最近はコンサルタントもかなり身近な職業となってきましたが、やはり転職となるとハードルが高いと言う方も多いと思います。特に、コンサルティング業界未経験者の方にとっては、そもそも採用されるのか、入社後にやっていけるのかという不安を持たれる方もいらっしゃると伺います。
そこで、今回は、未経験者のコンサルティングファームへの転職をテーマに書いてみます。
未経験者の採用における割合
まず、中途採用において、経験者と未経験者の比率ですが、ざっくり言うと約8割程度は未経験者となっています。意外に多いと感じられるかと思いますが、これには理由があります。
ここ数年、日本のコンサルティング市場は順調に拡大を続けています。コンサルティング市場は典型的な労働集約型産業であり、市場の拡大はコンサルタントの数の増加に直結してきます。つまり、ここ数年、国内のコンサルタントの数は順調に増え続けているのです。今後数年は、同様の傾向が続くと思いますので、引き続き未経験者に対する需要は高い状況が続くと思います。
未経験者の場合、面接で何を見られているのか?
しかしながら、需要が高いと言っても、コンサルタントへの転職が容易というわけではありません。コンサルティングファームは、採用基準を緩めてまでもコンサルタントの増やそうとはしていないからです。人材が命であるコンサルティングファームにとって、採用の基準を緩めることは、会社のブランドの棄損に直結すると考えられています。
ですので、いわゆる売り手市場というイメージは持つことなく、しっかりと準備をして面接に臨んで頂きたいです。
最近は、書店などに行けば、コンサルティングに関する書籍は山のようにあります。
それらの書籍で基本的な知識を身につけることは勿論、自分のキャリアにおいて、何故コンサルタントとして働きたいのか、コンサルティング会社に入ってどのようなことがやりたいのかという点については、時間の許す限り考え抜いて頂きたいと思います。
ただ単にケース面接の対策本を読んできた人と、上記のように深く考えてきた人の差は、面接官の立場からすると、皆様が思う以上に明確です。
未経験者の場合、何歳まで転職のチャンスがあるのか?
まず、明確に年齢の基準を設けているコンサルティング会社はあまりないかと思います。個々人の能力や適性を見た上で、ご活躍頂けそうであれば、採用するというのが基本スタイルだからです。とはいうものの、一般的には、コンサルティング未経験の場合、転職は35歳前後が一つの目安になっていると思います。
コンサルタントという職業は、一般的な事業会社と比べると、やはり特殊な職場だと思います。必要となるスキルセットや仕事の進め方は勿論のこと、必要となれば長時間労働も厭わないワークスタイルなども大きく異なると思います。
但し、冒頭に申し上げました通り、35歳を超えていらっしゃっても、前職での経験や、特定のプロジェクトとの高い親和性などを評価されることで、入社される方がいらっしゃることも事実です。例えば、総合系コンサルティングファームの場合は、IT系の事業会社の方が、40代で初めて転職されるといった話も伺います。
実際に入社をしてからの働き方
未経験者の方の場合、入社するとまずはコンサルティングの基礎スキルを学ぶための研修を受けることが一般的です。研修の内容自体はコンサルティングファームによっても異なりますが、ロジカルシンキングや、仮説思考、コンサルタントとしての働き方の基本等を数週間かけて学びます。
研修が終わると、早速プロジェクトに入ることになります。最初のプロジェクトでは、事例の収集や、簡単な分析業務などのコンサルタントとしての基本的なスキルが求められるタスクが与えられることが一般的です。
どのようなプロジェクトに入るかは、最終的にはお客様がいるかいないかで決まってしまうのですが、比較的規模の大きなファームの場合は、並行して複数のプロジェクトが走っているので、前職の経験等を考慮して、活躍しやすいプロジェクトに着くことも多くなります。
求められるハードルが高いため、入社後すぐにご活躍をすることは難しいかもしれませんが、未経験で入社された方の多くが各ファームのマネジメントとして活躍されていることも事実です。短期的な視点でなく、中長期的な視点で活躍の機会を探してみて下さい。
結論
以上の通り、未経験者の方がコンサルティングファームで活躍するチャンスは、ますます広がりつつある状況です。ご関心がある方は、是非転職エージェントにまずは相談してみることをお勧めします。