KKRは、アジア太平洋地域におけるプライベートエクイティ投資向けのファンドであるアジア3号ファンド(以下「3号ファンド」)が93億米ドルの資金調達の募集を終了したことを発表した。
英国の調査会社プレキン(Preqin)によると、3号ファンドは60億米ドルを調達したKKRのアジア2号ファンドの規模を上回る、アジア地域への投資を行う最大のプライベートエクイティファンドとなっている。3号ファンドは、公的年金や企業年金、政府系ファンド、保険会社や財団、ファミリーオフィスおよび富裕層の個人投資家などの新規または既存の投資家など、多岐に渡るグループからの強力な支援を受けている。
KKRのアジア太平洋プライベートエクイティプラットフォームでは、伝統的な経営支配権を取得する投資に加え、グロース・エクイティ投資にも対応する柔軟なアプローチを採用しており、企業価値の向上のためにKKRが持つ業界の知見や業務改善能力を活用している。
アジア地域に初の拠点を開設した2006年以来、KKRはアジア10カ国の約55の企業に対しプライベートエクイティ投資で120億米ドル超を投資してきており、当地域で最も活発なプライベートエクイティ投資企業としての地位を確立してきた。
3号ファンドの前身となるKKRのアジア2号ファンドは、2013年後半より投資を開始しており、現在では全額が投資に充てられています。2017年3月31日時点で、同ファンドのグロスベースのIRRは29.1%、マルチプルは1.5倍(ネットベースではそれぞれ20.6%、1.3倍)となっている。
KKRは自社のアジア太平洋地域におけるプライベートエクイティファンドを通じて、2010年より日本への投資を行ってきた。日本は引き続きアジア地域における重要市場となっており、KKRの日本市場への投資額は投資予定額も含め約20億米ドルにのぼる。今日に至るまで、KKRはインテリジェンス、パナソニック ヘルスケア、パイオニアDJ、日立工機、カルソニックカンセイの5つの買収を完了しており、さらにパナソニック ヘルスケアによるバイエルの糖尿病事業部門の買収も完了している。加えて、2017年4月には日立国際電気へのTOBを発表している。
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