自己紹介をお願いします。
【服部】大学卒業後に入社した伊藤忠商事で予算/決算・貿易物流・経営企画・出向先事業会社での営業等を経験した後、2000年に米系戦略コンサルティングファームに転じました。その数年後に参画した欧州系戦略ファームではドイツと中国に計7年間駐在し、日本企業の海外事業戦略立案及びその実行を現地で支援しました。帰国後、武田薬品工業に転職し、経営企画部で全社的構造改革及びトランスフォーメーション施策の企画・実行に従事しました。その後、Big4ファームでビジネストランスフォーメーション組織のジャパンリーダー職を経て、アリックスパートナーズに参画しました。現在は、東京オフィスでヘルスケア・ライフサイエンス業界と消費財・流通業界の責任者を務めています。
【今井】私は新卒で日系の総合系コンサルティングファームに入社し、以降、ふたつのコンサルティングファームを経由して、2022年3月にアリックスパートナーズに入社しました。一度目の転職以降は、主にM&Aや事業提携戦略の策定から候補企業のスクリーニング、交渉成立までの一連の実行支援に携わっており、現在はテクノロジー、メディア、テレコム業界を担当するチームに籍を置きつつ、あらゆる業界に対し構造改革やオペレーション改革をご支援しています。
【小川】私は新卒でNTTドコモに入社し、支店、本社、欧州拠点において9年間お世話になりました。法人営業、グローバルブランディング、そしてiモードのギリシャ・ブルガリア・ルーマニアへの展開といった多様な業務に携わった後、退職をしてMBAに行くことを決め、修了後はインターン先の外資系戦略ファームへ入社し数多くの再生案件に従事しました。その後、構造改革の真っ只中にあった日本マクドナルドに転じ、当時のサラ・カサノバCEOのもと、事業の立て直しやデジタル事業の推進役を担いました。次に進んだMeta Platformsでは、北アジア全域において、パートナーシップを通じたFacebook、Instagram、Meta Quest (VR)のユーザー拡大を統括し、アリックスパートナーズへは2023年12月に参画しました。現在はパフォーマンスインプルーブメント領域を中心にクライアントを支援しています。
コンサルタントを志した理由を教えてください。
【今井】若手であってもある程度責任を持って働けると聞きコンサル業界を志望しました。ただ漫然と日々を過ごしたくないという気持ちも強く、日々の刺激を糧に成長していきたかったからです。長年、このコンサルティングの世界で経験を重ねてきましたが、キャリアを選択する際に大事にしていたのは、興味・関心のあるテーマに携われるか、自己成長にどれだけ寄与するかのふたつでした。とくに2社目以降、海外市場への参入など、事業のさらなる飛躍を目指す局面でのM&Aを通じた企業戦略のあり方に興味を持つようになり、以来、いまに至るまでコンサルティング畑を歩み続けています。
【服部】学生時代に『不毛地帯』という、総合商社をモチーフにした小説を読み企業参謀という仕事に憧れ、そのモデルだった伊藤忠商事に入社しました。伊藤忠である企業買収・統合案件でコンサルティングファームとプロジェクトをご一緒する機会があり、戦略立案を専業としているコンサルタントの仕事ぶりに初めて触れました。「誰が言ったか(入社年次、役職など)」ではなく、プロフェッショナルとして「何を言ったか(ファクト、ロジック、ストーリー)」が尊重されるフェアでフラットな人間関係とワークスタイルがとてもしっくりきたのと、若いうちから企業経営の中枢に触れることのできるポジションで経験を積みたいと考え、コンサルティング業界に飛び込みました。
【小川】私は日本の優れたテクノロジーを海外に展開をしていくようなビジネスに携わりたいと考え、当時、海外への事業拡大に積極的であったNTTドコモに入社しました。とはいえ日本が誇るテクノロジーはモバイル分野だけではありません。クライアントの事業成長をあらゆる手段で支援するコンサルタントであれば、様々な日本企業の海外進出に関われるのではないかと考え、この世界を志望するようになりました。ただ経験不足、知識不足なのは自分自身が一番よくわかっていましたので、コンサルタントになるためのステップとしてMBAを取得したわけです。その後、経験を積む中、成長の踊り場に差し掛かった企業の変革や再生に強い興味を抱くようになり、今に至っています。
なぜ数ある選択肢のなかで、アリックスパートナーズを選ばれたのでしょう?
【小川】前職のMetaは、いわずと知れたアメリカの経済を牽引するジャイアントテックのひとつです。しかし翻って日本を見ると、彼らに比類するような企業はなかなか見当たりません。生まれ育ったこの国の経済のために何かできないかという思いはコンサルティング業界を離れた後もずっと胸のなかにありました。この歯がゆさを解消するには、プロジェクトに肩まで浸かるような環境が必要だと思ったとき、選択すべきコンサルティングファームは限られています。少数精鋭で、かつマチュアなコンサルタントがチームを組み困難な案件に立ち向かうアリックスパートナーズに興味を持ったのは、そんな理由からでした。
【服部】私はアリックスパートナーズに参画する以前に複数のコンサルティングファームと事業会社を経ています。その経験から強く感じるのは近年、「戦略のコモディティ化」が急速に進み、その一方で「エグゼキューション(実行)の重要性」が増してきているということです。20-30年前の日本企業においては「戦略」自体が目新しい代物であり、戦略立案をできる人材もほとんどいませんでしたが、今はMBA取得者やコンサルティングファーム出身者がクライアント企業側にもたくさんいらっしゃいますし、戦略を作るための方法論はネットで手軽に学習できます。むしろ多くの日本企業にとっての課題は「やるべきことをやり切る、実行力の不足」です。これからのコンサルタントに求められる資質はエグゼキューション能力であり、その点において最も実績のあるアリックスパートナーズへの参画を、私は以前から考えていました。アリックスパートナーズを選んだもう一つの大きな理由が、プロフェッショナルとして「記憶に残る仕事」を一つでも多くやり遂げたい、という想いです。私にとって「記憶に残る仕事」とは、困難に直面したクライアントとコンサルタントがヒリヒリするような緊張感の中で課題解決に取り組み、最後は一緒になって成功の喜びを分かち合う、そんなプロジェクトです。「When it really Matters(本当に重要な局面に)」「Memorable results(記憶に残る結果を残す)」をモットーに掲げるアリックスパートナーズなら、そのようなプロジェクトに多く関われると思い、参画しました。
【今井】先ほど、服部さんが触れていた通り、アリックスパートナーズには、戦略ファームや一流企業で経験を積んだメンバーが集まっています。その上、グローバルとの連携も緊密でコンサルタントはほぼ100%プロジェクトにアサインされ、かつパートナーも例外ではないと知りました。コンサルタントは経験を積むうち、徐々にマネジメントやセールス寄りの仕事が増えていくのが一般的ですが、アリックスパートナーズには当てはまりません。もっとクライアントに対して使える時間を増やしたい、コミットメントを強くしたいという気持ちを満たすために私はアリックスパートナーズを選びました。
他のファームと比較してアリックスパートナーズの特徴を際立たせるものは何だと思われますか?
【服部】一般的なコンサルティングファームですと、コアバリューとして「エクセレンス」や「エクスパティーズ」「イノベーション」など、華やかなキーワードを挙げがちですが、私がアリックスパートナーズの6つのコアバリューのうち一番気に入っているのは、「コモンセンス」です。我々は常識・良識・分別を、コアバリューのひとつに掲げるくらい重視しています。奇をてらった突飛なアイデアや実行不可能な「絵に描いた餅」ではなく地に足の着いた、クライアントが確実に実行可能かつ結果の出る戦略・施策の提案を重んじる、「コモンセンス」はそうしたコンサルティングファームの価値観の表れです。虚飾を排し、クライアントに対して目に見える結果を残すことだけに集中する。それがアリックスパートナーズの本質だと理解しています。もうひとつのコアバリューである「パーソナルリスペクト」についても、アリックスパートナーズらしいと思います。様々なバックグラウンドを有するプロフェッショナルの集団である我々は、他者への配慮と尊敬の念をコミュニケーションのベースに置いています。
【今井】私はキーワードとして「When it really mattes」、つまり「抜き差しならない重要な局面でわれわれを呼んでほしい」という、コンサルティングファームとしての立ち位置を明確に表したメッセージを挙げたいと思います。私たちは、緊急度、重要度、難易度のどれを取っても非常に厳しい条件下でプロジェクトを進めることが多いからです。プロジェクトの成功の先にあるビジネスの成功に深くコミットする。それが私たちのやり方です。実行可能な最善策を立案し、危機感を共有する関係者を巻き込みながら大きな潮流を生み出していく覚悟がこのメッセージに含まれていると感じます。
【小川】私も服部さんと同じく、人に語れる仕事、もしくは人に語られる仕事を求めてアリックスパートナーズに入ったひとりなので、おふたりの話はよくわかります。コアバリューのひとつでもある「コミットメント」についても、実態が伴わない美辞麗句じゃないことは入社してすぐわかりました。同僚たちは皆、美しいロジックを描くだけで満足せず、その美しいロジックをどうしたら現実に投影できるか、泥臭い対話を厭わず結果を残すことにこだわっていると感じたからです。どんなにハードでも正しいことをやり続ける強い意志がある仲間が集まっているからこそ、コンサルタントとしての自信と矜持が育まれるのだと思います。コンサルタントがクライアントのために立ち働くのは当然のことだといわれるかも知れません。でもそれが本当の意味で機能しているコンサルティングファームはそれほど多くありません。ビジネスの最前線で数々の修羅場を潜り抜けてきたアリックスパートナーズにはそれがある。私はそう確信しています。
心に残るプロジェクトについて教えてください。
【今井】創業以来、初となる赤字に陥った製造小売業を担当したときのことです。売上を回復するための戦略を立てるにあたって多くの関係者と会ったとき、社員の皆さんが会社に対する危機感と愛社精神を共有しながらも、自分の力だけではどうしようもないという無力感を抱えていることを知りました。そのとき私は与えられた課題を解決するだけでは十分ではなく、私たちが去った後も改善し続ける強い意志とカルチャーを組織に根づかせることが必要なのだと悟りました。コンサルタントが当事者を差し置いていうのはおこがましいのかも知れません。しかしクライアントに寄り添い、伴走するアリックスパートナーズだからこそ、先の先を見据えたサポートを提供すべきだと痛感させられた出来事でした。
【小川】ある素材メーカーの事業再編プロジェクトで、工場の統廃合を支援したことがあります。そのクライアントは事業買収を繰り返して大きくなった企業であったため、各工場は合併前の企業の歴史と分かちがたく結びついています。つまりご自身の出身企業の出自を守りたいという力学がどうしても働いてしまうわけです。このとき、皆さんの心のなかにある割り切れない気持ちを汲みながらも、感情に流されず進むべき道を粘り強く説き続けることの大切さを痛感しました。自分が経営者だったら何を語り、どう動くだろうかと、常に考え続けていなければ本質をえぐるような答えは出せません。それに気づいたとき、アリックスパートナーズの「ハンズオン支援」が、必ずしも他のコンサルティングファームの意味するところと同じではないことが理解できた気がします。
最後に聞かせてください。皆さんはどんな方と一緒に働きたいですか?
【小川】GRIT、つまり度胸(Guts)、粘り強さ(Resilience)、主体性(Initiative)、執念(Tenacity)を求められる環境に身を置きたい方を歓迎します。私たちの仕事は、強いていうなら火中の栗をあえて拾いにいくようなもの。しかも成果を出すまでやり切ることが求められます。ですから危機的な状況のなかでも自分を見失わず、微かな光を信じて前を向き続けられる人であれば、きっと得がたい経験ができるはずです。ヒリヒリするような現実に直面しながらもそれを楽しめるタフさを備えた方。そんな人と一緒に働けたらうれしく思います。
【今井】役職に関わらずデリバリーに対する高いコミットメントが求められるのがアリックスパートナーズです。バイスプレジデントからマネージングディレクターまで、プロジェクトを通じて汗を流す仲間であることに変わりありません。キャリアを重ねてもプロジェクトの中核として存在感を発揮したいと思われる方、また、世界的に見ても成長の余地があると期待されている東京オフィスとともに成長したいと思う方とご一緒できたらと思います。
【服部】ここにいるふたりと同じように、成長意欲が高い方と一緒に働けたらうれしいですね。現状に甘んじることなく、現状を変えることに関心があり自分を成長させたいと思う方、より難しい課題に取り組むことを楽しいと感じられる知的好奇心旺盛な方、将来的にプロ経営者のキャリアを目指したい方にとって、アリックスパートナーズほど適した環境はありません。事業会社で培った経験も、コンサルティングファームでの経験も活かせます。ぜひ、物怖じすることなくチャレンジしてほしいと願っています。
プロフィール
服部 浄児 氏
アリックスパートナーズ(AlixPartners)
Partner & Managing Director
複数の日系グローバル企業及び外資系コンサルティングファームでの計27年間のプロフェッショナルとしてのキャリアを有し、一貫してグローバル市場で活躍する日本企業の競争力強化・企業価値向上に向けたトランスフォーメーション支援をライフワークとしています。
伊藤忠商事でキャリアをスタートし、アリックスパートナーズ参画以前は、米系戦略コンサルティングファームの東京オフィス、欧州系戦略コンサルティングファームの海外オフィス駐在、武田薬品工業での経営企画職、Big4系コンサルティングファームでのビジネストランスフォーメーション組織リーダー職を経験しています。一橋大学社会学部を卒業しています。
小川 竜平 氏
アリックスパートナーズ(AlixPartners)
Director
これまで20年以上、コンサルタント及び事業会社の一員として様々な業界の企業変革に取り組んでまいりました。その中でも特に、デジタル技術及びパートナーシップを軸とした事業再生・新規事業開拓の経験を多数有しております。アリックスパートナーズ入社以前は、Meta Platformsの日本オフィスにて執行役員として北アジアのパートナーシップ事業を統括、また日本マクドナルドではCEO室長・マーケティング部長として全社戦略の策定及びデジタルマーケティングを牽引しておりました。それ以前は外資系戦略ファームにおいて数多くのデューデリジェンスや業績改善に取り組み、またNTTドコモにおいては、ギリシア・ブルガリア・ルーマニアにおける戦略的パートナーシップを担当しておりました。
慶応義塾大学法学部政治学科卒業、ロンドン・ビジネス・スクール経営学修士(MBA)取得。
今井 充 氏
アリックスパートナーズ(AlixPartners)
Senior Vice President
これまで10年以上、日本企業の成長に向けたM&Aを含めた外部提携戦略立案・実行におけるコンサルティングに従事してきたプロフェッショナルです。これまで、製造業を中心に幅広い業界の企業に対し、成長戦略としてのM&A/外部連携施策検討、実行を始めとし、企業価値向上に向けた支援プロジェクトを多数経験しています。アリックスパートナーズ入社以前は、Big4ファームにて、M&Aの戦略立案、ターゲットスクリーニング、外部連携・M&A実行など、M&Aライフサイクルにおける包括的な支援を実施しました。
この企業へのインタビュー一覧
- [コンサルタントインタビュー]アリックスパートナーズ Partner & Managing Director 日本代表 植地 卓郎 氏
注目ファームの現職コンサルタントインタビューの最新記事
- ボストン・コンサルティング・グループ合同会社 | Managing Director, Platinion 柴谷 雅美 氏 / Principal IT Architect, Platinion 真保 英 氏(2025.4)
- アリックスパートナーズ | Partner & Managing Director 服部 浄児 氏 / Director 小川 竜平 氏 / Senior Vice President 今井 充 氏(2024.4)
- フロンティア・マネジメント株式会社 | マネージング・ディレクター 経営執行支援部門 副部門長 兼 クロスボーダー経営執行支援部長 舟橋 宏和 氏 / シニア・ディレクター 経営執行支援部門 大西 恭平 氏 / ディレクター 経営執行支援部門 勝田 菜菜子 氏(2023.11)
- A.T. カーニー株式会社 | シニア パートナー 阿部 暢仁・マッスィミリアーノ 氏 / マネージャー 佐藤 真人 氏(2022.6)
- A.T. カーニー株式会社 | シニアパートナー 針ヶ谷 武文氏 / マネージャー 梅本 周平氏 / マネージャー 柳田 諒 氏(2022.2)