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マーサージャパン株式会社 代表取締役社長 CEO 草鹿 泰士 氏

パートナーインタビュー

マーサージャパン株式会社

世界44か国にオフィスを構え、25,000名以上のスタッフを擁する世界最大級の組織・人事、資産運用、福利厚生・ウェルビーイングにおける総合コンサルティングファームであるマーサー。日本では、マーサージャパンが40年以上にわたってサービスを提供している。マーサージャパンが2020年9月に代表取締役社長として迎え入れたのが日本興業銀行を経てEY税理士法人でCOO、BNPパリバ・カーディフ損害保険で日本代表を歴任した草鹿泰士氏である。今回はキャリアインキュベーションの候補者の関心が高い組織・人事コンサルティング部門を中心に、同社の特徴や強み、昨今のクライアントニーズなど幅広くお話を伺った。草鹿氏によると、日本企業は今「数十年に一度の大変革期」にあり、その中で組織・人事コンサルティングファームが果たすべき役割が非常に大きいという。

ご経歴、マーサージャパンに参画した背景について教えてください。

私は大学卒業後に日本興業銀行に入行し、約10年の在籍期間中はコーポレートファイナンス全般に携わり、途中通商産業省(現・経済産業省)への出向でWTO通商交渉も経験しました。ニューヨークに駐在していた30歳過ぎの頃に統合が起こったのをきっかけに人生を見つめ直し、ハーバード大学大学院ケネディスク―ルに留学、帰国後、外資系にキャリアをシフトしました。

EYでは日本エリアの金融機関向けアドバイザリーチームなどを経て、EY税理士法人でパートナー兼COOを務め、BNP パリバ・カーディフ損害保険で日本代表などを歴任し、その後、若手起業家と共にFinTechスタートアップのロボット投信を立ち上げました。立ち上げから4年後に同社が上場企業のグループ入りした節目で何か新しいことをしようと考えていた時に、現職にお声掛けいただきました。社長に就任してもうすぐ2年になりますが、社歴が長い社員が多い弊社ではまだまだ新人です。

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EYやBNPパリパ・カーディフでの経験で、プロフェッショナルファームのビジネスの動き方や全社戦略の立て方、また、グローバル企業の経営の進め方は十分理解はしていましたが、組織・人事コンサルティングという分野のビジネスの舵取りは初めての経験です。参画を決めたのは、前職で経営におけるピープル・アジェンダの重要性を痛感したためです。ゼロからすべてを創り上げるスタートアップ企業では社員1人当たりの役割が大きく、戦略の実行と人は密接不可分です。また、組織開発やカルチャーというのも成長のための大きな課題でした。

また、ロボット投信はアセットマネジメント業界のオペレーション部門の非効率性をテクノロジーで解決するソリューションを提供するビジネスでしたので、アセットマネジメント業界におけるマーサーのプレゼンスはよく知っていました。戦略に直結する組織・人事のコンサルティングのビジネスと、アセットマネジメントのビジネスの両方を業務範囲にしているマーサーのビジネスは非常にユニークな事業ポートフォリオであり、その両方に経験がある自分だからこそ出来ることは大きいと考え、参画を決めました。

マーサージャパンのビジネスについて教えてください。

マーサージャパンでは、Career、Health、Wealthと我々が呼んでいる3つの事業領域でコンサルティングサービスを提供しています。

Careerでは、組織制度、人事戦略、役員報酬、コーポレートガバナンス、タレントマネジメント、組織・人材開発、報酬・福利厚生データサービスなど組織・人事に関するあらゆるテーマに対してコンサルティングやプロダクトの提供を行っています。Healthは従業員の福利厚生に関するコンサルティングや駐在員医療保障コンサルティングで、グループ会社であるマーシュと共同して事業を行っています。Wealthは資産運用に関わるコンサルティングで、年金制度・退職金制度コンサルティング、ALMや資産配分・運用戦略などの資産運用コンサルティング、運用機関構成の策定、ESG戦略、オルタナティブ投資戦略などのコンサルティングを行っています。

また、傘下のマーサー・インベストメンツ株式会社では、マーサーが長年蓄積してきたマネジャー・リサーチ、マネジャー・ストラクチャリング、アセットアロケーション等に関する知見を基に、日本の投資家の皆様のニーズに合った運用ソリューションをご提供しています。

マーサーは「Making a difference in people's lives(働くすべての人に、ポジティブなインパクトを)」をミッションとしています。一見バラバラに見える3領域も、全て「人」に関係しています。組織・人事制度を変更すれば、新しい制度に合わせて福利厚生も年金も見直す必要があり、実は切り離すことができない領域なのです。

マーサーはマーシュ・マクレナンのグループ会社です。関係性について教えてください。

マーシュ・マクレナン(以下、MMC)は、NY証券取引所の上場会社で、2021年に創業150周年を迎えた歴史あるアメリカの企業グループです。MMCは、世界最大級の保険およびリスクマネジメント関連サービスのマーシュ、再保険ブローカーのガイ・カーペンター、戦略コンサルティングのオリバー・ワイマン、そしてマーサーの4社で構成されています。RISK、STRATEGY、PEOPLEと事業領域を分けていますが、さらに括って言えば、リスクマネジメントを担う保険関連事業と、企業の成長を支援するコンサルティング事業の2軸で企業を支援しています。

事業領域が一見バラバラに見えるかもしれませんが、MMCでは「One Enterprise」をグループスローガンに掲げ、経済社会のビッグアジェンダに対してグループ一丸で取り組むことがあります。例えば、現在のビッグアジェンダである"ESG"を例に挙げると、保険事業は企業がカーボンニュートラルへの移行の際のリスクマネジメントのソリューションを提供し、マーサーでは組織・人事コンサルティングでコーポレートガバナンスの強化、Wealthの領域でESG全般に関してを支援できます。また、ビッグアジェンダに限らず、オリバー・ワイマンで戦略を立案し、実行局面を担う組織・人事戦略をマーサーが支援する連携もあります。

世界全体でソーシャルなものに対する意識が高まり、企業活動に対する社会の目が厳しくなった昨今では、1つのアジェンダは企業活動のあらゆる面に波及して検討する必要があります。コンサルティングだけでなくリスクマネジメントも支援できるMMCの体制は、そうした今の時代に真にフィットしているのです。

組織・人事コンサルティングについて、競合と比較した貴社の強みを教えてください。

高度な専門性・ナレッジ、それに基づく深い洞察力から、圧倒的なプレゼンスがあります。
グローバルでは毎年ダボス会議で組織・人事の未来像に関する最新レポートを発表していますし、世界最大級の報酬・福利厚生データベースを有しています。人事制度を設計する際には、市場の水準を把握できるそうしたデータは欠かせません。そのためデータを持たないファームでは外部からデータを購入する必要があります。自社でソースデータを保有し、それに基づく知見があるのは極めて大きな強みです。

日本では40年以上事業を行っているので、グローバルの知見を日本の文脈に落とし込むことに長けていますし、ソートリーダーシップ(thought leadership)として日本の企業の取り組むべき課題を提言してきた実績があります。今注目されているジョブ型雇用も、世の中でこのように話題になる前から、場合によっては政府とも連携しながら、時代の一歩先、半歩先の議論・検討をしてきた課題です。ご相談をいただいた経営課題に都度対応してサポートするのみでなく、常に半歩先、数歩先を見据えて今後の課題について検討していくのがマーサーのやり方です。

このような背景から、日本企業の中で『組織・人事と言えばマーサー』というレピュテーションが確立しており、重要な戦略課題に取り組む際にはファーストコールとしてお声掛けいただけることが多いです。そうした案件を通じてさらに経験やナレッジが蓄積されるという好循環があります。

また、日本国内のプロフェッショナルファームで唯一組織・人事に関するM&Aの専門部隊(Multinational Client Segment、以下MCS)を持っている点も大きな強みです。MCSはプレディールでは人事デュー・デリジェンス、PMIフェーズでも組織開発や制度の統合、コーポレートカルチャーの融合など様々な課題に対応できます。クロスボーダー案件では、日本のMCSがプロジェクトリードとして統合先企業の拠点がある国の現地オフィスと連携することが多くあります。

組織・人事での最近のクライアントニーズについて教えて下さい。

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やはり、「ジョブ型雇用」の導入に伴う様々なサポートです。みなさんもニュースで目にする機会も多いと思います。
今、まさに日本企業は数十年に一度の大変革期にあります。私たちは「HRトランスフォーメーション」と呼んでいますが、大企業を中心に、従来のメンバーシップ型雇用からジョブ型雇用への移行が進んでいます。その背景には、バブル崩壊後、失われた何十年を経てもなお、日本企業が思うようにグローバリ市場で競争力を取り戻せなかったことがあります。

デジタル化の進展、より現地化されたグローバル展開の進行、ステークホルダーとの関係の再定義、サプライチェーンの再構築など、企業の競争環境は大きく、急速に変わっています。外部環境が目まぐるしく変わる現在の環境下では、企業は戦略をスピーディーに転換し、実行面を担う組織や人も戦略の変化に迅速に対応していかなければなりません。

戦後長きにわたって日本の成長を支えてきたメンバーシップ型雇用は、ある意味で日本の高度成長期に適合した素晴らしいシステムでした。しかし、従来のやり方ではうまく機能しないことに日本の大企業が気づき始め、戦略変化への柔軟な対応に優れたジョブ型雇用への移行が進んでいるのです。

1点補足したいのが、私たちは必ずしもすべての企業にとってジョブ型が最適解と考えているわけではありません。相談いただいたクライアント企業様の状況を精査して、本当に最適な人事・組織制度のあり方を検討する本質的なご支援をしています。
また、組織設計や制度は導入して終わりではありません。新しい組織や制度に合わせて、例えば年金や福利厚生の制度を変える必要もありますし、期待していた効果を得られるように導入後の評価や見直しなどの面でもご支援しています。

もう1つ、ニーズの高いテーマとして挙げられるのがデジタル化です。言うまでもなく企業活動のあらゆる側面でデジタル化はキーワードとなっていますが、これは人事・組織領域でも同様です。昨今、様々なスタートアップも人事分野のソリューションを提供していますが、組織・人事に関する高度なナレッジを有するマーサーならではデジタル化で取り組むべきことが沢山あります。私たちのナレッジや強みをデジタル化で活用するための新たな仕掛けも現在検討しています。

働く環境として、社内の雰囲気について教えてください。

一昨年、現職に就任した時に第一印象として感じたのは、マーサーには、クライアントの課題の解決や、ひいては日本の経済や社会の課題までをも解決したいという大きな「志」を持ったプロフェッショナルが多い、ということでした。高い専門性を持ち、洞察力が深いコンサルタントが多く非常に頼もしく感じたことも覚えています。また、長く在籍している社員や一度辞めた後に戻ってくる社員も少なからずいるので、どこかオープンなファミリーのような雰囲気もあります。

ここ数年、陣容も拡大しているので新たに参画した社員も多数いますが、彼らがスムーズに馴染めるための施策も機能していると思います。まず、オンボーディングがきめ細やかですし、拡大しているといってもまだ何千人規模ではないので、1人ひとりのアサインメントも十分に配慮されています。また、Career、Wealth、Healthのそれぞれのコンサルタントが他の領域を学べる研修プログラムもあり、部門を超えた相互理解が進んでいます。最近はコロナも落ちついてきたので、月に1度木曜の夕方にワインなど飲みながら社員同士が交流する「Happy Thursday」も再開しました。

マーサージャパンで求められる人材像について教えてください。

弊社で昇進できるのは、高い専門性・知見に加えて、高いチーム意識を両立できる人材です。コンサルタントなのでもちろん独り立ちできるような高い能力を持つ必要はあるのですが、それだけではなくチームとして動けることを重要視しています。また、採用時にはそうした素養に加えて、組織・人事の面から「社会課題を解決したい」というパッションを持っている方を採用しています。

卒業後のキャリアについて教えてください。

組織・人事のプロフェッショナルとして事業会社から招かれるケースが多いです。業務を通じて上流の戦略に関心を持つようになり戦略ファームに行かれた方もいますし、また「社会課題を解決したい」という熱意ある人材が多いのでスタートアップや国際機関など全く異なる業態に転身された方もいます。

マーサージャパンの今後の展望について教えてください。

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まずは現在のクライアントニーズにしっかり応えつつ、常に社会課題を考えるソートリーダー(thought leader)として次の大きな社会や企業のアジェンダは何か、と言うことについて常に議論をしています。より具体的に言えば、既存の弊社の強みやナレッジをべースに、新たなビジネスの基軸を打ち出していこうとしています。

また、組織としては、ダイバーシティの推進と、グローバルファームとしての若手・ミドル層に対する成長機会の提供に注力しています。マーサーのグローバルの組織図上では、日本はAMEA(アジア・中東・アフリカ)という地域本部に属しており、この域内でのクロスアサインメントや短期トレーニングの機会などを増やしていきたいと考えています。これまではコロナで思うようにいきませんでしたが、社会も落ちつきつつある今、積極的に機会を提供していきたいです。

マーサージャパンを志望される方へメッセージをお願いします。

日本企業は今、数十年に一度の変革期にあります。コーポレートトランスフォーメーションを実現するためには、HRトランスフォーメーションが欠かせません。マーサーが今支援しているのは、まさに日本としての重要課題の本丸です。一緒にこの変革期に挑みたい、日本の社会課題を解決したいというパッションのある方に是非お越しいただきたいです。

プロフィール

写真:草鹿 泰士 氏

草鹿 泰士 氏
マーサージャパン株式会社
代表取締役社長 CEO

1991年日本興業銀行に入行、東京及びニューヨークにてコーポレートファイナンス業務に従事。1998年から2000年には、興銀より通商産業省(当時)に出向。その後、BNPパリバ カーディフ損害保険 在日代表、EY税理士法人 チーフ・オペレーティング・オフィサー(COO)兼パートナーを歴任。2016年フィンテック・スタートアップであるロボット投信の設立に参画し、代表取締役会長に就任、同社の事業戦略・資金調達を統括。2020年9月マーサージャパン 代表取締役社長 CEOに就任。2021年3月から10月までは北アジア地域(日本・韓国)の代表を兼務。
1991年慶應義塾大学経済学部卒、2002年ハーバード大学大学院ケネディスクール修士号。

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