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プロ経営者インタビュー

矢野 健一 氏

[2]現在のご自身の役割について教えてください

P&Gへの転職以来、長年にわたりマーケティングの人間として生きてきた私ですが、その手前の段階でアクセンチュアに在籍し、経営に関する一通りの基礎知識と経験値を得ることができたのは大きかったと思います。組織のトップになれば、企業活動のあらゆる事象や数字を見て、意思決定をしていかなければいけませんが、その中でも特に自分の役割として意識しているものは何なのかといえば、「組織と人を育てる」ということです。

お酒の販売という事業は非常に複雑で、多くの強力なライバルと時には戦い、時には共闘しながら成果を上げていかなければいけない。現状に満足せず、積極的に新しいマーケットに参入していく態勢も整えておかなければいけない。そこで問われるのは、やはり組織力であり、個人の突破力です。ですから、組織と個、その両方の力を引き上げていくことこそが、私の役割の中でも最優先事項なのだと考えているのです。

[3]小中学生時代はどんなお子さんだったのでしょう?

あまり記憶が定かではないんですよ(笑)。何か特色のある子だったかというと、そうではない気がします。成績はまあまあ良くて、なぜか小中学校を通じて毎年のように学級委員もしていましたが、自分からなりたくてなったというのではなく、やらされてる感じでした。

しいて特徴的な体験を挙げるとすれば、野球です。中学1年まではリトルリーグのチームにいましたし、小学校ではゴムまりを手で打つハンドベースボールのチームを寄せ集めで作って、地域にある結構強いチームを負かせて喜んでいたりしました。

[4]高校、大学時代はいかがですか?
リーダーシップの芽生えのようなものはあったのでしょうか?

高校に入ると軟式野球部に入りました。かなり強いチームでしたよ。大学への進学では「実家から通える範囲にある国公立大学だけ」という狭い選択肢しかなかったのですが、幸い横浜市立大学に入学することができました。そして、入学後は硬式野球の体育会に所属。またしても野球に没頭していきました。

実は私の入学した時期に野球部は2部リーグに降格していたので、もっぱら1部再昇格を目標にして、ひたすら野球に打ち込むことになりました。最後の最後、4年生の時に1部昇格を決めた時は嬉しかったですね。

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まあ、こんな調子の野球少年だったので、将来につながるリーダーシップといっても、さほど自慢できるような経験はしていません。ただ「リーダーの資質」というものについて、私なりの考え方があります。「小さい頃から幾度もリーダー経験を積む」ことだけが、良いリーダーになるための条件かというと「違うんじゃないか」と考えているわけです。

たしかに私にも小学生時代、ハンドベースボールのチームを作り、メンバーをまとめて引っ張っていった経験があります。この時、子どもなりに苦労をしたことは、いろいろな学びや気づきにつながったと思っています。

しかし、その後の野球部ではリーダーではなく、リードされる側にまわりました。フォロワーの立場からリーダーのことを見つめていく。そんな経験にも大きな価値があったんだな、と今となっては思うんです。

一応リーダー経験のある者として、時にはキャプテンに自分なりの助言をして、その結果、喜んでもらえたようなこともありました。「リーダーを支える役割ってどういうものなのか」について考える機会になったのです。さらに言えば、社会に出てアクセンチュアに入社したばかりの頃の私は、「何でもデキる有望な新人」ではなく「デキない若手」の部類でした。「頑張ってデキるようになりたい」と思っていても「なかなかうまくいかない」人間というのは必ずいます。当時の私はまさしくそれです。

でも、リーダーというのはそういう人間の成長も支えていくべきもの。「たまたま今デキが悪い人間」というのが何を感じ、何を考えているか。それを身を以て経験できたことは、その後の私にとても大きなプラス要素として作用しているんです。

ですから、子どもの頃、学生の頃、新米社会人の頃に「リードする側」も「される側」も両方経験したことが、その後の私のリーダーシップにつながっている、と自負しています。

[5]ご家族やご親戚に経営者はいらっしゃいますか?

大企業の経営者ではありませんが、設計技師だった父が30代で自分の会社を起こし、経営していました。ですから、会社に行くと上司がいて、60を過ぎたら定年になって仕事を辞める......というようなサラリーマン的な働き方よりも、なんでも自分で受け止めて、自分で意思決定して切り盛りしていくという経営者的な生き方が、子どもだった私に「自然なこと」として染みついていったような気がします。

具体的に「経営の仕事に就きたい」と考えるようになったのは、社会に出て何年か経ってからでしたが、大学を卒業する頃から「いずれ社長になる」ことが自然なことのように思えていたのも、父がいた影響だったと考えています。

[6]ご自身の性格について教えてください

頑固ですね。生まれつき、自分自身のことや自分の考え方などを大事にする傾向が強かったと思っています。ただし、今の私は俗に言うところの「頑固」とは違う、とも思っています。誰になんと言われようと「オレはこうなんだ」と主張して、それを曲げないような「頑固」さが若い頃にはありましたけれども、リーダーではなくフォロワーにまわった経験などを重ねていくうち、少し頑固さの中身が変わった気でいます。

組織の中に入ったなら「そこで自分はどの場所に立っているのか」を意識し、「ではその立場にいる自分は、何をしていけば組織のためになるのか」も考えるようになりました。それでも、やっぱり私は頑固者だと自認していますし、「自分のことを好きだと思い、大切にする」ことは素晴らしいことだと信じてもいます。

自分の信じるところを貫き通す、という意味での「頑固」さには大きな価値がある。そう考えていますので、息子にも常々「自分を好きになれ」と言い続けています。

[7]いつ「経営者になろう」と思われましたか?

先に申し上げた通り、父の影響を受けて育った経緯もあって、学生の頃からなんとなくぼんやりと「いつかは経営者となって生きていく」ことが当たり前であるかのように感じていたのは事実です。しかし、やはり人は社会に出て、仕事とは何なのかとか、会社経営とは何なのか、ということを現実的に見るようになってから、あらためてどう生きていきたいかを考えるものですよね。私もそうでした。

そして、25歳の頃にはっきり決めたんです「45歳までに社長になる」と。アクセンチュアで会社経営の問題とダイレクトに関わった経験が大きかったですし、前の質問への回答でもお話したように「自分は組織の中でどのポジションにいるのか」を明確にしたい、という信念も育ってきていました。そのうえで、「自分は、自分でコントロールできる立場になったとき、一番力を発揮できる」と考え、だったら経営者になろう、社長になろう、と決めたわけです。

[8]経営者に必要なメンタリティ、スキル、経験とは何でしょう?

メンタリティにおいて重要なファクターは2つ。「人を尊重すること」と「自分を好きになり信じること」です。社長業は、社員の皆に気持ち良くフルパワーで活躍してもらって初めて成功できる仕事ですから、前者のメンタリティを大切にするのは当然のこと。しかし、そればかりではいけません。

社長は意思決定をする立場。その決定の最終責任を一身に背負う立場です。時には社内の意見が真っ二つに割れるような場面でも、決断を下さなければいけない。時には社員全員の反対を押し切って決断することもある。「皆を尊重しよう」とばかり考えて、社長が右往左往していては組織は安定しませんし、意思決定スピードが問われるビジネスの戦いで勝利することもできません。

どんな局面でも胸を張り、自信を持って決定を下していかなければ、結局のところ社員はついてきてくれないと思っています。私が掲げた2つのメンタリティは、一見矛盾するように感じるでしょうけれど、経営者というのはこの双方を常にバランス良く発揮していかなければいけない立場なのだと考えています。

スキルについては「何か1つでもかまわない。自分のよりどころになるようなものがあればいい」という考え方でいます。「何でもできる人」になれれば、それは理想かもしれませんが、必ずしも絶対的な条件とはいえない。

私がこれまでにお会いしてきた経営者のかたがたを思い起こしてみても、万能なスーパーマンはそれほどたくさんいません。「ファイナンスの面でも、マーケティングの面でも特にパッとしたスキルを持っていないなあ」と思えるような人が大きな会社で社長をしていたりもします。そして、その会社がしっかり結果を出していたりもするのです。

なぜだろうと、よく観察してみると「なるほど」という発見に遭遇します。その「パッとしない」感じがしていた社長は、実にコミュニケーション・スキルに長けていて、内外の関係者たちを見事に巻き込んでいく能力を持っていたのです。なにもコミュニケーション・スキルに限りません、「この人はこの能力がすごい」というものを1つ持っているだけで、経営者は成功できる、ということです。

社員側の目線で考えてみても、「ウチの社長は万能ではないけれども、このことについてだけはすごい」という方がどう付き合っていけばいいのかわかりやすい。「ついていきやすいリーダー」とは、そういうものだと思いますし、「社員がついてきてくれるリーダー」であることこそが、なにより優れた経営者の条件だと思うのです。

経験についても、細かなこだわりは持っていません。成功体験と失敗経験の両方を備えていればそれでいい。誰しも、この両方を経験しているでしょう。ただし、ここで忘れてはいけないと考えているのが「正しく成功と失敗を認識しているかどうか」です。

例えば担当したプロジェクトがうまくいかなかったとします。「たしかに会社的には失敗だったが、その原因は自分にはない。上司が......」と捉えてばかりいたり、逆にプロジェクトが成功した時に「自分の頑張りが成功要因の大部分だ」などとばかり捉えていたら、次につながる要因を身に付けていくことができません。失敗だった事象に出会った時には「自分に欠けていたのは何だったのか」を捉え、成功だった事象では「どのアプローチが奏功したのか」を捉えていくような意識。それが大切だと思います。

経験の価値は量の問題ではありません。たくさん経験した人間がいつも優れているとは限らない。1つひとつの経験をいつも公正な目線で分析し、失敗経験であろうと成功経験であろうと、自分の成長へと結びつけていこうとする意識。それを保つことが重要だと思っています。

[9]他に経営者に必要な資質や能力などありますか?

前の質問に対して、いろいろとお話をしましたが、「特別な何か」が必ずしも必要ではないのだ、という私の考えはわかっていただけたと思います。少々乱暴な言い方をすれば、経営者には誰だってなれる。私はそう思っています。

それでも、前の回答で言い切れなかった「他の何か」を挙げるとすれば、「覚悟」だと考えます。メンタリティのお話の続きにもなりますが、経営者とは詰まるところ「責任者」です。自分たちの会社がしたことについて責任をとる立場。口で言うのは簡単ですが、その責任の重さは半端なものではありません。これから経営者を目指そうというのであれば、この「覚悟」を常に腹に据えていけるかどうか、自問自答していってほしいですね。

[10]これらのスキルなどをどこで手に入れたのでしょうか?

特に成長させてくれた局面が、私には2度ありました。1度目はアクセンチュアの時。入社当初の苦汁をなめた経験と、その後評価してもらい、期待してもらった経験です。2度目はP&Gの時。マーケティングのスキルだけでなく、万国共通で人とわかり合うためのコミュニケーション・スキルというものを学ぶことができました。

そもそも、マーケティングという役割自体が「人の心を動かし、行動を起こさせる」仕事でしたから、その仕事を長年続けたことがコミュニケーション・スキルの向上に結びついていったと思っています。

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