近年拡大し続けるフリーのコンサルタントとは?
コンサルティングサービスが日本でもかなり普及してきたことにつれて、近年フリーのコンサルタントが拡大しつつあります。あまり聞きなれない方もいらっしゃるかもしれませんが、大手コンサルティングファームへの転職後のネクストステップとしても注目があつまる「フリーのコンサルタント」について今回は紹介してみたいと思います。
フリーのコンサルタント(派遣コンサル)とは?
フリーのコンサルタントというのは、企業が抱える課題のうち、ある程度要件が定まった案件について、外部委託契約を通じて担う人のことです。
以下の3つの要素が重なった結果、ここ数年で市場は大きく拡大してきています。
● コンサルティングファームを退職した人材の数が拡大
● 企業がコンサルタントを使う機会が増えたことで、マネジメントノウハウが蓄積
● フリーのコンサルタントと企業をマッチングするサービス事業者が増加
特に、雇う側の企業としては、通常のコンサルティングファームに依頼するほどの予算はないものの、自社の社員だけではノウハウに不安があったり、ローンチまでに時間を要してしまうなどの懸念があるため、活用するといったケースが増えています。
フリーのコンサルタントをやっていらっしゃる方は、元コンサルティングファーム出身であり、起業準備期間であったり、起業したものの本業で十分な稼ぎが出ていないといったときに副業として実施されていることが多いようです。
特に、ネームバリューとして強みのある大手戦略系コンサルティングファーム出身者(特にPMO経験のあるマネージャーに近いレベル)や、実行フェーズで強みを発揮できるIT系コンサルティングファーム出身者が活躍しています。
どのような案件を担うのか?
ここでは、いくつかのマッチングサービスを見る中で、実際に募集されている案件を紹介したいと思います。
結論から言うと、プロジェクトはかなり多様であり、様々なタイプのコンサルタントが活躍できるチャンスがありそうです。その中でも特に、PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)の役割や、システム開発に対するニーズが大きいようです。
どのくらいの収入を獲得できるのか?
フリーコンサルタントの収入に関しては、コンサルティング時代の収入にもよりますが、一般的な事業会社の社員に比べると高い水準の収入が期待できます。
先ほど紹介した3つの案件は、いずれも100万円前後の報酬となっております。プロジェクトの期間は3ヶ月ほどであるものの、フルタイムでこなす必要はなく、フリーコンサルタント専業であれば、2~3つのプロジェクトは平行してこなす事も可能です。
というのも、コンサルティング時代と異なり、
● 要件が定まった案件が大半のため、無駄な作業が発生しにくい
● 自分自身がプロジェクトのオーナーとなるため、ファーム内でのコンセンサスの必要が不要
● その他、採用活動の支援や社内イベントなどのコンサルティング以外の社内業務に関する時間も不要
というメリットがあり、より効率的に仕事をこなすことができるからです。
とはいうものの、社会保険料を支払う必要や、有給休暇がないなどの点には注意が必要です。
フリーコンサルが広がることで、コンサルティングファームに転職する魅力も向上
今回ご紹介したフリーコンサルは、今後ますます広がっていくと考えられます。
というのも、働き方改革により自社の社員に無理をさせられない中で、外部人材の活用が広がるトレンドや、競争環境が激しくなる中で、専門的な知識を要する新規事業へのチャレンジの拡大といった動きは不可逆な流れだからです。
一方で、フリーコンサルタント間での競争も当然ながら激しくなることが予想されるため、一般の事業会社経験者ではなく、大手のコンサルティングファームで活躍していたという事実やそこで獲得したスキルがますます重要になっていくことも想定されます。
フリーコンサルタントは、一般の企業に勤めることと比べ、自由に働く場所や時間を選べるという点でワークライフバランスの観点から魅力的な職業であるといえます。
このような仕事を、コンサルティングファームへの転職の後に選べるようになっていくということは、これからのコンサルタントにとって非常に望ましいことだと思います。