コンサルティングファームの面接とはどのようなことを行うのか?
今回は、コンサルタントへの転職をご検討されていらっしゃる方のほぼ全員が気になっているテーマの一つである、「コンサルティングファームの面接」についてお話したいと思います。
1. 一般的なコンサルティングファームの面接の流れ
コンサルティング会社の面接は、多くの場合1時間前後となることが多いと思います。基本的に、中途面接の場合は、1対1の個人面談となります。
大きな流れとしては、会社や、何回目の面接かによっても変わってくる部分はあるのですが、最初に自己紹介や志望動機を話した後に、ケースディスカッションという、あるテーマについて、面接官と議論をすることが一般的です。また、日系のコンサルティング会社の場合は、面接は日本語で全て行われますが、外資系のコンサルティングファームであっても、英語を使った面接を実施していない会社もあります。
2.面接で担当者が見ているポイント
次に、コンサルティング会社の面接で、面接官は何を見ているのかについてお話致します。そこで、まずはコンサルタント会社の社員の視点で考えてみましょう。あなたが、シニアなコンサルタント社員だとして、どのような人を採用したいと思いますか?
1.一緒に働きたいと思える
「そんなの当たり前じゃないか」「相手が一緒に働きたいと思うかどうかなんて自分ではコントロールできない」という声が上がりそうですが、実はそんなことはありません。
例えば、「人の話や意見を聞かないで、自分の話だけをひたすら続ける人」と一緒に働きたいと思いますか? 例えば、「どうしてコンサルティング会社に入りたいのかの説明はあいまいな一方で、コンサルティング業界の将来に対する不安だけを質問してくる人」と一緒に働きたいと思いますか?
2.論理的な思考力を持っている
一緒に働きたいと思えるような、人間的にはしっかりしている人であっても、それだけでは、コンサルティングという業界では活躍することはできません。世界を代表する大手企業の幹部が対峙する課題に対して、短期間で実行可能な答えを提案するためには、高いレベルの論理的思考力や、クリエイティブな発想力が求められます。
たった1時間弱のケース面接の間に、何らかの答えを求めるのは、全体像を明確化した上で、仮説ベースで何が本質的な問題なのかを絞り込み、解決策を考えるというプロセスを回せるかどうかを見ているのです。
3.対話力を持っている
サービス業でもあるコンサルタントの仕事において、対話力は大事な要素の一つです。特に若手のコンサルタントにとっては、お客様のほうが業界に対して詳しいことが一般的ですので、とにかく「聞く」ということが大切になってきます。「相手が持っている問題意識」、「自分の考えに対する反応」等を常に意識しながら、課題を解いていくことが求められます。
良く面接の場面で見かけるタイプとして、ケースが始まると、ずっとテーブルの紙とにらめっこをして、時間が少なくなってくると急に自分の考えだけを一方的に話して終了される方などをみると、コンサルタントとしてお客様と上手くやっていけるのか、やはり不安にはなります。上記に該当すると思う方は、面接官と一緒に問題を解決していくという位に広い心持ちで、取り組んで頂く方が良いと思います。
4.将来的にコンサルタントとして活躍できる資質を持っている
コンサルタントとして活躍していくためには、能力だけでなく、強いマインドも同様に大切です。人によって多少の差異はありますが、「幅広い事柄に対する好奇心や探究心が人一倍強い」「世の中に対して大きなインパクトのある取組みを達成したい」「とにかく難しい課題に対してもあきらめず、挑戦していきたい」などの想いを持っていることが、コンサルタントとしての成長を支える大きな要素になっていると思います。
ケース面接はその人が、コンサルタントとして入社後にどれだけ活躍できるかをみる場である以上、良い答えを出すということだけでなく、取組みの姿勢自体も見られているということを忘れないでおいてください。コンサルタントの面接に受かることだけをゴールにしている人を、会社が雇いたいと思うことはないのです。