本日は、コンサルティングファームの生い立ちや、どのような仕事をしている業種なのかについて、ご紹介していきたいと思います。
コンサルティングファームの歴史
コンサルティングファームの歴史は古く、世界最初の経営戦略コンサルティングファームと呼ばれるアーサー・D・リトルが誕生したのは、1886年になります。
その後、現在世界No1の売上規模を誇る戦略コンサルティングファームのマッキンゼー&カンパニーが1926年に設立されたのに続き、A.T.カーニーやボストンコンサルティンググループ、ベイン&カンパニーなどの戦略系コンサルティングファームが次々と登場することになります。
特に、1973年のオイルショックを契機に企業業績が悪化する中、『選択と集中』による企業改革を提案したBCGのPPMマトリックスは多くの企業に採用されることに繋がりました。その後1990年代になると、ITによる業務改革が増えるに従い、IBMなどのIT系ファームが新たに勢力を拡大することになります。
更に2008年リーマンショック後には、会計系ファームがアドバイザリーサービスとして、コンサルティング事業を強化する動きを加速することになります。PwCコンサルティングによるべリングポイントやブーズ&カンパニーの買収、デロイトによるモニターの買収など、各社事業領域を大きく拡大することとなりました。
そうした流れに対抗すべく戦略系ファームも、デザイン会社や、ビックデータ分析事業者、アプリ開発事業者などの買収を通じ、時代の流れに沿った形で、戦略提案から実行支援まで一貫した付加価値の提供を実現できるよう進化を続けています。
コンサルティングファームではどのような仕事をしているのか?
昨今のコンサルティングファームの仕事の内容は、プロジェクトごとにかなり多様化しています。古くからある企業の中期的な戦略を策定するプロジェクトがある一方で、特定の事業テーマに応じたプロジェクトの支援もかなり増えてきています。
具体的には、サプライチェーンの仕組みの再構築や、商品のプライシング戦略の設計、特定技術を活用した新規事業策定、全社的なコスト削減施策の具体化など様々です。また、より大規模な全社的なトランスフォーメーションを支援する案件も比較的多くなってきています。
上記の通り、プロジェクトのテーマが多様化するに伴い、コンサルタントが働くカウンターパートもより多様になっています。かつては、経営層との議論が中心でしたが、事業部長の方々をヘッドとしながら、現場の社員の方々とも密にコミュニケーションを取りながらプロジェクトを推進していく機会が多くなりました。
国内においても、コンサルタントを活用することが一般的になりつつある中、これまで以上に幅広い役割をコンサルティングファームが担うことになる傾向は、今後も続くことだと思います。
コンサルティングファームに向いている方
最後にコンサルティングファームで働くことが向いている方々の特徴について、いくつか書いてみたいと思います。尚、あくまでこちらに書いていることは一部であり、下記に該当せずとも活躍されているコンサルタントの方がいらっしゃることも事実ですので、参考程度に留めて頂ければ幸いです。
● 常にクライアントの期待を超える成果を出し続けたいという想いが強い
● 休日等のプライベートの時間であっても、自ら必要と思えば積極的に仕事に時間を投下する
● 将来の自分自身の夢のためであれば、大抵の苦労や困難は乗り越えていける
● 強い信念は持ちつつも、自分に誤りがある場合は、素直に間違えを認められる柔軟性がある
● 大きな失敗をした場合でも、しっかりと反省をするものの、すぐに気持ちを切り替えられる
● 相手の視点を常に忘れず、発言の背景にある意図や相手の置かれた立場を推察できる
● 今できないことを悔やむよりも、何が課題なのかを冷静に見つめることができる
● 仕事を超えて、常日頃から、世の中の出来事に対して、自分だったらこうしたいという考えを持っている
● これまで誰も解決したことがないような難題を振られても、臆することなく、むしろワクワクしながら挑戦できる
結論
コンサルティングファームは時代の流れとともに、その役割も徐々に進化してきました。その結果、コンサルティングという仕事はますます難しくなってきていることは事実です。
一方で、現場のコンサルタントとして最近感じるのは、成長できる機会も広がり、よりチャレンジングでワクワク出来るような機会が増えてきています。これから新しく入社される皆様には、是非とも、そうした新しいコンサルティング業界を築いていって貰いたいと思います。