ失敗もしてからは、こうした性格をどうにかコントロールしていかなければ、と心がけるようになり、自分の不完全さを素直に認められるようにはなったつもりです。

自分の意見はストレートに表現するけれども、自分の過ちに気づけばすぐに改める。そうなってからは、チームワークを実践できるようになった気がします。

[7]いつ「経営者になろう」と思われましたか?

大学時代のお話をした時に少し申し上げましたが、実は大阪大学と神戸大学の有志が集まり、自ら家庭教師をしながら、他の学生の派遣業もしていくようなグループを作っていました。普通にアルバイトをするよりも、かなり稼げていましたし、ひょっとしたらそのまま起業する可能性もあったと思うのですが、仲間が離れていったり、経営というものの難しさを味わう経験もいろいろと重なり、就職する道を選びました。

ですから、本当に心から「経営者になる」という選択肢を意識するようになったのは社会人になってから。P&Gでは尊敬する先輩たちが次々と起業したり、他の企業で経営者になったりしていくのを見ましたから、大いに刺激を受けました。

ロート製薬に転職する頃には、はっきりと「経営の仕事がしたい」と心に決めていました。マーケティングに軸足を置きながら、経営にもタッチしていこうと思ってもいました。残念ながら、ロート製薬ではかないませんでしたが、ロクシタンで夢をかなえた形になっています。

[8]経営者に必要なメンタリティ、スキル、経験とは何でしょう?

かねてからの持論なのですが、経営者になりたい者にとって何より重要なのは、正しい事を正しくやりたいと思う正義感、そして売上と利益の両方に責任を持つ立場に就く経験。PLを自分でマネージメント、コントロールしてコミットしていく。量と質の2つを同時に管理し難題に立ち向かい、悩み苦しむ経験が経営者になる道へとつながっていくと思います。

売上だけを上げたり、利益だけコミットする役割の中で成果を上げていく仕事もあるでしょうけれど、一方しか経験していない者には、継続的に責任を全うする力やスキル、メンタリティはついていきません。

「PLにコミットする立場を現職で得るのは難しい」と感じる人もいるかもしれませんが、どんな小さな事業やプロジェクトでもいいから手を挙げて担当者となり、会社からそこまで期待されていなくても、売上と利益の双方で同時に成果を出していくチャレンジをすることは可能だと思います。本当を言えば、大企業ではなくベンチャー企業に飛び込んで、そこでPLと格闘するのがベターだと思ってもいますが。

では経営者に必要なメンタリティとは具体的にどういうものなのか、というと私は「コミットメントの裏返しとしての楽観性と開き直りの心」だと信じています。「誰になんと言われようと、石にかじりついてでも結果を出してやる」という覚悟があれば、多少失敗しても「はいはい、どうぞ叩いてください」というような、良い意味での開き直った強さが発揮できますし、楽観的に、ポジティブに、課題と向き合っていく心構えも築いていけると思うからです。

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