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PEファンド新規就業者データ

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こんにちは。キャリアインキュベーションの山口です。

大型案件の実行や投資件数の増加、新ファンドの設立等、引き続きPEマーケットは成長を続けており、近年においては、特にESG(環境、社会、ガバナンス投資)の観点で投資候補先を評価し社会的なインパクトをもたらしたり、DXの観点をバリューアップに取り入れるといった取り組みが広がるようになりました。

さて、今回はそんなPE業界を目指す方向けに、直近1年間(2022年4月-2023年3月)の新規就業者のリサーチ結果をお伝えしたいと思います。

外資系PEファンドの新規採用者(アナリスト~シニアアソシエイト)19名、日系PEファンドの新規採用者(アナリスト~ヴァイスプレジデント)49名の計68名に関して、公表されている情報を基に弊社が独自に数値をまとめました。
タイトルは、各ファンドや社会人歴によりアナリスト~ヴァイスプレジデントの間で異なりますが、PE投資担当者の若手採用枠におけるリサーチとご理解いただけますと幸いです。

今回は、経歴、学歴の切り口で数字をまとめております。
経歴は、前職の経歴を対象(※1)に集計、学歴は東京大学、京都大学、国公立大学(※2)、慶應義塾大学、早稲田大学、私立大学(※3)、海外大学、出身大学不明に分類し、集計を行っております。

外資系PEファンド新規採用者に関するデータ

経歴
新規採用者のバックグラウンドを細かくカテゴリー分けしたところ下記のような結果となりました。
外資系PEファンド新規採用者に関するデータ:経歴

外資系戦略コンサルと外資系投資銀行が同人数で最多、日系証券の投資銀行部門が次に多い結果となりました。女性の採用は19名中4名となっており、バックグラウンドは、事業会社、FASと総合商社となっております。事業会社の方は、前々職が外資系戦略コンサル、総合商社の方は、M&A関連のご経験を積まれていらっしゃいました。

全体の64%が、外資系投資銀行、外資系戦略コンサルを占めており、引き続き特定のバックグラウンドに採用が固まっている傾向が見受けられます。一方で、近年ダイバーシティの観点で各社女性の採用を意識されていることもあり、女性の候補者に対しては特定のバックグラウンド以外であっても、スキルの親和性があればターゲットを広げ採用されているように見受けられます。

学歴

次は、出身大学やMBAホルダーの数を見ていきたいと思います。
外資系PEファンド新規採用者に関するデータ:学歴

東大、京大、国公立、早慶、海外大学のみでした。MBA保有者は2名で、これまで同様に、中途採用においてはMBA取得が必須ではないようです。

日系PEファンド新規採用者に関するデータ

経歴

日系PEファンド新規採用者に関するデータ:経歴

昨年度同様ですが、外資系PEファンドと比較すると多様なバックグラウンドを採用対象としていることが見て取れます。投資、FA経験者という枠(FAS、日系証券の投資銀行部門、PEファンド経験者、外資系投資銀行)でみると、全体の47%、コンサル経験者(総合系コンサル、外資系戦略コンサル、その他コンサル)でみると全体の29%を占めているという結果でした。

尚、これまで同様に、総合系コンサルはM&Aに係る戦略PJのご経験者、FAS・日系証券の投資銀行部門は、M&Aアドバイザリーのご経験者が殆どでした。その他は弁護士事務所、VC、M&A仲介のご経験者、総合商社は事業投資に係るご経験者でした。
例年通りM&A関連のご経験を軸に、バックグラウンドの多様化が進んでいるように思います。
尚、女性の採用は、49名中2名と昨年度同様にかなり少数でした。

学歴

日系PEファンド新規採用者に関するデータ:学歴

全体の73%が東大、京大、国公立、早慶でした。MBA保有者は4名でしたが、ご経験としてはPEファンドの採用ターゲットとなっている戦略コンサルティングやM&Aアドバイザリーのご経験者でした。

以上、ここまで外資系および日系PEファンド在籍者の経歴・学歴をお伝えさせていただきました。

マーケットとしては、2023年6月現在、弊社PEファンドクライアント84社のうち58社が若手投資担当を募集中で、求人数自体は多い状況です。
直近1年の採用実績としても昨年度同様に、外資PEファンドは外資系投資銀行、外資系戦略ファームがメインターゲットとなっており、これまでの傾向と大きな変化は見られませんでした。一方で、日系PEファンドは、PEファンド自体の数が増加し採用マーケットにおける競争が激しくなってきていることを背景に、引き続き外資系PEファンドに比べると若干ターゲットが広がってきている印象です。一方、日系PEファンドであってもやはりM&Aに関連する経験を何かしら求められています。

採用ターゲットのバックグラウンド多様化、求人数も増加傾向とPEファンドを目指す方には追い風があるものの、選考において求められる期待値は緩和されてはおらず、これまで通り、財務モデリングやケース面接等の選考準備が重要です。弊社では、選考対策コンテンツのご提供が可能ですので、もしPEファンド転職にご関心がございましたら、是非ご相談ください。

(業界全体を集計した経歴・学歴データはこちら

(※1)直近の職歴のみで分類。例えば投資銀行、戦略コンサル、PEファンドという経歴の方であれば、バックグラウンドは戦略コンサルに分類。
(※2)東京大学、京都大学を除く、国公立大学
(※3)慶應義塾大学、早稲田大学を除く私立大学
(※4)政府系ファンド出身者も含む

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プロフィール

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マネージングディレクター 佐竹勇紀

キャリアインキュベーションにて、プライベート・エクイティ業界(プロフェッショナル及び投資先経営幹部)の採用/転職サポートを中心に活動中。 プライベート・エクイティ ファンドの投資プロフェッショナルはMDクラスからアナリストまでを網羅的にカバーし豊富な実績がある。
投資先経営幹部はCEO、CFOといったプロ経営者の支援実績が豊富。 キャリアインキュベーション参画以前は、大手人材紹介会社の金融部門にて就業。

ディレクター 山口 彩

キャリアインキュベーションにて、PEファンド、メザニンファンドの投資フロント及びミドルバックの転職サポートを専門に担当。
キャリアインキュベーション参画以前はブティック型のエージェントにて金融機関(保険会社・銀行・証券会社・不動産ファンド)の人材紹介に従事。
それ以前は生命保険会社にて就業。

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