MSDの取り組みが面白い。
ドローンによる医薬品の配送実験を開始した。
これは製薬企業MSDとIT企業エアロセンスと医薬品卸のアルフレッサの共同実験だ。
https://www.facebook.com/msd.co.jp/
福岡市で災害時医薬品配送をドローンで行うという試みである。
2017年度中を目途に実現化のための実験を進めて行くという。
大地震が起こった場合など鉄道や道路等のインフラが破壊されてしまい、病院及び患者に医薬品が届けられなくなってしまう。
透析患者や糖尿病患者などは備蓄が無くなれば本当に命とりである。
1日も早い運用が求められる。
これらIT企業とのコラボなどMSDの取り組みは思い付きではない。
米国親会社のメルクはベンチャー向けにグローバルファンドを立ち上げており、既に20社に対して3億USドルを投資している。
そして、日本では「2020年までに日本で最も優れたヘルスケア企業になる」というビジョンに基づき、グロービスキャピタルパートナーズと組みヘルステックプログラムをスタートさせている。
http://www.msdhealthcaretech.com/
MSDがスタートアップに提供する付加価値は以下である。
①ヘルスケア業界での経験が豊富なMSD社員によるメンタリングの実施(随時)
②医師や医療機関へのコンタクトチャネルおよび資金調達のノウハウなどの提供
③ヘルスケア業界の専門的知識の供与および、規制に対する正しい理解のための知識の供与
VCであるグロービスはMSDをサポートしベンチャー企業にアドバイスしていくという。
米国では、ヘルスケアのベンチャーに対して5000億円/年が投資されているという。
日本に於いてもMSDのような取り組みが進めばこの業界でイノベーションが起こり、病気や障害で困っている方及びその家族の負担が大いに減少することだろう。
バイエル薬品もヘルスケア×ICTの支援プログラムをスタートさせておりオープンイノベーションを加速させている。
今後も日本に於けるヘルスケア企業×ICT企業のチャレンジに期待していきたい。
キャリアインキュベーション株式会社
代表取締役社長 荒井裕之