コンサルタントという職業について、定年まで勤め上げるというよりかは、ビジネスマンとしてのキャリアにおける1つのステップという認識で捉えられていらっしゃる方も多いです。
実際、外資系のコンサルティングファームの場合は、平均在籍期間が数年という企業も存在しています。
そうした、一般の企業とは少し異なるコンサルティングファームにおいて、定年や退職金がどのようになっているのかという観点については、意外と知らない方が多いようです。
(入社する前から退職金の話などを聞くのは不謹慎で聞きにくいといった理由もあるのだと思います)
そこで、今回は、あまり知られていないコンサルファームの定年・退職金というテーマにフォーカスを当ててみたいと思います。
退職金はあるが一般企業の定年退職のイメージとは異なる
一般企業の場合、退職金(退職一時金)といえば、定年まで勤め上げたのちに、貰う制度を想定されると思います。その上で、企業が独自に設けた中途退職者に対するルールを元に、万一途中でやめることがあれば、それに則り退職一時金をもらえるという制度になります。
この中途退職者に対するルールは、企業ごとにバラバラですが、一般的には、自己都合と会社都合によって、退職一時金の金額に差があります。勿論、会社都合の場合は、自己都合の場合に比べて上積みして支払われるのです。
一方で、外資系のコンサルティングファームの場合は、そもそも中途退職することを前提として退職金の設計がされていることが一般的です。
例えば、ある外資系コンサルファームでは、毎年の年収の一定の割合を退職金積み立てとして貯められており、退職時には、それらの合計を貰うことができるというシステムになっています。
具体的な金額はどのくらいなのか?
ここでは、一般的な企業における中途退職金の金額と比較することで、コンサルティングファームの退職金を見てみたいと思います。
厚生労働省が発表している「平成25年就労条件総合調査結果の概況」によると、大学卒で、自主退職社の退職金の総額は、勤務期間に応じて以下の通りなっております。
● 20~24年:916万円
● 25~29年:1,275万円
● 30~34年:2,021万円
● 35年以上:2,181万円
早いタイミングに自主退職することで、もらえる退職金の金額が大きく減っていることが分かると思います。また、20年~24年という期間もコンサルティングファームの時間軸でいうと、かなり長いことが分かると思います。
それでは、コンサルティングファームの場合、どの程度の退職金になるかということですが、企業の差もありますが、例えば、ある外資系コンサルティングファームの場合、年収金額の15%程度が退職金として積み立てられておりますので、仮に最初の職種で入社し、5年程度で退職した場合でも、500万円近くの退職金を得られることとなります。
そもそも定年まで勤める人はいるのか?
ちなみに、途中退職が多いコンサルティングファームですが、定年まで勤め上げることで、退職をされるコンサルタントも存在しています。
有名な例としては、マッキンゼー・アンド・カンパニーの大前 研一氏は、自らが設定した「75歳ルール(「年齢+勤続年数」が75歳になったら定年退職できるルール)」により、1994年に定年退職しています。
また、定年退職ではありませんが、ボストン・コンサルティング・グループにおいても、2016年に当時日本代表だった水越豊氏(59)と御立尚資氏(58)は退任し、その後はシニア・アドバイザーとしてご活躍されております。
結論:コンサルティングファームでは途中退職でも十分な退職金はもらえる
今回は、あまり知られていないコンサルティングファームの定年や退職金についてご紹介しました。基本は途中でやめることを前提に退職金の設計がされているため、一般の企業のように途中でやめることに対する不安は持つ必要はありません。
そういう観点から言えば、人生100年時代を迎える中で、コンサルタントという選択肢も有効に活用するという視点で転職を考えてみるのもよいかもしれません。