転職のご相談・お問い合わせ

コンサルティング業界に強い専門の
エージェントに転職相談(無料)してみませんか?

1分で完了無料登録・転職相談

画像:A.T. カーニー株式会社

パートナーインタビュー

A.T. カーニー株式会社

1926年にアメリカで創業し、日本では1972年の進出以来、50年以上にわたって日本企業のグローバル展開を支援してきたA.T. カーニー株式会社。
多くの外資系コンサルティングファームがグローバル企業の日本展開支援を主軸とする中、同社は一貫して日本企業の世界進出、そして再び世界で勝つための支援にコミットしてきた。
2024年11月には幅広い産業の最新トレンドをまとめた『A.T. カーニー 業界別経営アジェンダ2025』を出版。
その詳細や、同社独自の立ち位置、風土などについて、PEPIプラクティスのシニアパートナーである久野雅志氏と、消費財・小売プラクティスのシニアパートナーである酒井亮氏に話を伺った。

まずはお2人のキャリアについてお聞かせください。

A.T. カーニー株式会社/久野氏

【久野】私は大学を卒業後、国家公務員として霞が関で勤務しました。その後、2008年にA.T. カーニーに入社し、ビジネスアナリストというランクからスタートしました。かれこれ16年ほどになりますが、ジュニアコンサルタントの間は、自動車業界、素材業界、ハイテク業界、不動産業界、金融業界、総合商社など、かなり幅広い領域でプロジェクトを経験してきました。

マネージャーに昇進後は消費財・小売チームに所属し、消費財メーカーや小売事業者向けのマーケティング、新規事業、ターンアラウンドなどのプロジェクトを手がけました。その後、プリンシパルとなってPEファンドや事業会社のM&A支援を担当するようになり、現在はM&A関連チームのリーダーとして活動する傍ら、新卒採用・中途採用の全体統括も担っています。

【酒井】私は新卒ではモニターグループに入社し、マーケティング戦略や営業戦略などの成長戦略のプロジェクトを中心に経験をしてきました。2012年にシニアビジネスアナリストとしてA.T. カーニーに入社してからは、当社特有の「チームアップ制度(※)」を活用し、コスト削減やオペレーション改革など、これまで未経験の領域でのプロジェクトに積極的に手を挙げて携わりました。その後、世の中での需要の高まりもあり、かつこれまでの自分の経験をフルに活かせるテーマとして全社変革プロジェクトを多く手がけるようになり、現在は消費財・小売プラクティスのシニアパートナーとして、長期的な全社変革を支援するプロジェクトを中心に手がけています。

※自分の興味関心の高い業界/テーマの意思表示を行い、ファームとしてそれを踏まえたプロジェクトアサインを行うことで、社員一人ひとりが、高いモチベーションを保ちながら、顧客企業や社会に対して"感動品質・世界水準"の仕事で貢献できるように後押しする仕組み。

他ファームと比較して、A.T. カーニーの特徴的な点は何でしょうか?

【久野】1つの大きな特徴は、日本の企業が世界で勝つことにコミットしているという点です。現在の代表の関灘も「日本を変える、世界が変わる」というブランドメッセージを掲げていて、日本企業が今一度、世界で戦えるよう支援していきたいという姿勢を明確に打ち出しています。これは外資系のコンサルティングファームの中でも際立った特徴だと思います。

社内の運営面では"強い個"、"経営を語れる個"、"尖った個"など、「個」を強く意識しているのが特徴です。先ほど酒井が触れた「チームアップ制度」もその一例ですが、会社都合ではなく、個人がどうキャリアを作っていくのか、その中でどうクライアントに貢献していくのかを重視する会社です。

【酒井】「Tangible Results(タンジブルリザルト:目に見える成果)」へのこだわりも当社の特徴です。この10年ほど、この業界は急速に拡大してきました。組織やプロジェクトの規模が大きくなるほど、決められたことをこなすという傾向が強まるものですが、当社はそうではありません。本当に目に見える成果をいかに出せるかという部分にこだわる姿勢が、コンサルタント一人一人に染みついています。一人のコンサルタントが1から10まで全てに関わり、オーナーシップを持ってアウトプットを作るというスタイルは守り続けたいと考えています。

なぜ、日本企業の世界進出支援に注力されているのでしょうか?

【久野】多くの外資系コンサルティングファームは、アメリカやヨーロッパに本社があり、そこでマルチナショナルに展開するグローバル企業への支援を中心としています。そのため、アメリカでの最新事例や経験を他地域に展開するというアプローチを取ることが多くなります。しかし、日本企業は欧米企業とは異なる経営方針やフィロソフィーで動いている部分も大きく、単純にアメリカやヨーロッパの事例を当てはめることは難しい状況があるのです。
私たちは、日本企業の実態をよく理解したメンバーが中心となりながら、各地域のオフィスと協働することで、日本のコンテキストを理解しつつ、その会社がその地域で勝つための最適な支援ができると考えています。

『A.T. カーニー 業界別経営アジェンダ2025』を出版されましたが、この書籍の意図と概要についてお聞かせください。

【久野】実は2024年版が最初の刊行なのですが、この企画は私から提案させていただきました。背景には2つの狙いがあります。
1つは、クライアント向けの意図です。従来は、自社の産業内で何が起きているかを把握していれば良かった時代でしたが、今は違います。例えば小売業の経営者は、半導体業界の動向も知らなければサプライチェーンの将来が見通せませんし、決済やエネルギーの動向も把握しておく必要があります。ただ、普段接点のない業界の情報は、なかなか入ってきませんし、網羅的に情報収集するのは難しい実情もありますよね。そこで、日本の主要な業界で何が起きているのかを書籍の形で取りまとめ、自社の領域以外のアジェンダも知っていただきたいと考えました。

2つ目は社内向けの意図です。当社の社員は職人気質で、良いプロジェクトを作ってクライアントに貢献しても、それを主張することが少ない傾向にあります。せっかく良い仕事をしているのであれば、それを世の中にも還元したい。A.T. カーニーがこういう仕事をしているということを認知していただきたいという思いもあって、書籍の定期発行を企画しました。

それぞれご執筆された分野について、特に強調されたポイントを教えてください。

A.T. カーニー株式会社/酒井氏

【酒井】私は消費財業界を担当しました。この業界では競争のルールが大きく変わってきています。オペレーショナルエクセレンスの追求と同時に、イノベーションが求められるようになってきています。海外のメガプレイヤーたちは収益性の低い領域を捨て、成長性の高いヘルスケア分野に進出するといったポートフォリオの組み換えができますが、日本の消費財メーカーにはそこまでの規模がありません。

何を自社の新しい価値にしていくか、というのは、日本の消費財メーカーの経営にとっては悩ましい問題です。例えば、国内の多くの飲食品メーカーは中期経営計画に何らかの形で「健康」を新しい価値として掲げていますが、消費財メーカー一社のプロダクトで、消費者の「健康」を実現することは実際には困難です。

経営陣は、お客様のニーズを見極めながら、同時に自社が実現できる限界も見極めた上で、大胆でありながら実現可能な価値を創っていく必要があります。既存事業や商品の磨き込みだけでは差別化が難しくなっている中で、新しいイノベーションをどこに見出すのか。その際の指針として、顧客の声に真摯に耳を傾けることの重要性を説いています。

【久野】私はM&Aについて執筆しました。かつては企業を売却することは「将来性がない」と見られがちで、ネガティブなイメージが強かったのですが、この10年ほどで状況は大きく変わってきました。M&Aを経験した企業が再成長を遂げるなど、成功事例が積み重なってきたことで、M&Aを前向きな選択肢として捉える企業が増えています。日本でもM&Aは経営の1つの大きな柱として浸透し、高額の買収案件や、異業種への進出も増えてきました。

ここ数年は、東証の改革やステークホルダーからの圧力もあり、企業が事業を売却したり、カーブアウト(事業分離)したりすることへの許容度が大きく上がってきました。これとは別の文脈として事業承継のM&Aも増加しています。戦後、ゼロから事業を立ち上げた経営者が80歳、90歳を迎え、世代交代が避けられない時期に来ているからです。

さらに買い手側の環境も大きく変化しています。日本企業の収益性が改善し、手元資金に余裕が出てきたことに加え、PEファンドも市民権を得て、有力な買い手として台頭してきました。結果として、売り手と買い手の双方が増加し、M&Aを巡る競争は一層激しくなってきています。

そうした状況を正しく理解した上で、どのようにディールに向き合えばよいのか、買収後の統合をどう進めればよいのかという観点で、現在のM&Aを取り巻く競争環境の変化について解説しています。

その他に注目すべきプラクティスについてお聞かせください。

【久野】個別に言うと、防衛や量子コンピュータ、観光といったプラクティスが挙げられます。これらは他の戦略コンサルティングファームがメインで手掛けていない領域ですが、当社ならではのプロジェクト経験を活かした提言ができると考えています。
特に量子コンピュータは、今後の実用化によって社会が大きく変わる可能性があります。現時点で大きな収益を見込める分野ではありませんが、将来を見据えた先行投資として取り組んでいます。

【酒井】私が注目しているのは不動産やそれに紐づく街づくり、アパレルなどのプラクティスですね。これらも他のコンサルティングファームではあまり案件が少なく、当社の個性が出せる分野だと思います。

コンサルティング業務のやりがいや醍醐味をどのようにお考えですか?

【酒井】1つは、日本が経済的に厳しい状況にある中で、自分たちのプロジェクトを通じて企業の経営力を高め、それが生活者にも還元されて世の中が豊かになっていくことへの貢献を実感できる点です。

特に印象的だったのは、プロジェクトで関わった方々が数年後に昇進されるケースです。おそらくプロジェクトがなければ違う道筋になっていたかもしれない方々が、私たちとの仕事を通じて刺激を受け、成長して経営人材になっていく。そういった方々を目の当たりにした時は感動しますね。自分自身も頑張らないと、という気持ちにもなります。

一方で、タンジブルリザルトにこだわっているがゆえの大変さはあります。結果を出すために何が最適な方法なのか、とことん突き詰めて考える必要があるからです。そのために人を動かす作戦も考えなければいけませんし、打ち手を考えるためには様々なことを知っておく必要もある。自分自身のアップデートは欠かせません。

【久野】私は大きく3つの部分でやりがいを感じています。1つ目は、「M&A」という、企業にとって極めて大きな変化が起こるタイミングに立ち会え、数百億、数千億規模の投資判断に関与できること。その後の大規模な改革にも関われる点は、コンサルタント冥利に尽きます。

2つ目は、M&Aという切り口を通じて、幅広い業界に携われることです。半導体業界のM&Aに関わることもあれば、飲食業界のM&Aプロジェクトもあります。異なる業界での経験がつながり、日本の産業や経済に通底する大きなトレンドが見えてくる面白さもありますね。

3つ目は、A.T. カーニーというプラットフォームを活かして、コンサルティング以外の形でも社会に貢献できることです。例えば、私自身はオンライン大学で教鞭を執ったり、元官僚としてのネットワークを活かして省庁と新しい取り組みを行ったりしています。会社も個人の裁量を認めてくれ、副業も認めてくれる環境で、会社というプラットフォームだからできることを思う存分やらせてもらえていると思います。

求める人材像や今後の採用方針についてお聞かせください。

【久野】ロジカルシンキングのような基本的なスキルはもちろん必要ですが、私が一緒に働きたいと思うのは、それだけではないユニークな個性を持った人材です。人生を賭けて何をやりたいのか、70歳、80歳になった時に社会に何を残していたいのか、そういった強い思いを持っている人と働きたいと考えています。

例えば宇宙産業の発展に貢献したい人、日本の防衛をより良くしたいという人、メディアやコンテンツの分野で新しい価値を作りたいという人など、個人としてやりたいことが明確になっていることが重要です。

一方で、必ずしも1つの分野に秀でている必要はありません。私自身がそうですが、半導体から外食まで、様々な領域に対してバランスよく取り組めることも1つのユニークネスです。また、様々な専門家や個性的な人材をうまくまとめていけることも強みになり得ます。大切なのは、自身の特徴や強み弱みをしっかりと理解していること。それこそがその人の「尖った個」なのだと考えています。

当社では「5Values」として、Curiosity(好奇心)、Generosity(寛大さ)、Solidarity(連帯感)、Boldness(大胆さ)、Passion(情熱)、という5つの価値観を大切にしています。全てを完璧に満たす必要はありませんが、少なくともこれらの価値観の中で自分が特に大切にしているものが何か、理解している人を求めています。

【酒井】私が重視しているのは、議論を通じて何かが生まれるというプロセスを楽しめるかどうかです。コンサルティングの過程では、チームで議論を重ね、それをアウトプットにつなげていくプロセスが基本となります。その過程を楽しめる人であれば、たとえ最初はロジカルシンキングが多少不足していても、チームの中で補完し合いながら成長していけると思います。

働き方の面では、特徴的な取り組みはありますか?

【久野】個別対応の柔軟さが当社の特徴だと思います。例えば、年間12ヶ月のうち1ヶ月は完全に休むという雇用条件の社員もいれば、週4日勤務の社員、夕方6時から9時は必ず家族と過ごすという働き方をしている社員もいます。300人程度の組織なので、一人一人の状況やニーズに応じた柔軟な対応が可能なのです。
男性の育休取得率も9割を超えています。これは日本企業の中でもトップクラスではないでしょうか。産後すぐの取得はもちろんですが、子どもが少し大きくなってきた段階で、一定期間休んで、家庭の時間を多く過ごし、また働き始めるといった社員もいます。

【酒井】私も6ヶ月育休を取得しました。世間的には数日~3か月が一般的な中で、6か月という長期で取得したことで、周囲から「素晴らしい」と言われましたが、実際にはもっといろいろできたかもしれないなと思っています。

最後に、応募を考えている方々へメッセージをお願いします。

A.T. カーニー株式会社 久野氏/酒井氏g

【酒井】戦略コンサルティングファームといっても、組織によってかなり違いがあります。それぞれのファームにそれぞれの良さがあるので、自分に合った環境を見つけることを大切にしてほしいと思っています。

当社は、ここ数年で大きく変化してきました。特に関灘が代表に就任してからは、A.T. カーニーとしての方向性や、どこに価値を提供していくのかが明確にコミュニケーションされるようになり、その価値観が組織全体に浸透しています。

また、コンサルティングの価値自体も変化してきました。以前は「膨大な量の分析を短期間で行う」ということ自体にも価値がありました。しかし今は、コンサルタントが持つ知見や仮説、アイデアにこそ価値が求められ、それをきちんと定義したプロジェクト運営ができれば、高い生産性も実現できる状態になってきています。

目指す方向は1つでありながら、その中で各人が自由に、自分なりの形で貢献できる。そんな環境が整ってきていると感じています。当社の価値観や文化を理解していただける機会はたくさん用意していますので、ぜひよく見たうえで選択していただければと思います。

【久野】A.T. カーニーは、万人に受ける会社ではないかもしれません。ただ言われたことをこなすサラリーマンとして働きたい方には向いていないでしょう。しかし、組織に属しながらも主体的に動きたい、新しいものを作っていきたい、この会社をプラットフォームとして活用したいという"わがまま"な方、強い自我のある方には、きっとマッチする環境だと思います。

おとなしい優等生よりも、むしろ少し扱いにくい、とっつきにくい人材の方が、会社にとってはプラスになると私は感じています。そういった"はみ出した人"と一緒に働きたいと思っていますので、他のコンサルティングファームの枠には収まりきれない方、ぜひ当社の門を叩いてください。

プロフィール

写真:久野 雅志 氏

久野 雅志 氏
シニアパートナー

東京大学法学部卒。中央省庁を経て、2008年にA.T. カーニーに入社。M&Aのトランザクションから投資後のPMIまで一貫して支援。また、消費財、小売、外食領域における中長期戦略、新規事業開発、海外戦略、トランスフォーメーション、経営管理のプラットフォーム構築支援などのプロジェクトに従事。新卒採用、中途採用の責任者も兼務している。

写真:酒井 亮 氏

酒井 亮 氏
シニアパートナー

早稲田大学理工学部卒、東京大学院新領域創成科学研究科修了。モニターグループを経て、2012年にA.T. カーニーに入社。消費財・小売プラクティスコアメンバー、ヘルスケアプラクティスアフィリエイトメンバーとしてコンサルティング業務に従事。

この企業へのインタビュー一覧

コンサルティングファーム パートナーインタビューの最新記事

一覧を見る
初めての方へ 私たちキャリアインキュベーションについて

転職のご相談・お問い合わせ コンサルティング業界に強い
専門のエージェントに
転職相談(無料)
してみませんか?

各社の採用ニーズを熟知し、業界のキーマンともリレーションを持つ専任コンサルタントが転職活動を支援します。
求人紹介はもちろん、最適なキャリアを提案します。

  • 転職成功者の90%以上が
    満足と回答

    初回面談から内定まで平均6か月。
    貴方のペースに合わせて
    納得できる転職活動を支援します。

  • 安易に転職は勧めず戦略的に
    最適なキャリアを提案します

    コンサルタントは狭き門です。
    焦って応募して後悔しないよう
    準備が整うまで伴走します。

  • 最難関の戦略ファームへの
    紹介実績は200件以上

    コンサル業界1000件以上の転職成功
    実績は業界トップクラス。転職支援の
    自信は数に裏打ちされています。

1分で完了 無料登録・転職相談

現在約6000人以上が登録中!
転職活動にすぐに役立つ
メールマガジン(無料)もございます。

メールマガジン登録(無料)