コンサルティングファームでは、極めて短い時間軸の中で、クライアントが抱える経営課題に対して、方向性を提示し続けていくことが求められます。本日は、そのようなある意味シビアな環境の中で、実際にコンサルタントがどの様な働き方をしているのかについてお話したいと思います。
入社して最初の1~2年間の働き方
入社して1年目は、他の業種から転職した人にとっては、比較的タフな期間だと思います。
まず、通常の転職と同様、コピーなどの各種ツールの使い方を覚えることから始まり、コンサルティング会社ならではの、外部エキスパートへのインタビュー方法や、一般消費者を集めたグループインタビューのやり方、ファイナンス情報を収集するツールの使い方から、最近ではビックデータ系の分析ツールまで、たくさんのことをまずは覚えなければいけません。
更に、コンサルタントの基礎スキルについても、最初の1~2年間の内に出来る限り身につけておく必要があります。具体的には、「他社事例の調査」「アンケート等の分析」「インタビューの実施」「スライド単位での資料作成」などの業務について、ある程度のレベルでは自分一人ででもこなせるようになっておくことが期待されます。
加えて、実際にプロジェクトに配属されると、その業界やトピックに関する知識の習得も求められることになりますので、労働時間としては、必然的に長くなる傾向になります。
私の場合も、入社して最初の1年間は毎日8時に出社して、退社は夜の0時という日が一般的でした。年に数回は、睡眠時間が2~3時間しかなかったという日もありました。
ただし、この最初の2年間が、コンサルタントとしての土台を作る大切な期間であることは間違いありませんので、体には気を配りながらも、最大限ストレッチして、沢山のことを素直に吸収することが大切です。
入社後3年目以降の働き方
最初の2年間の苦労が目に見える成果として現れ始めるのが3年目以降だと思います。会社を代表するコンサルタントとして、お客様と1対1で向き合い、ディスカッションやアドバイスを行う機会が増える中、お客様からの感謝の声を頂くことや、プロジェクトでの成果を実感できることが多くなってきます。
勿論、求められるスキルや仕事の内容は、最初の2年間と比べると一段とハードルが高くなり、「ミーティング資料全体の作成」「各ミーティングの目的や進め方の設定」「ミーティングでのプレゼンテーション」などを担当することになるのですが、その分充実度も増えるため、最初の2年ほどには大変には感じないという人が多いような気が致します。
また、自分の中のスキルや知識が高まることに加えて、社内での知り合いも増えてくることで、このテーマであれば、あの人に聞けばある程度分かるだろうというような、社内人材をレバレッジした働き方もできるようになってくるため、仕事におけるアウトプットの質も急速に高まってくることが多いです。
入社後ぶつかる壁と解決に向けたポイント
勿論、求められる水準が高いコンサルティング業界において、入社後に壁にぶつかる方も多いです。最後に、いくつかの典型的な例とその壁をどのように打ち破っていくのかについて、ご紹介します。
[1]資料を作っても、いつもダメ出しを受け、全く使われない
[2]コンサルタントとして、先輩社員やお客様から言われたことをこなすばかりでやりがいを感じない
[3]とにかくやることが多くて仕事が終わらない
この他にも、様々なチャレンジにぶつかることがあると思います。
ただ、それだけ成長の機会が多いのもコンサルタントの魅力だと思いますので、是非大変だと思うのではなく、良い機会だと捉えて乗り越えていって貰いたいです。