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プロ経営者インタビュー

松島 陽介 氏

[5]ご家族やご親戚に経営者はいらっしゃいますか?

父が小さな会社をやっています。会社経営者といえるほど大きな会社ではありません。この父からは人間としての生き方に関わる強い影響は受けてきました。

例えば「負けぎわに粘ちこくなれ」という言葉。要するに、勝負は勝つにこしたことはないけれど、仮に負けるとしても、ギリギリまで粘ばれ、ということです。当時、大相撲に大善(だいぜん)という力士がいらしたのですが、この力士と父が知り合いで、父との相撲談義で話したそうですが、「子供で相撲が強くなるのは、力が強い奴でも、体が大きい奴でもなく、身体を相手に持ち上げられても、土俵の外につり出されるまでずっと両足をバタバタつかせ粘る奴だ」と。だからお前も負け際は粘ちこく行けと。この教えは私の仕事の中に生きています。

企業に対する投資の仕事というのは、その会社が持っているポテンシャルや現状を徹底的に分析しながら判断するものですが、実際の現場では延々と交渉事が続いていきます。その途上で「駄目だ」と感じる場面も少なくない。それでも粘ることに意味があるんです。「今、駄目なのはなぜなのか」をあきらめず、「粘ちこく」考え続けるのが私のやり方です。

もう1つ父がよく口にしていたセリフに「失敗をしないように心がけるより、失敗を許してもらえるようになれ」があります。我が父ながら見事なアドバイスだと、大人になった今も感心しています。「失敗は許されん。がんばれ」とか「いや、失敗してもいいが、そこから学び取れ」というような言説ならばどこでも聞けますが、「失敗しても許してもらえる男になれ」というのは、なかなか聞きませんよね(笑)。

父のセリフを私流に意訳すれば、「人間にはチャームが大切だ」ということ。失敗をしてもチャーム、つまり理屈とは関係のないなんらかの「魅力」を備えた人間であれば、許してもらえる。再チャレンジのチャンスがもらえる可能性が高い。逆にチャームのない人間が同じ失敗をしたなら、あっさりチャンスから遠ざけられてしまう。だから、「失敗はしないにこしたことはないが、日ごろからチャームも磨いておけ」という教えだと考え、実行をしてきました。第一生命保険時代の支社での取り組みの時などは、まさにチャームで勝負をしたわけですし(笑)、私が面接試験の類いに強いのも、もしかしたらこのアドバイスのおかげかもしれません。

[6]ご自身の性格について教えてください。

先ほどお話したようにアマノジャクです。良く言えば、ヒネリのきいた人間です(笑)。ただ、この性格は経営の仕事で役に立っていますよ。何か投資案件や事業を進める時、王道は重要ですが、その道は混んでいます。王道のみ正面突破では本当に力がある一握りの人しか勝てません。また一方で王道をまったく無視すると邪道に走るしかないわけです。このどちらの方法でもうまくない。私のようなアマノジャクでヒネリの利いた一般的能力の人間は、王道を理解しつつ、他の人が気付かない別の道を探してくるしか勝てないんです(笑)。すべてが成功するとは限らないものの、「この道ならば前に行けるんじゃないか」という可能性を見つけては、粘ってトライしているうちに、道が開けるケースもある。アマノジャクな人間ならではのしたたかさによる利点もあるんです。

[7]いつ「経営者になろう」と思われましたか?

本格的に「経営者になる」ことを意識したのはMKSパートナーズの時でした。当時、バイアウトファンドはアメリカからの輸入業界。国内ではバイアウト事業は黎明期。それだけに上手くいかないことも多かった。ですから、ここにいる全員がオーナーシップと危機意識を持って投資事業に臨んでいたんです。緊迫感のある張りつめた日々でしたが、それまで経験したことのないような喜びにも充ちていた日々でした。オーナーシップを持つこと、皆と一心にまとまって動くことの喜びを知りました。これまでの名門コンサルティングファームで自分を磨くのとは違う、自らが経営者の一員として緊迫感と充実感をもっと味わっていたいと考えるようになりました。

[8]経営者に必要なメンタリティ、スキル、経験とは何でしょう?

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今お話ししたとおり、何より重要なのはオーナーシップだと思います。とにかく自分の責任をもって目の前の仕事をどこまでやれるかが問われると考えています。ですから、「会議で報告だけ聞いて大雑把に意思決定をして、あとは丸投げ」なんてことは、経営者としてはありえません。自分で責任も持って臨むと、とにかく不安ですから現場に足を向ける。いろいろな人に意見を聞く。そうすると必ず見えてくるものがある。そしてあらゆるオプションを必死に検討する。そのうえで自分で決断しブレない、結果の責任を負う。これがオーナーシップある仕事の進め方。経営者に最も必要なことだと思います。。民主的に合議で決める、それも意思決定のプロセスとして悪くないが、時にはノー・ディベートで独断する。それが失敗に終わったときは責任を負い、修正することを厭わない。人気とか体裁とか関係ない。俺がやらなきゃ誰がやる、こうしたオーナーシップこそ、不可欠だと考えています。

[9]他に経営者に必要な資質や能力などありますか?

どんなスキルでも経験でも、持っていないよりは持っていたほうがいい。特に数字に強いことは重要。ただし、そうしたスキルは、必要に迫られ必ず身についていきます。

[10]これらのスキルなどをどこで手に入れたのでしょうか?

保険会社での経験も、コンサルタントとしての経験も、ファンド会社での経験も、すべて私の実になっていますが、オーナーシップの重要性を骨身に染みて痛感したのは、先ほど言いましたようにMKSパートナーズで仲間とともに戦った時でした。

[11]業界のプロとしての知見はいかがでしょう? やはり必要だとお考えですか?

これも「持っていないよりは持っていた方がいい」ことの1つです。しかし、経営者になろうというのなら、まず第一に「経営者としての力」を手に入れるべきです。業界に長くいなければわからないようなことを、もし知らなかったとしても意地を張る必要はないと思います。助けになってくれる人がいるのなら、素直に助けてもらえばいいんです。大切なのは「誰かに助けてもらってでもやり遂げなければならないと思える」かどうかです。

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