コンサルタントへの転職には学歴は重要か?
結論から言いますと、コンサルタントへの転職にとって、学歴が占める割合は、それほど高くはありません。
大半の大手コンサルティング会社では、転職をする際、最初にエントリーシートに加えて、筆記試験を受けることになると思います。コンサルタントとして必要最低限の、「論理力」「理解力」「数的処理能力」などは、この筆記試験を通して確認し、必要な水準を満たしていれば、面接試験に通ることが一般的です。
逆に、どんなに優秀な大学をご卒業されていらっしゃる方でも、筆記試験にて、最低限の基準を満たしていらっしゃらない場合は、一次面接にすら参加できないこともあります。
また、面接試験においても、特定の大学や学部を卒業されていらっしゃることで、面接の結果が有利になるということは、ほとんどゼロといっても過言はありません。
なぜコンサルタントへの転職において、学歴が占める割合が高くはないのか?
まず、中途採用試験の場合は、新卒採用試験と比べると、応募者の数が圧倒的に異なることが理由の一つとしてあげられます。このことは、中途面接においては、各面接官が、一人ひとりの応募者の適性をより深く、しっかりと見定めることができるということを意味します。ですので、あえて学歴という"二次情報"に頼ることなく、面接を通じて得た確かな情報を元に判断するのです。
また、コンサルティング業界ならではの理由もあります。
ご案内のように、私たちコンサルタントがクライアントから求められる水準は極めて高いです。そして、その水準を満たすために必要な知識や経験は、コンサルティング会社の中でお客様と向き合う中で磨かれていくものであり、大学時代に身に付けた知識や経験で太刀打ちできるものではありません。
もう少し言うと、私たちは、その道の仕事を何十年もやってきた様々な業種のプロの方々に対して、付加価値を提供することを求められているのであり、大学時代に特定の分野を深く勉強したからといって、決して有利に戦うことができるわけではないのです。
最後に、コンサルティング会社で働いている実感としても、「●●大学の●●部卒業の人」は、コンサルタントとしても優秀だなというようなことも全くありません。エースとしてご活躍されていらっしゃる方の大学や学部を見ても、皆さんバラバラです。更に、経済学部出身の方がヘルスケア領域のプロジェクトを専門にやられることや、工学部出身の方がマーケティングのエキスパートとしてご活躍されているといったケースも良くあります。
実際に、いくつかのコンサルティング会社のホームページで紹介されているコンサルタントの大学名と担当されている業界を見比べて頂ければ、嘘ではないということがすぐ分かると思います。
実際にはどのような学歴の人が働いているのか?
一方で、実際にコンサルティング業界で働いていらっしゃる方の学歴をみると、東京大学、京都大学、東京工業大学、一橋大学、大阪大学、慶應義塾大学、早稲田大学、そして海外の有名大学などをご卒業されていらっしゃる方が多くいることは紛れもない事実です。
ただし、このことは、学歴があることで入社が出来ているということを示しているのではなく、そのような大学を卒業されるような方には、コンサルティング業界に必要となる能力やマインドをお持ちの方が多いということに過ぎません。
例えとしてはあまり適切ではないですが、学期末のテストで良い点数を取るために、1週間にわたり、毎日夜遅くまで勉強を続けることができるタフネスさを持っていることは、コンサルタントとして活躍する上で、時には必要になるのです。
(単に夜遅くまで勉強を続けるのではなく、その結果良い成績を出していることが前提ですが)
そのため、コンサルタントとして適した能力やマインドさえ持っていれば、偏差値は決して高いとは言えない大学をご卒業されていらっしゃる方でも、一流のコンサルティング会社にご入社されて、エース級のご活躍をされている方は何人もいらっしゃいます。
ちなみに、優秀なコンサルタントの特徴の一つは、常にストレッチした目標を設定し、それにチャレンジし続けていくことです。