コンサルティングファームの面接とはどのようなことを行うのか?
コンサルタントはとにかく頭の良さが第一で、それ以外は特に重要視されていないといったことを耳にすることがあります。これはコンサルタントに対する大きな誤解です。
今回は、コンサルタントとして活躍していくためには、論理的思考力以外に、どのような人物像であることが大切であるかについてお話したいと思います。
1. 基本となるコミュニケーション能力
まずとても大切なことなのですが、クライアントへの深い理解がない場合に、コンサルタントの出せる付加価値はかなり限定的なものになります。私たちコンサルタントが出す提案は、お客様に実行されて初めて価値があります。そのため、常にお客様がなぜ今それができないのか、それは単なるリソースの問題なのか、組織的な構造の問題なのか、もしくは特定の個人の問題なのか、そういった所までを深く理解した上で、提案の内容をカスタマイズしなければ、実行可能な提案にはならないのです。
そのため、以下のようなコミュニケーション能力を持っているかどうかは重要なポイントになります。
- お客様が気にしているポイントに対するアンテナの感度が高い
- 社内の人間関係なども踏まえた上で、誰に何をどのように伝えるべきかを考えられる
- 自分の意見を、お客様にとって分かり易い言葉でシンプルに伝えられる
2.クライアントから信頼される人間性
クライアントへの深い理解を得るためには、コミュニケーション能力の他にも必要となってくる資質があります。それは、以下にクライアントからの深い信頼を得て、強いリレーションを構築できるかということです。信頼感を高めるために必要なポイントとしては
- クライアントの視点に立ち、自分の問題として、解決策を提案できる
- クライアントの一人ひとりの夢を一緒に叶えたいと思って働く
- 時には、クライアントは触れたくない問題であっても、課題提起を行う
そういう積み重ねによって、「この人だったら何でも相談できる」「問題があったらまずは、あの人に連絡しよう」という信頼感が生まれてきます。
3.プロフェッショナルとしての意識
他にもコンサルタントの必須資質として、高い職業倫理感や強い責任感があります。コンサルタントが扱う情報は企業にとって極めてコンフィデンシャリティが高いものです。
情報漏洩をしないことは勿論ですが、常日頃の行動でもプロとして恥ずかしくない生活を送ることが求められます。高いフィーを払って雇っているコンサルタントが、休日にみっともない姿で泥酔しているところを見かけた場合、どのように思われるかは明白です。
また、お客様や上司から請け負った仕事をただこなすのではなく、常に期待値を超えた付加価値を提供するために、自分自身で新たな目標を設定し、それに向かって挑戦し続けるといったことが求められます。入社して日が浅いうちは、時間的な投資も多くなってしまうかと思いますが、自分のプライベートの時間を多少犠牲にしてでも頑張っていきたいという思いがない場合は、本当にコンサルタントという職業に就くべきかもう一度考えてみることをお勧め致します。
4. コンサルタントとしての強い熱意
また、コンサルティング会社の視点から見ると、数百人の中から、かなりの時間と労力をかけて採用した人に対しては、当然ですが、できるだけ長い間コンサルタントとしてご活躍してほしいと思っています。そのため、コンサルタントとしての能力だけでなく、明確なモチベーションについても、面接で聞かれることが一般的です。
面接対策として用意する志望動機だけでなく、本当に自分のキャリアにおいて、コンサルタントとして働くことがなぜ理想的なのかを是非一度真剣に考えて頂ければと思います。入社時点では、高い論理的思考能力によりエース候補として期待されていた社員が、モチベーションが続かず1年わずかで退職されることがある一方で、それほど期待されていなかった社員が、強い熱意のもと、「行動力」や「クライアントへの深いコミットメント」を通じて、素晴らしい成長を遂げられることも良くあります。