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画像:株式会社PROSPER

プライベート・エクイティ トップインタビュー

株式会社PROSPER

2022年に「日本を元気にする」を掲げ、外資系金融機関やスポーツビジネス経験を持つ立花陽三氏によって創業されたPROSPER。Plan・Do・Seeとの協業により、金融と日本のおもてなしの両面から、地方の潜在的な魅力を引き出すバリューアップを強みに中小企業を支援している。「情熱のPEファンド」と自らを称するように、独自の投資哲学を持ち、約176億円の1号ファンドにとどまらず、今後はファンドのシリーズ化も視野に入れる。PROSPERが描く日本の未来とそこに至る道のりについて、立花氏をはじめとする3名にそれぞれの立場から語ってもらった。

立花 陽三氏 代表取締役
地域活性化に特化したPEファンドとして、金融と日本のおもてなしのプロフェッショナルが集まるPROSPER。2022年に立ち上げた1号ファンドは2024年9月時点で3件の投資実行を公表し、さらに今後は2号ファンドの組成にも意欲的だ。日本の地方創生への期待が高まるPROSPERのコンセプトや未来像について、代表取締役の立花陽三氏に話を伺った。

金融からスポーツ、そして地方創生へ

まずは立花様のキャリアについて、詳しくお聞かせください。

【立花】学生時代に注力していたラグビー部の先輩の影響で、ファーストキャリアではソロモン・ブラザーズ証券を選択しました。その後、ゴールドマン・サックス証券に転職し、主に債券営業を担当。最後の2年間ほどは戦略投資部門で働き、不良債権の買い取りや事業再生などに携わりました。約10年間ゴールドマンで働いた後、メリルリンチ日本証券に2年間勤め、計17年間ほど外資系金融機関で過ごしたことになります。

その後、楽天の代表取締役会長兼社長最高執行役員・三木谷浩史氏に誘いを受け、楽天野球団の社長に就任。東北楽天ゴールデンイーグルス、ヴィッセル神戸の経営、そして台湾のプロ野球チームである楽天モンキーズの立ち上げなど、スポーツビジネス全体を統括しました。

2021年に楽天野球団を離れた後、最初に声がかかったのが宮城県にある「廻鮮寿司 塩釜港」の事業承継でした。オーナーがご高齢になり、事業を引き継いでほしいという依頼を受け、個人で譲り受けることにしました。

そこから地方創生への思いが強くなったのですか。

写真1:PROSPER/立花 陽三 氏

【立花】はい。楽天野球団時代に仙台で約10年間暮らした経験から、東北の課題が見えてきていたのです。具体的には、少子高齢化はもちろん、震災の影響もあり、観光業のインバウンド需要も東北は伸び悩んでいました。様々な人と話し合う中で、海外企業や大企業の誘致など、国レベルでできることがある一方で、「私にできることは何か」を考えました。

私が球団社長になった当時、平均観客動員数は1万4,000人ほどでした。それが最後の年には平均2万6,000人まで増やすことができた。これは東北の方々に球団を好きになってもらうために、様々な施策を行った結果です。

例えば、東北各地のお祭りに参加し、地域の方々とコミュニケーションを取りました。東北の子どもたちが小学生になるタイミングで、楽天イーグルスのキャップのプレゼントもしています。そのような地道な活動を続けることで、ファンが増えていったのです。

この経験から、地域に根差した活動の重要性と、そのポテンシャルを感じました。私自身、経営者として大きく成長させていただき、東北に恩返しがしたい、地方に恩返しがしたいと強く思い、地方を元気づけるような投資ができるファンドを作ろうと考えたのです。

「ワクワクするファンド」PROSPER誕生の背景

PROSPERの特徴について教えてください。

【立花】私たちは「日本を元気にする」をコンセプトに掲げ、BtoCビジネスを営む中小企業への投資に注力しています。タッグを組むPlan・Do・Seeの得意分野である日本のおもてなしやホスピタリティを発揮できる領域の企業から、地域活性化を進めていきます。現在は、宿泊等の観光業、外食業、食品・飲料メーカー、スポーツ関連事業を中心に投資検討・実行を行っている状況です。

私たちは単にお金を投資するだけでなく、その地域全体を盛り上げていくことを目指しています。例えば、ある地域に100か所の旅館があり、そのうちの1か所だけが良くなっても意味がありません。私たちが投資し、経営支援した旅館を中心に、周りの旅館や観光施設も良くなっていくような波及効果を生み出したいと考えます。

他のファンドとの差別化はどのように考えていますか。

【立花】差別化はあまり意識していませんが、独自の路線を進んでいるとは思います。我々が実現したいのは、「ワクワクするファンド」。子どもの頃、町のお祭りに行くときのワクワク感、ナイターゲームを観に行ってライトに照らされた野球場の階段を上っていくときの高揚感。そのような五感に残る経験を、より多くの人に体験してもらいたい。そしてその空間をつくるのが、投資先の皆様です。そこに貢献することが私たちのミッションです。

日本のポテンシャルを引き出す――PROSPERが目指す地方創生の形

特に地方にポテンシャルを感じている理由は何でしょうか。

【立花】日本には各地に素晴らしい特産品や文化があります。例えば、栃木のいちご、山梨のぶどう、長野のりんご、新潟の米......。これほど地方各地が多様な魅力を持つ国は世界的に見ても珍しいでしょう。ただ、地方の多くの人がその魅力に気づいていないのです。

例えば、新潟のある酒蔵では、大吟醸を作る際に米を丸く削ることで品質を上げています。しかし、それを全く宣伝していないのです。「飲めばわかる」とおっしゃるのですが、よほど普段から飲み比べをしている人でない限り、そのこだわりや品質の良さは伝わりません。こういった隠れた魅力を引き出し、世に打ち出していく、伝えていくことが私たちの役割です。

日本人の謙虚さは素晴らしいのですが、時にはそれが邪魔をすることもあります。本当にいいものやサービスを提供しているのであれば、適正に価格を上げたり、デジタルを活用して業務効率を上げたりしていく。その手段を考え、投資先に伝えながら、よりよい地方を創っていきたいと思います。

具体的な地域活性化の取り組みの例はありますか?

【立花】PROSPERとしての事例ではありませんが、私が個人で取り組んでいる「廻鮮寿司 塩釜港」の例をご紹介します。多くの人は、マグロといえば東京の築地や豊洲を思い浮かべますが、実は宮城県の塩釜港が、本マグロとして知られる生鮮クロマグロの水揚げ量日本一となっています。

しかし、これがあまり知られていないので、私たちは銀座の一等地に出店し、塩釜のマグロの素晴らしさを伝えようとしています。さらに、国会議事堂内の食堂にも出店する予定です。政治家や秘書の方々に塩釜のマグロを知ってもらい、地方の魅力を伝えたいと考えています。

日本には素晴らしいものがたくさんあります。それらを「宝」だと私は思っているので、適切に発信していきたいと思います。

地域全体を"熱く"元気にする存在たれ

今後のPROSPERの展望をお聞かせください。

写真2:PROSPER/立花 陽三 氏

【立花】まずは1号ファンドで投資家の皆様にしっかりとリターンをお返しすることが重要ですので、1件1件丁寧に投資を行っていきます。その上で、地域を元気にする取り組みをもっともっと加速させるため、2号ファンドに向けて準備を進めていきます。1号ファンドの経験から、投資の余地がまだまだあると感じています。

例えば、VCや不動産開発なども2号ファンドでは視野に入れて、それぞれの専門性を持った人材を迎え入れることも構想しています。ただし、地方創生という軸はぶらさずに、日本のポテンシャルを信じて、地域を元気にする活動を続けていく所存です。

私たちのビジョンは、このコンセプトのファンドをシリーズ化していくことです。1号ファンドの約176億円だけで地域が全て変わるとは思っていません。もっとお金も、時間も、人も必要です。だからこそ、2号、3号と続けていきたいと考えています。

最後に、どのような人材を求めているのか教えてください。

【立花】クリエイティビティを持った人材を求めています。与えられた仕事をこなすだけでなく、「どうすればみんながハッピーになれるか」を考えられる人。数字の分析はAIでもできますが、実際に現場に行き、目で見て感じ、新しいアイデアを生み出せる人材が必要です。

そして何より、仕事を楽しめる人ですね。先ほど申し上げた"野球場に行くときのようなワクワク感"を持って仕事に取り組める人を歓迎します。投資先が輝いてくれることで、その波及効果で周りの店舗や企業も輝いていき、地域全体が元気になります。

まだ創業間もないベンチャーフェーズのファンドですが、その分会社の成長と投資先の成長を同時に実感できるという面白みがあります。「経済的なリターンの追求だけではなく、地域全体の活性化を目指す」という私たちのミッションに共感し、一緒に"熱く"取り組んでくれる人材を待っています。

プロフィール

写真:立花 陽三 氏

立花 陽三 氏
株式会社PROSPER 代表取締役

ソロモンブラザース証券にてキャリアをスタート。
ゴールドマン・サックス証券 債券営業部および戦略投資部 マネージングディレクター、メリルリンチ日本証券 常務執行役員を歴任。
その後、楽天野球団 代表取締役社長に就任。楽天ヴィッセル神戸 代表取締役社長も兼任。お客様の声を第一にした経営スタイルで、スポーツビジネスの価値向上と収益力アップを手掛ける。
2021年末に各職退任し、2022年4月 PROSPER を設立、代表取締役に就任。
2022年には、事業承継として相談がきた、廻鮮寿司 塩釜港(宮城県塩竈市)の会社社長に就任するなど、公私共に地域を盛り上げる取り組みを行っている。

写真:佐藤 公春 氏

佐藤 公春 氏
株式会社PROSPER パートナー 取締役 (投資担当)

富士銀行 (現みずほFG)、アーンスト・アンド・ヤング (現EYストラテジー・アンド・コンサルティング)の後、シティグループ・プリンシパル・インベストメンツにてコーポレート投資部門ヴァイスプレジテントを務める。
その後、ゴールドマン・サックス証券 戦略投資部およびマーチャント・バンキング部門ヴァイスプレジデント、きずなキャピタルパートナーズ 投資部門パートナー、ジャパン・インダストリアル・ソリューションズ 投資部門マネージングディレクターを歴任。
20年間に渡り、自己勘定投資部門、ファンドにおいて企業投資に従事する。
2022年10月にPROSPERに参画。

写真:齋藤 翔 氏

齋藤 翔 氏
株式会社PROSPER 投資担当チーム

2011年にみずほ銀行に入行後、国内支店にて中堅企業向けの事業金融を経験。2016年よりベーシック・キャピタル・マネジメントに参画し、案件ソーシングや投資検討に加え、自動車部品加工会社や通訳サービス会社、テストエンジニアリング会社のバリューアップに従事。
2020年からはマネーフォワードにて、M&A及び資本提携業務を推進。保険代理店業のグループ化を担当し、ハンズオンでの経営支援に携わる。
2023年9月にPROSPERに参画。

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