コンサルティングファームへの転職を考える際に、特にコンサルティング業界が未経験の方の場合、今の年齢で本当に転職できるのかという疑問を持たれる方もいらっしゃるかと思います。そこで本日は、年齢別の転職のポイントについてお話します。
新卒と中途採用者のコンサルティングファームでの割合
まず、新卒採用者と中途採用者の数でいうと、中途採用者が中心となることが一般的です。具体的な数値は、コンサルティングファームの種類や企業ごとにも異なりますが、戦略ファームの場合は、7割~8割程度が中途採用者という感覚です。
そして、中途採用者の内、以前コンサルティング業界で働かれていらっしゃる方は、2~3割程度だと思います。
つまり、約半数近くの方は、未経験での中途入社の方ということになります。
20代での転職の場合
それでは、次に年代別に、転職をする場合のポイントをご説明させて頂きます。
まずは、応募者数としては最大の20代についてです。
約3割の大学卒業者が3年以内に離職すると言われて久しい今、コンサルティングファームにも第二新卒として応募をされる方は非常に多くいらっしゃります。ファームによっては、第二新卒用の説明会なども開催されていることからも、その多さが伺えます。
一般的に、この第二新卒として採用される方の場合は、コンサルティングファームでは、新卒とほとんど同じポジションでの採用となります。そのため、求められる役割は、コンサルティングとしての基礎スキルをしっかりできるようになることです。つまり、「他社事例の調査」「アンケート等の分析」「インタビューの実施」「スライド単位での資料作成」などの業務を担うことが多いです。
面接での評価についても、今の会社での実績というよりは、何故コンサルティングファームで働きたいのか、コンサルタントとしての素養が高いかといった、新卒面接で重要視されるポイントと大きな違いはないと考えて問題ないと思います。
30代での転職の場合
次に30代の方の転職についてご説明致します。
30代の場合は、企業でも10年近く経験を積まれていらっしゃるということで、業界での経験をある程度期待されることが一般的です。新卒の方よりは、高いポジションでの入社となるため、求められる役割も、お客様と1対1で向き合い、ディスカッションやアドバイスができるようになることになります。つまり、「ミーティングの資料全体の作成」「各ミーティングの目的や進め方の設定」「ミーティングでのプレゼンテーション」等が求められます。30代で入社される方は、新卒のコンサルタントが弱くなりがちな、高いコミュニケーション力や、業界に対する深い知識を武器にご活躍されることが多いように感じます。
面接での評価についても、単なるケース面接だけでなく、今の会社での経験が、コンサルティングファームに転職後どのように役に立つのか、どのように役に立てたいのかという視点をより強く求められることになります。
尚、30代での転職の場合、MBAをお持ちの方も一定数はいらっしゃいますが、必須の要件では全くありません。新卒で入社した事業会社で10年近く働かれた後に、コンサルティングファームに転職をされ、ご活躍される方も何人もいらっしゃいます。
40代での転職の場合
最後に40代での転職についてです。
コンサルティング業界未経験で40代で転職される方は、非常にレアなケースです。
コンサルティング業界において、40代の方のポジションとしては、企業の幹部の良きパートナーとして、プロジェクトの内容は勿論、場合によってはそれらを超えた経営課題全般に関して相談を受けられることが求められます。また、プロジェクトを運営する上でも、若手から中堅までの優秀なコンサルタントを上手くマネジメントしていくことが必要です。これらの特殊なスキルを入社後すぐに期待できる人材というのは、正直に言って、極めて少ないと思います。
但し、そうした中でも、前職での経験や、特定のプロジェクトとの高い親和性などを評価されることで、入社される方がいらっしゃることも事実です。例えば、総合系コンサルティングファームの場合は、IT系の事業会社の方が、40代で初めて転職されるといった話も伺います。
年齢はどの程度意識すべきか?
今回は、年齢別の転職のポイントをご説明致しました。
20代、30代の方は、年齢自体はあまり気にすることなく、挑戦をされることが良いと思います。40前後になると、入社の門は間違いなく狭くはなると思いますが、これまでのご自身の経験を踏まえて、エージェントの方とも相談の上、親和性の高いファームへの転職を検討してみることが良いのではないでしょうか。