はじめに
コンサルタントの裾野が広がってきていることから、以前ほど型にはまったコンサルタントが減ってきているかと思います。例えば「本日お伝えしたいことは3つあって。」と、親指→人差し指→中指の順番で伸ばしていくようなコンサルタントをあまり見かけることは少なくなってきています。
その理由として、コンサルタントの裾野拡大と共に日本社会において"コンサルっぽさ"という表現が少しネガティブなコンテキストを含むようになってきたことにも起因しているとも感じています。コンサルティングもサービス業の側面を持ちますので、ネガティブなコンテキストを含むようになってきた"ありがちな習慣・しぐさ"を積極的に消してきている姿も散見されます。
打ち合わせにおいてクライアントから"コンサルっぽくなくて良いね"と言われる機会もあり、そのようなフィードバックも踏まえて、"ありがちな習慣・しぐさ"はひそめてきているのではないでしょうか。
尚、補足ではありますが、この文脈で褒め言葉として使用されている"コンサルっぽくなくて良いね"は、最近は誤解も解けてきてはいますが「現場感もなく、紙だけ書いて終わり。実行可能性を考えていない。」との揶揄に対して「現場も分かって、実行できそうな内容だね。」という意味の褒め言葉として使用されています。そのため、実は内容の良し悪しに対するフィードバックではありますが、コンサルタント側は見た目や形式にまで拡大して、"ありがちな習慣・しぐさ"を消してきているという、少し過剰反応な状況ではあります・・・。
このような状況であるため、現在、"しぐさ"の方は、ほぼ消えかけているというのが現実ではないでしょうか。一方で、"習慣"の方は変わらずに残り続けている傾向にあるので、本日はその点を中心に皆さんにお伝えしたいと思います。
仕事習慣①移動中も仕事
自分自身では気付きにくい"ありがちな習慣"ではありますが、他の方がしていると、ハッと気づくことがあります。
最近は少し減ってきていますが、仕事柄、飛行機や新幹線を含む各所への場所への移動時が多く発生します。その際、例えば新幹線に乗ると、自然な動作で鞄からパソコンを取り出し、ネットワークをチェックして、資料作成を開始し始める人を見かけます。自分自身では気付きにくいのですが、明らかに周りの方の状態との対比から異様な雰囲気を醸し出しています。特に最終に近い大阪から東京への新幹線の中で見かけると、まさに"ありがちな習慣"だなと、ハッとさせられます。
基本、徒歩での移動時間は関係各所への連絡や各種メールチェックの時間と捉え、新幹線や飛行機と言った纏まった時間が取れる場合は作業時間と捉えている人が多いのではないでしょうか。今でも残り続けるコンサルタントに"ありがちな習慣"の代表例かと思います。
生活習慣②18時以降の打ち合わせ設定
この"ありがちな習慣"も採用時や入社オリエンテーションでの質疑の際に「定時は何時でしょうか?」「残業に申請はいりますか?」といった質問をされた時に、ハッと気づかされた事例です。
それは、「日中はクライアントを含む外部との打ち合わせやコミュニケーションに注力し、夕方以降から個人の業務やファーム内部での打ち合わせやコミュニケーションを実施」する生活習慣です。特に役職が上がれば上がる程、この傾向は強まります。併せて、朝はリズムをとるために定時に開始をして夜は終わるまで(時間を決めていない)という生活習慣を持つ方も多くなります。
内部で打ち合わせを実施する際には、「18時以降で空いている時間にインビテーションを飛ばして下さい。」というメール文面を良く見かけます。
思考習慣③Think Straight Talk Straight
この"ありがちな習慣"はクライアントと打ち合わせをしている際に、元コンサルタントがクライアントサイドにいる時に、ハッと気づかされることが多い事例です。簡単に説明すると、Think Straight Talk Straightという習慣は、忖度や役職の上下を気にすることなく、イシューに対して考えて、行動しようというコンサルタントの思考習慣になります。
日本の多くの企業では一定の忖度や役職の上下を気にした行動や発言が散見される中、たまにクライアントサイドにおいてThink Straight Talk Straightな行動を取られる「若手(30代前半ぐらいまで)」がいます。そのような若手は元コンサルタントな場合がほとんどであり、改めてこれもコンサルタントのありがちな思考習慣であるなと、ハッと気づかされます。
最後に
改めて"ありがちな習慣"はコンサルタントの同僚たちとのみ過ごしていると気づきにくいなと思いました。それだけ染みついている習慣であるかなと思います。そのため、もしかしたらこれを読まれている皆さんの中でコンサルタントと接する機会の多い方は、私よりも"ありがちな習慣・しぐさ"に気付かれているかもしれません。そのようなコンサルタントにご興味を持たれたら一度カジュアルに面談する機会を持って、なぜそのような行動を取るのかを聞くと、キャリアに何らかのプラスとなる新たな発見が生まれるかもしれませんので、是非機会を持っては如何でしょうか。