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株式会社サーチファンド・ジャパン

2022年に地方銀行からシニアマネージャーとしてサーチファンド・ジャパンに参画した、神戸紗織氏と日本政策投資銀行でサーチ ファンド・ジャパンの立上げに関与し、2023年より出向している、新實良太氏にサーチファンド・ジャパンのリアルな仕事内容、やりがいやカルチャーについて伺った。

【佐竹】まずはお二人それぞれ自己紹介をお願いします。

【神戸】神戸紗織(ごうどさおり)です。サーチファンド・ジャパン(以下、SFJ)には2022年7月に入社しました。前職では地方銀行で主に法人融資業務に従事していました。

SFJ社長の伊藤が日本初のサーチャーとして、事業承継された会社の経営者をされていた時に、私が銀行員としてその会社の融資担当だったのが転職の間接的なきっかけです。融資担当を外れた後も友人としてたまに近況報告をする関係が続いており、私自身が「もう少し経営者の近くに寄り添った仕事をしたい」「融資だけではなく投資の経験も積みたい」と考えていた時に、伊藤がファンドの業容拡大を考えているとのことでタイミングが合い、転職することに決めました。

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【新實】新實良太(ニイノミリョウタ)と申します。私は新卒で日本政策投資銀行(以下、DBJ)に入行後、法人営業に従事した後、新卒採用チームを経て、直近までは地方銀行や事業会社と一緒に作ったファンドでメザニンおよびバイアウト投資業務を行っていました。

SFJには創設当初から関与をしています。DBJ内で地域の活性化のためにサーチファンドの立ち上げについて検討していたチームがありました。自分自身が地方出身であり、学生時代に地域活性化の活動をライフワークでやっていたこともあり、自分がやっていきたいことと一致していたのでそのチームに参画しました。現状はDBJからの出向でフルタイムメンバーとして働いています。

【佐竹】ありがとうございます。新實さんは、投融資の経験をお持ちですが、一般的なPE投資業務とSFJでの業務に何かギャップはありましたか。

【新實】投資スタンスについて良い意味でギャップがありました。通常のPEファンドは投資リターンを追って投資検討しているイメージですが、SFJの場合、リターンに加えサーチャーの想いや経験をすごく重視しながら投資しているなと思います。人の血が通った投資検討をしているという点が関与前後で感じたギャップかなと思っています。

【佐竹】神戸さんは融資のキャリアが中心で、投資分野は初めてだったと思います。入社前の不安や入社前後でのサーチファンドや投資ファンドの印象の変化はありますか?

【神戸】正直入社前は「業務についていけるのか」とても不安でした。ただ、実際入社して伊藤やメンバーに色々教わりながら投資案件を進めていけたのでしっかりとキャッチアップできましたし、前職で自分が携わってきた中小企業支援の経験はSFJの仕事でも活かせる部分がとても多く、不安も徐々に解消していきました。

【佐竹】先ほど、伊藤さんからは、サーチファンドの仕組みは、サーチャーが主役だと説明がありました。そうすると、SFJの人は何をしているのか疑問が湧いてきます。SFJでのお二人の業務内容を教えてもらいますか。

【神戸】大まかに言うと、サーチャーが投資案件を探してきて投資するまで全てに「伴走」しています。サーチャーの多くはM&Aに慣れていないので、プロセスマネジメントが大きな役割の一つです。
また伴走とは言いますが、投資判断はファンドの担当として一緒にやりますし、投資の実務もサーチャーと役割分担してやっています。経営フェーズも同じように常に伴走しながら、サーチャーが意思決定する壁打ち相手になり、感覚的には一緒に会社を経営しているようなイメージです。

【佐竹】最初から最後まで投資担当の方がサーチャーに伴走するスタイルなんですね。投資実務の内容について、具体例をお聞かせ頂けますか。

【神戸】印象に残っている、Aさんというサーチャーの事例をお話しします。
SFJでは社員とサーチャーで1対1のバディを組んで案件を進める形をとっています。
Aさんは、私が初めてサーチャー面接から投資実行まで全部一緒に携わらせていただいたサーチャーなので、すごく印象に残っています。

特に印象的だったのは、Aさんが意向表明を提出するときの議論です。Aさんは2社同時に検討していた会社があったのですが、意向表明の提出は1社に絞る必要があり、すごく悩まれていました。一方の会社は、Aさんにとってはライフワークとして一生やりたい気持ちがある、ただ会社を伸ばせるイメージがつきづらい。もう一方の会社は業績も伸びており、かつ、Aさんの経験が活きそうな会社でした。Aさんは、ご自身の気持ちと投資適格性を天秤にかけながらすごく悩まれていました。

私としては、SFJが主導して投資先を決めるのは違うと思い、丁寧にAさんとはコミュニケーションを取って、感情も含めて色々お話をしながら、それぞれの案件に関して検討を進め、最後はAさんに選択していただきました。

その後Aさんからは「やっぱりこっちを選んでよかった」と言ってもらえましたし、いま振り返ると良い判断だったと思います。悩みに一緒に向き合って、話し合いながら決めたという進め方はサーチファンドならではかなと思います。

【佐竹】それはサーチファンドならではの事例ですね。具体的な業務についてもお聞きしたいのですが、例えば、サーチャーの方は、M&Aも未経験ですので、DDをどうするのかファイナンスをどうするのかなど、なかなか進め方も判断も難しいと思いますが、どのように対応されるのでしょうか。

【神戸】DDに関していうと、ビジネスDDは基本的に全部内製化しています。サーチャーのスキルセットを活かしていきながらSFJ担当と一緒にビジネスDDを進めています。法務、財務税務DDは外部のアドバイザーにお願いしています。外部との連携や論点整理等はSFJのメンバーがプロセスをコントロールしながら行い、サーチャーの方に最終判断をしてもらいます。

ストラクチャーはSFJ主導で考えますが、サーチャーの意見も取り入れています。SFJからポイントを丁寧に説明していくのは当然として、サーチャーにとって経営に参画した後にどのような影響があるかを想像してもらうことが大事だと思います。内容を理解していただき「経営上どんな影響があるか理解しておきましょう」といった感じで、噛み砕いてお伝えしていきました。

【佐竹】なるほど、それはSFJならではの仕事ですね。面白みであり、大変なところでもありそうですね。新實さんは業務で思い入れのあることや面白味を感じた点はありますか。

【新實】私はフルタイムメンバーになってから5か月程度ですので、クロージングまで至った案件はなく、数名の担当サーチャーと一緒に意向表明の提出前後まで数件進めました。その際も、通常のPEファンドと同様、ビジネスモデルを検証し、財務モデルを組んで、投資の見立てを立てていくわけですが、サーチャーとそのプロセスを進められることは、サーチファンドならではの面白さだなと感じています。

自分は金融出身なので、金融の観点から投資の見立てを立てていくことが多いですが、サーチャーは事業会社出身の方が多いので、事業サイドの見立てから数字を立てていく発想で、観点が少し違うんですよね。その異なる観点を掛け合わせて投資の見立てを立てていくのは非常に勉強になりますし、投資検討のスピードも確度も高まっていくように感じます。

【佐竹】逆にサーチファンドならではの難しさはありますか?

【新實】サーチファンドならでは、というわけではないですが、我々は中小企業に投資をしているので、上場企業のように社内データが豊富にあるわけではありません。限られた情報から投資判断をするのは、中小企業投資の難しさであると感じています。ですので、投資の見立ての検証方法はかなり議論するポイントです。また、事業上の経験値も重要になると考えていますので、サーチャーとSFJの経験値を持ち合いながら投資の見立てを創っていくよう努めています。

【佐竹】お2人のエピソードを聞いていると、担当者とサーチャーで業務が完結しているように思いますが、伊藤さんはどのように案件ベースで関わっているのでしょうか。

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【神戸】基本的には、担当者と一緒に案件を検討しています。伊藤さんはラージキャップのPEでの経験や、ご自身が中小企業の社長を務めた経験がありますので、経験を活かして議論を整理頂いたり、次に起こり得そうなことを助言頂いたり、一緒には検討しているものの、一つ上のレイヤーで案件全体を俯瞰して見ているイメージです。

【新實】とはいえ、席も全員並べて平場で仕事をしているので、何かあれば細かいところも含めて、すぐに気楽に相談できる関係性ですね。特に気を遣うことなく、親身に相談に乗っていただいています。

【佐竹】その他の関係者としては、株主とのかかわり方も詳しくお聞かせいただきたいです。SFJは、日本政策投資銀行(DBJ)、日本M&Aセンター(JMAC)、キャリアインキュベーションが株主で入っていますが、彼らとのコミュニケーションはいかがでしょうか。

【神戸】まずいえるのは、株主の意向で意思決定が左右される、ということは全くないです。投資委員会のメンバーには株主の方々も入っていますが、あくまで投資としての案件の是非を議論できています。また、株主の各社から何名かが兼務メンバーで入っていただいていまして、各社の仕事をしながらSFJの仕事も手伝っていただいています。それぞれ各社の知見を持ち合って、サポートをしてもらえている体制が整っていると感じています。

【佐竹】そうすると、親会社の意向でいろんな意思決定が反映される、ということはないのでしょうか。

【神戸】はい、ほぼ無いに等しいと思います。ですので、我々は独立して、やりたい仕事をできていると感じています。

【佐竹】ありがとうございます。次にSFJでの働き方について教えてもらえますか。

【新實】ディールがなかったり、投資後半年ぐらい経った平常時は、非常にホワイトな環境でして、17時18時には退社することが多くなりますね。投資先への往訪も月に1回程度まで落ち着いてきます。

【佐竹】ディール中はどうでしょうか。

【神戸】忙しいのは忙しいです。朝から晩までディールのことを考えることになります。ただ、SFJの良いところは、サーチャーと一緒に検討を進めるので、タスクもマインドもシェアしながら2人3脚でプロセスを進めることができる点です。また、伊藤も含め、みんなで案件を進めている感じがあるので、1人で抱えて不安、みたいなことは一切ありません。加えて、「分析のための分析は止めよう」、と常々伊藤が言っていまして、投資判断の上で、重要なファクターになり得る本質的な議論を行っているので、自分の仕事が徒労に終わる、ということもないです。

【佐竹】PMIフェーズに入るといかがですか?

【神戸】基本的にはサーチャーが経営者として経営をしていくことになりますので、エグゼキューション時と比較すると、自分が主導で何かを進めていかなければいけないことは一気に減り、フィジカル的な余裕はかなり生まれます。ただ、サーチャーが投資先にソフトランディングできるように、100日プランは綿密に計画して実行していきますし、投資先へも週1程度で通い、投資先の従業員の皆さんとコミュニケーションを取っています。サーチャーもいきなり1人で経営していくのは不安だと思うので、メンタルケアや壁打ち相手も含めて、PMIフェーズもサーチャーとは綿密にやり取りしています。PMIフェーズがひと段落すれば、先ほど新實さんが仰っていたような日々に戻りますね。

【佐竹】なるほど、よくわかりました。続いて、SFJで働く中で、大事にしていることやSFJのカルチャーについて教えてもらえますか。

【神戸】関係者すべてにフェアであろう、という精神は非常に重要視しています。自分たちが投資でリターンを得られれば良い、ということではなく、サーチャーの幸せはもちろん、関係者全員の幸せの上に成り立ったリターンだよね、ということは非常に意識しています。

【新實】我々がサーチファド業界をリードする存在であろう、ということはとても大事にしています。そのために、1つは投資家としてプロフェッショナルでなければいけないと考えており、ファイナンスの面でもビジネスの面でも、自分自身の引き出しも広げながら、常に最善の判断ができるよう心がけています。それだけではなく、サーチファンドがどうやったら日本に定着するか、サーチファンド事業を通じてどんな社会にしていきたいか等、青臭い議論も恥ずかしげなく本気でできることが、フロンティアを開拓していくうえで大事な精神だとも思っているので、この2つの要素を持ち合わせながら仕事をしていくことはとても大事にしていますね。

【佐竹】SFJ自身も設立してまだ数年ですが、チームの雰囲気はどうでしょう。

【神戸】ベンチャー感はとてもあると思います。バックオフィス業務も伊藤含めて全員で手を動かしてやっていますし、ミッション・ビジョン・バリューの構築や投資ポリシーの見直しなど、まさに会社創りを1から自分たちでやっている感覚が非常に強いです。

【新實】神戸さんの言う通りですね。補足すると、意思決定やアクションがものすごく早い事が特徴です。アクセル踏むときは全力で踏み込んでスピード感以て物事を進められているのは、ベンチャーならではの面白味だと思います。

【佐竹】逆に言うと、投資プロセスだけやりたい、という人はあまりSFJに向かないのでしょうか。

【新實】そうですね。会社創りやマーケット創りも含めて、手を動かしながら楽しんでいただける方の方が合うのかな、と思います。

【佐竹】SFJ自体を創っていく、という面白味も味わえるフェーズなのですね。そういう意味ではサーチファンドという業界自体、これから発展期に差し掛かっていくのだと思うのですが、サーチファンドのビジネスの将来性や発展性についてはどうお考えでしょうか。

【神戸】今の日本は本当に事業承継問題や後継者不足の問題が声高に謳われていますし、私が前職の時からひしひしと感じていました。

一方で、志や思いを持って経営者になりたい、という方々も少なくないんだなと、この仕事をしていて強く感じまして、後継者不在で悩む中小企業と、思いを持った経営者候補の掛け合わせによって、日本の問題を一つ解決できると考えており、この事業を通じて、もっと世の中は素敵な世界になっていくんじゃないかと考えています。そのためには、伊藤もお話しした通り、我々が手掛ける案件を1つ1つ実直に成功に導き、事例を作っていくことが今大事なフェーズだと考えています。

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【新實】これも伊藤がお話ししたと思いますが、30年前って起業って当たり前じゃなかったですよね。今は、VC業界も発展して、起業家になりたい、という若者もたくさん増えてきて、起業家、というアントレプレナーシップの形が皆の憧れの職業になりました。

サーチャーもそんな皆の憧れの職業にしたいと強く思っており、起業家ではない、新たなアントレプレナーシップの形を創っていけたら、と考えています。VCが起業家の後押しをしたように、我々のようなサーチファンドモデルで投資をするファンドが、サーチャーの後押しをしてエコシステムを創り、10年後、20年後に、サーチャーという1つのアントレプレナーシップの形が日本に根付いて、日本の経済の発展を率いていく存在になることを、本気で目指しています。

【佐竹】ありがとうございます。最後に、SFJにどんな人が来てほしいと考えているか教えて下さい。

【新實】投資というとロジカルな発想や、投資の見立てを立てていくためのスキルセットは大事ではあるんですが、それ以上に、人の成功を本気で応援できるような人に来てほしいなと考えています。サーチャーの気持ちに寄り添いながら仕事ができるのが一つの面白味ですし、そんなところも楽しみながら仕事を進めたい人には面白い会社だと思います。

【神戸】サーチャーといろんな事件や感情を共有しながら物事を進めていくところがすごく面白いなと感じています。経営参画した後も、良い時、悪い時、いろんなことが起こるのですが、サーチャーという一人の経営者と伴走しながら一緒に乗り越えていく経験は、何にも代えがたい経験です。口出しだけではなく、一緒に頭を悩ませたり、時には一緒に手を動かしたり、そんなこともサーチャーと共有しながら、一緒に乗り越えていく、そんな代えがたい経験を、楽しめるような人と一緒にお仕事できればと感じています。

【佐竹】神戸さん、新實さん、詳しいご説明ありがとうございます。本日はありがとうございました。

プロフィール

写真:神戸 紗織 氏

神戸 紗織 氏
シニアマネージャー

地方銀行へ入行後、金融商品開発、中堅中小〜大手上場企業向け融資営業、経営企画業務、合併業務・DX推進業務に従事。2022年に当社入社。一橋大学卒、長野県出身

写真:新實 良太 氏

新實 良太 氏
シニアマネージャー

日本政策投資銀行へ入行後、法人営業、採用、金融機関/事業会社との協働ファンド投資業務に従事。2020年の当社設立当初から当社チームに参画。東京大学卒、愛知県出身

写真:伊藤 公健 氏

伊藤 公健 氏
代表取締役

マッキンゼー、ベインキャピタルを経て、日本初のサーチファンド活動。㈱ヨギーほか、中小企業への投資・支援多数。2020年当社設立、代表に就任。株式会社マクロミル社外取締役。東京大学修士(建築)、福井県出身

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