はじめに
大手という時に、伝統やブランドがあり有名であることから大手と言う場合と、一定の人数規模があることを指して大手と言う場合があります。それぞれにおけるメリットは異なることから、今回は、それぞれに整理をした上で伝えていければと思います。
尚、伝統やブランドがあり、且つ人数規模もあるファームも存在しますので、そのようなファームは両方で挙げたメリットを兼ね備えているかと思います。しかし、そのメリットの程度は各ファームにより異なります。その為、伝統やブランドがあり、且つ人数規模もあるファームが最も良いファームであるかと聞かれると、一概にはそうとは言い切れません。また、皆さんそれぞれにおいても重視されるメリットが異なるかと思いますので、その点に留意しつつ、受け止めて頂ければと思います。
伝統・ブランドがあり有名な大手に勤めるメリット
戦略コンサルティングファームの中でもトップTierを思い浮かべて頂ければと思います。メリットを細かく挙げてくと収集がつかないので、今回は、皆さんから聞かれることの多い、仕事の側面、メンバーの側面、ファーム卒業後のキャリアの側面の3つで整理をしたいと思います。
1つ目の仕事の側面となりますが、クライアント候補へのコンタクトの負荷が非常に低く、大抵の企業は打ち合わせの機会の設定を頂けます。そして、多分、皆さんの想像される通り、大手企業の一定の役職以上の方とのコンタクトすることになります。先方が抱くコンサルティングファームへの期待も高く、また逆を言うと、特定のコンサルティングテーマに偏ったプロジェクトがスタートすることも多いです。つまり、特定のテーマ(企業戦略、コスト削減、R&D戦略、等)への評価や実績をコンサルティングファーム側が持つことから、先方も場を設けていると言えるでしょう。
2つ目は仲間の側面となりますが、仕事に対する熱意や想い、働き方のスタイルが似通った方が多く、(夜遅くまで働いていたとしても)精神衛生上のストレスは少ないと言い切れます。皆さんも、猛烈に働く人、あるいは仕事が終わってなくても家に帰る人といった多様な価値観を持つ方に囲まれて働かれているかと思います。働き方への価値観が合わない方と仕事をすると、良し悪しというよりは、精神面で不平不満の温床になるのではないでしょうか。但し、逆を言うとその働き方への価値観が合わなくなってくると、去るしかないとも言えます。
3つ目はファーム卒業後のキャリアの観点となりますが、ファーム内で評価をされていると、卒業後は優遇されたポジションや世の中にあまり出ない面白い機会を紹介されることが増えます。尚、卒業後の行先はPEやスタートアップといった似通った業界でのキャリア形成の機会となります。
人数規模のある大手に勤めるメリット
メーカ系や監査法人系のコンサルティングファームを思い浮かべて頂ければと思います。1つ目の仕事の側面では、規模に比例して案件種類(産業×テーマ)は豊富で、また余力を持つことからプロボノ活動や出向、成果報酬といった多様なスタイルのプロジェクトを経験する事が出来ます。一方で、1つ1つのプロジェクトにおける成果品質の面でのばらつきはどうしても存在することから、その点に対する物足りなさや悔しさを感じる機会も多いかと思います。
2つ目の仲間の側面では、多種多様な人材と出会い学び合うことが出来ます。非常にマニアックな領域での経験者から大企業でそれなりに経験を積んできた中堅層といった方とチームを組んで、新しい価値をクライアントへ提供していくことは醍醐味と言えるでしょう。一方で、仕事への熱意や働くことに対する温度差が存在することから、その点にストレスを感じる人は一定数存在するかと思います。
3つ目のファーム卒業後のキャリアの観点となりますが、繋がりをベースとして多種多様な業界へのキャリアの可能性をあらかじめ知ることが出来ます。転職先として考えていた企業に対する評判や実態については、大抵の場合は生の声として聞くことが可能になるかと思います。但し、転職先において手引きをしてくれる人は少ないことから、転職先の中間層として組み込まれる場合が多いようです。
最後に
今回はコンサルティングファームの大手に勤めることによるメリットを伝えさせて頂きました。少し前述で触れましたが、そのメリットを最大限享受するには、所属する会社において成果を出して評価されていることが前提となります。言い換えると、若いうちから自らのキャリアを切り開くことが、自分の頭一つで実現出来る可能性がある面白い環境とも言えます。皆さんも、そのようなコンサルティング業界に興味を持たれたのであれば、是非挑戦してみる価値はあるかと思います。