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画像:上田谷 真一 氏

プロ経営者インタビュー

上田谷 真一 氏

質の高いファッションとサービスに特化したスペシャリティストアの先駆けともいえるバーニーズ ニューヨークは1923年、米国ニューヨーク・マンハッタンで創業。“Taste, Luxury, Humor”を標榜し、独自のブランド価値を築き上げ、日本でも1990年にバーニーズ ジャパンとしての1号店を新宿に構えて以来、多くのファンを獲得してきた。
そのバーニーズ ジャパンが2012年4月、新社長として上田谷真一氏を立てた。
直前はクリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパンを率いて旋風を起こした人物であり、かつては大前研一氏の下で働いていたことでも知られている人物だ。
この上田谷氏が考えるプロ経営者のあるべき姿とは何なのか?独自戦略が奏功し始めたバーニーズの今後についての話も含め、本音で答えてくれた。

上田谷 真一 氏
株式会社バーニーズ ジャパン 代表取締役社長
http://www.barneys.co.jp

1970年生まれ。東京大学経済学部卒業後、ブーズ・アレン・アンド・ハミルトン(現ブーズ アンド カンパニー)に入社。経営コンサルタントとして働く中、マッキンゼーを離れた大前研一氏の誘いに応じ、1995年の大前・アンド・アソシエーツ・グループ設立に参画。以後、パートナーとしてベンチャー企業のインキュベーション活動などを展開した。2003年、黒田電気へ転じ、役員として経営企画、海外事業などを担った後、2006年にはリテイルネットワークスの社長に就任。日本におけるディズニーストア事業を統括した。2009年、クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパンの社長に就任。行列のできるドーナツ店として注目を集め、店舗の全国展開も推進した。そして2012年4月、バーニーズ ジャパンの社長として招聘され、経営変革を実行。業績を向上させるとともに、2013年には日本上陸第1号店でもある新宿店のリニューアルを決行した他、同年12月にはセブン&アイ・ホールディングスの資本参加も発表され、さらなる新展開への期待が高まっている。

※現在は退任されています。

[1]自己紹介をお願いします。

私が大学を卒業した頃の日本には、まだバブルの余韻が続いていて浮かれた空気も漂っていました。多くの同級生たちは官僚への道を進んだり、銀行などに就職をしていきましたが、私はたまたま参加したブーズ・アレン・アンド・ハミルトン(現ブーズ アンド カンパニー。以下、ブーズ)のスプリング・ジョブで受験勉強以来と思えるほど頭を酷使する経験をして、これを面白く感じたことからコンサルタントになろうと決めました。

当時は今ほどコンサルタントという職種が一般には知られてはいませんでしたが、私としては非常にやりがいを覚える仕事として臨んでいきました。偉大な諸先輩がファームの枠を超えてつながっていたこともあり、私のような駆け出しコンサルタントでも、大前研一さんのようなかたと面識を持つこともできました。そして、このご縁をきっかけに大前さんから「俺の仕事を手伝わないか」と誘っていただく幸運に恵まれたのです。

ブーズのパートナー陣にこの話を相談すると「いいじゃないか。チャレンジしてみれば。応援するよ」の一言。大前さんの仕事における厳しさは今や伝説のように語られていますが、当時の私にはピンときていませんでした。「なぜマッキンゼーを牽引していた大前さんが独立するというのに、当のマッキンゼーの人間ではなくブーズの若者に白羽の矢が立ったのか」は、後々になってから理解できました。それほど厳しい方だった、ということです。とにかく、今振り返っても私には感謝の気持ちしかありません。この時から約10年近く、筆頭の弟子のような立場でそばにいさせていただき、育てていただいたのです。

平成維新の会の参院選や、大前さん自身の都知事選出馬などによる忙しさがひと段落した後、「霞ヶ関の改革をいきなりやるよりも、起業家やベンチャーの育成で日本を変えていこう」と立ち上がった大前さんのもとで、私はベンチャー企業のインキュベーション活動やビジネス・ブレークスルーの設立などを任せていただき、貴重な経験を重ねていくことができました。私自身、コンサルティングというプロフェッショナル・サービスを担うのとは違い、事業会社を自らの手でやりくりしているかのような感覚も得ていきました。

しかし、以前から親交のあるヘッドハンターさんに「あなたがやっているのは、いわゆる事業会社の経営とは違う」と指摘され、気持ちに変化が現れ始めたのです。ちょうど、私同様にコンサルタント経験の後に起業した後藤玄利さん(元アクセンチュア)のケンコーコムが脚光を浴び始めていました。出資をしていたこともあって、後藤さんがいかにヘルスケア事業というものに没頭し、そのビジョンにのめり込んでいるかをつぶさに見ていた私は、感じ取りました。「この人のように1つの事業を愛し、その成功を信じてすべてを注ぎ込むのが事業会社の経営というものだ」と。そうして決めたのが黒田電気への転職だったのです。

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なぜ黒田電気だったのかといえば、当時の同社が良くも悪くも日本企業の典型のような会社だったからです。東証一部上場で安定した実績を上げてはいるものの、その企業風土は超ドメスティック。その黒田電気を率いる当時の上杉社長がグローバル化も含め、企業の戦略転換を手伝って欲しいと言って私を引っ張ってくれたのです。

「自分はプロフェッショナル・サービスの世界から脱し切れていないのかもしれない。頭でっかちな人間になっているのかもしれない」というコンプレックスのようなものを振り切るには最良のお話だと感じたわけです。実際、ここで得たピュア事業の体験は大いに勉強になるものでした。経営というものが理屈や戦略論だけでは成り立たないことを体感できたのです。

その後、当時"経営受託"ビジネスを手がけていたリヴァンプから声がかかりました。正直なところ、経営支援を実行するリヴァンプの「中の人間」になることには興味はわきませんでしたが、このチームの鉄砲玉となって、魅力ある企業の経営に携われるのならば乗ってみよう、と考えました。そうして社長として送り込まれたのが、ディズニーストアを展開するリテイルネットワークスです。

何とか黒字化の目処をつけ、その後同社は元々の持ち主であったウォルト・ディズニー社が再買収することになり私も撤収しました。 但しここで学んだのは経営再建のテクニックよりも、ディズニーのブランドマネジメントの徹底ぶりでした。この経験は現在に至るまで私の中で大きな財産になっています。

その後、私はクリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパンの社長に就任しました。ここでの経営の仕事はすぐに成果にも結びつき、自信を深めることができましたし、社員の皆とも非常に良い関係を築くことができました。それを評価していただいてのことか、他の企業からの社長就任依頼も複数届くようになったものの、退任するつもりはまったくなかったのです。ところが1つだけ、気持ちをくすぐるお話があった。それがバーニーズ ジャパン(以下、バーニーズ)でした。

運や縁もあって、たまたま手がけてきたとはいえ、ディズニーとクリスピー・クリーム・ドーナツには共通点がありました。それは、独自の世界観、ブランド価値をしっかり構築し、その軸に基づいてビジネスを展開していたことです。バーニーズもまた同じ強みを持つ企業でした。しかも、前2社と異なり、今度は私自身が事業ターゲットのど真ん中にいます。実際、私は若い頃から消費者としてバーニーズのファンでした。自分の大好きなものをビジネスにしていける......この魅力が私に決心をさせました。2012年に社長としてバーニーズに入り、変革を続けながら今に至っています。

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