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プロ経営者インタビュー

金 太浩(キム テイホウ)氏

[10]これらのスキルなどをどこで手に入れたのでしょうか?

「手に入れた」と言うほど完成系では決してありませんが、在籍したすべての企業、そこで経験したあらゆる仕事を通じ、少しだけ身に付いたかな、と思います。周囲にいた素晴らしいかたがたのおかげなのですが、追い風となってくれたのは、これまでの転職局面を常に武者修行の精神で貫いてきたことでしょう。

転職をする場合、動機は人それぞれでしょう。きっかけは不満であっても、現況で手に入らない何かを求めて動く要素が入っていないと、転職はあまり成功しません。不満や問題はできる限りその会社で解決し、その上で未来の自分を形作る武者修行の場を求めていく。私自身は、幸いなことにそういう転職だけをしてきました。おかげで多くの良き経験と素晴らしい「先生」達に数多く出会えました。

[11]業界のプロとしての知見はいかがでしょう? やはり必要だとお考えですか?

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持っていた方が有利ですが、その時点でトップに何が求められているか、その内容によって必要かどうか決まるのではないでしょうか。私も日本インターに来る際、このことが気にかかりました。半導体はまったくの素人。そんな自分に社長が務まるのだろうか、と。

その一方で、私には不振事業の建て直しを実践した経験がありました。その時に学び取った知見をベースに、日本インターに係わる方々との話し合いの中「こういう現象が起きていませんか?」と確認をしていくと、その多くが的を射ていた。「これならば、私でもお役に立てる」と確信できたわけです。

ただし、社長に就任した以上、いつまでも半導体業界や製品のことを知らないではすまされないので、現在こつこつと勉強中です。ただ、知識は身に付いても「土地勘」は時間がかかる。社員には「新成長戦略は1年待ってくれ」と正直に言いました(笑)。

[12]過去に体験した最大の試練やストレッチされたご経験について教えてください。

多くの試練を経験しましたし、そこからたくさん学んできました。それでも「特に大きな試練」を聞かれてすぐに思い出すのは、シンワでの日々です。まず、モノ作りの深さに直面したこと。次に、自分が思っていたほど経営の何も分かっていなかったこと。

業界知識や業務知識を持たない環境に経営幹部として飛び込んで、何から手を付けて良いか分からない、結局実践的な経営ツールを持っていないと人は付いてこない。同時に深刻な人間関係上の問題にも直面したため、人との接し方の奥深さや細かい気配りなど、そういう方面での学びを深めていくこともできました。これらの重要性を痛感し、必死で学び、ストレッチしました。

[13]経営者を志す者には、どのような努力や学びが必要でしょうか?

とにかく失敗を恐れないこと。未知の領域に出会ったら臆せず努力をすること。つまりチャレンジし続けることが重要だと思います。未知とは怖いものですし、不安が常に襲ってきます。それでも、チャレンジすることを避けていたら、成長はありません。

[14]今までに影響を受けた先輩や師匠といえるかたはいらっしゃいますか?

多くの方々からすばらしいアドバイスと教訓をいただいてきました。自分のことを本気で育てようと考えてくれる人達をどれだけ回りに持つか。耳が痛いけど、本当のことを言ってくれる人のそばに積極的に行けるか。それらも経営者として育っていく上で重要な要素だと思います。本当に多くの素晴らしい上司や先輩達に今も日々感謝をしています。

[15]キャリアの成功とは「計画的に努力して成し遂げるもの」でしょうか?

それとも、「偶然や人との出会いなど、運が影響するもの」だとお思いですか?

どちらも大切です。ただ、間違いないのは、努力をしていない者に本質的なチャンスなど巡ってくるはずはない、ということ。そしてチャンスと巡り会ったとしても、それに向かってチャレンジしない者には運や縁は訪れないということです。

[16]なぜ起業ではなかったのでしょうか?

先にも申し上げた通り、私にとって父は大きな存在です。ただし、起業を繰り返してきた父がどれほど苦労をしたのかも見てきました。それが心のどこかにあるのでしょう、「とにかくコレは売れる」と心底思えるものとの出会いがなければ簡単に起業してはいけない。世の中そう甘くはない、と思っています。そのような出会いがあれば今からでも企業するかも知れませんが、企業することが目的で商売を探すことはないでしょう。

[17]特別な信条やモットー、哲学などをお持ちですか?

「正直であれ」と「人生死ぬまで成長」です。物心ついたころから、「正直に生きよ。たとえ、馬鹿を見ても最後は必ず報われる」と母親が口を酸っぱく何度も私に言い聞かせていました。一方、死ぬまで成長し続けたい、とは私が40前後の頃から感じ始めたことです。大木の年輪のように、最後まで自分を磨き、歳をとってもまだまだ成長できることを子供達に見せながら生きていきたいです。

[18]経営者となった今、何を成し遂げたいとお考えでしょうか?

半導体の世界は今、製品についてもビジネスモデルについても、グローバルスタンダードやベンチマークがはっきりとは定まっていません。これは日本インターにとってチャンスです。いきなり「世界チャンピョン」にはなれませんが、部分的であれ何であれ、日本インターが今までにない新しい何かを生み出し、それが世界的に認められる。そういう状態を皆と共に作っていけたら最高です。

[19]現在のポジションを去る時、どういう経営者として記憶されたいですか?

就任したばかりで去る時を考えるのは少し抵抗がありますが、「社長がいなくなっても勝つことにこだわる会社になった」と思われたいです。一度は戦いの場から敗れ去らざるを得ない状況を体験した選手たちが、「もう一度戦ってやる」と本気で思い、監督から「最後まであきらめるな」と檄を飛ばされなくても、自然に粘り強く戦うようになり、確実に勝ち越していけるチームになったなら、私の役割の大部分は果たせたと思います。

[20]20代、30代のビジネスパーソンにメッセージをお願いします。

先ず、「食わず嫌いは最後に損をする」と伝えたいです。今、目の前にある仕事や環境の中には「やっても無駄」と思えるものもたくさんあるでしょう。実際、やったからといって、それが即座に「得」につながることも少ないでしょう。じゃあ「損」をしたのかというと、そうではない。

食わず嫌いをせず、何でも手を伸ばしていれば、5年後、10年後、忘れた頃に教訓として生きていることに気づきます。仮にその経験自体が実にならなかったとしても、何事に対しても真摯に向き合っていく様子を、知らぬ間に誰かが見ていて、助けられたり、チャンスを与えてもらったり。

次に、なんでも自分でやろうとしないことです。優秀な若い人は「自分はなんでもできる」と勘違いしてしまう時期があるはずです。自信を持つことは大切ですし、まだ若ければ許される。でも、仕事の規模が大きくなり、難易度が増すほど周りの協力なくして成功はあり得ない。ただの「キレ者」で終わるのではなく、多くの人の上に立つリーダーや経営者になりたいのであれば、人の助けをもらえることも実力、と考えて欲しいです。

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