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プロ経営者インタビュー

榊 淳 氏

[9]他に経営者に必要な資質や能力などありますか?

前の質問でお答えしたようなメンタリティや、仕事との向き合い方をしていけば、経営につながるような資質や能力は後からついてくると考えています。

[10]これらのスキルなどをどこで手に入れたのでしょうか?

一休へ来るまでに出会った、スタンフォード大学、BCG、アリックスパートナーズという3つの場で、かけがえのない経験と能力を得てきたと思っています。

スタンフォードで手に入れたのは、「成功する」と確信できた者が成功するということ。もちろん世界中から優秀な学生が集まる大学ではありますが、私が何よりも驚いたのは、実に多くの学生が「私は成功する」と本気で信じている点でした。当たり前のことのように「成功する」と言い切っているからこそ、当たり前のように成功する。大切なのはインター・パーソナルな能力なのだということを体感したのです。

BCGでは「華麗にアドバイスせよ」と言われ続けてきました。当初は何をどうすればいいのかわかりませんでしたが、先述のようにクライアントの論点さえ見抜けるようになれば、可能なのだということを身を以て知ったわけです。

アリックスパートナーズで得た教訓は「結果に対して貪欲になる」ことの重要性でした。アドバイスをして終わり、ではなく、泥臭く結果を追い求めることから多くのことを学んだのです。

[11]業界のプロとしての知見はいかがでしょう? やはり必要だとお考えですか?

これは業種によって大きく異なってくると思います。例えば製薬業などのように、一定の業界知見がなければ入り込んでいけない産業というのはありますから、そこで経営の仕事をしようというのなら身につけていく努力は不可欠になるはずです。

けれども一休のような会社の事業では、業界知見が必須にはなりません。宿泊施設にせよレストランにせよ、そこでオペレーションを実行しているのは私たちではありません。私たちはホテル事業や飲食事業のプロとなる立場ではなく、そうした事業を営んでいる皆さんが求めていることを実行し、そうしてエンドユーザーである一般のお客様に喜んでいただけるよう、持てる力を動員すべき立場なんです。

[12]過去に体験した最大の試練やストレッチされたご経験について教えてください

最も印象的な試練やストレッチというと、一休に入ってきた時がそれに当たります。コンサルティングファームから事業会社に転職した経験者は周囲に数多くいましたので、そうした諸先輩がたからは「すぐに結果は出ないけれども頑張れ」と言っていただいていました。

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特にアリックスパートナーズ時代の先輩である古市知元さん(現サマンサタバサジャパンリミテッド取締役)からは、「誰よりも手を動かし、誰よりも長時間働く。そういうことの繰り返しをしていくしかない」と言われました。

予算を立て、達成する喜びを求めて黙々と働く。そうすればある日シーソーがパタンと動く。「誰だ、こいつは?」だった目線が、「こいつの言うことは正しいかも」という評価に変わるのだとアドバイスされました。ですから、日々揺れ動く結果や信頼度のシーソーを、動かすまでは頑張るぞと心に決めて取り組みました。

[13]経営者を志す者には、どのような努力や学びが必要でしょうか?

若いかたにおすすめしたいのは、キャリアプランのようなものを、細かに思い描くのではなく、10年単位くらいで目標を持つことです。私の場合で言えば、20代は関心を持ったことに次々と挑戦し、30代はキャリアチェンジをして経営者の近くで働かせてもらい、40代になって事業のエグゼキューションを自ら行う、という変遷を経てきました。

また、元コンサルタントとして、現役の若いコンサルタントにお伝えしたいのは、「もしも事業会社で成長をしたい」と願うならば、元コンサルタントがすでに大勢いるような大企業ではなく、中規模までの企業のほうにこそオポチュニティがあるんだということです。

[14]今までに影響を受けた先輩や師匠といえるかたはいらっしゃいますか?

やはり先代社長の森正文さんです。「いいじゃん、いいじゃん」の口癖とともに、社員を大きく育てて、良い組織を作ったその手腕は真似をしたくてもできませんが、まわりの人たちにやる気を喚起させる力は、大いに勉強になりました。

[15]キャリアの成功とは「計画的に努力して成し遂げるもの」でしょうか? それとも、「偶然や人との出会いなど、運が影響するもの」だとお思いですか?

私は運に恵まれ、後者寄りのキャリアパスを歩んできたと思っていますが、やはり一定の計画は持つべきでしょう。13番目の質問にお答えしたように、10年単位くらいのざっくりとした目標を持っておくべきだと思うんです。

[16]なぜ起業ではなかったのでしょうか?

もしもスタンフォードを卒業する時にドリームワークスなど、グラフィックス関連の企業に入っていたら、あるいは多くのスタンフォード卒業生が勤めているGoogleなどに入っていたら、まったく違った道を歩んだのでしょう。

起業する可能性もあったかもしれません。けれどもBCGに入社し、コンサルタントとして働き始めたことで、今あるビジネスや企業に関わっていく立場になりました。ここでの分かれ道の選択で大きく変わったのだと思います。

[17]特別な信条やモットー、哲学などをお持ちですか?

特に長年胸に抱えているような座右の銘はないのですが、最近出会ったジャック・マー(アリババ創業者)の言葉を気に入っています。「リーダーは自分の感情をコントロールしなければならない。多くの場合、怒ることは無能の表れでしかない。合理的な感情のコントロールは和やかで安定したチームを作るのに役立つ」......私のような人間には、非常に良い戒めになると思っているんです。

[18]経営者となった今、何を成し遂げたいとお考えでしょうか?

一休のようなインターネットを通じたビジネスは、常に成長していかなければいけない宿命があります。経営における成長とはつまり、去年の自分たちと戦うということ。それゆえに、失敗を恐れず、どんどんチャレンジしていく集団にしていきたいと心に誓っています。

[19]現在のポジションを去る時、どういう経営者として記憶されたいですか?

「良い会社にしたね」と言われたいのですが、すでに良い会社なので、「強い会社にした人だったね」と言われたら嬉しいです。

[20]20代、30代のビジネスパーソンにメッセージをお願いします

経営者の仕事というのは、責任は重いし、寝ても覚めても会社のこと、ビジネスのことを考えなければいけないわけですが、それを「いいな」と思い、やりがいを感じられると思えるのならば、ぜひチャレンジしてください。やらされ感のない素晴らしい仕事です。

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