コンサルティングファームと一言で言っても、実は企業ごとに仕事の内容は変わってきます。
本日は主なコンサルティングファームの種類と特徴についてお話したいと思います。
コンサルティングファームの種類と特徴
①戦略系コンサルティングファーム
主に大企業や海外の企業を顧客として持ち、中期的な戦略立案から実行支援まで幅広い業務を支援します。比較的少数のプロジェクトチームで、短い場合は3カ月程度のプロジェクトを実施することが一般的です。海外出身の企業が多く、元々は国内での社員数は少なかったですが、ここ数年業容拡大に伴い、採用数は増加しています。
②IT系コンサルティングファーム
全社的な業務改革と、CRMやSCM戦略の立案と、それらに伴う業務システムの導入などに強みを持つ会社です。各プロジェクトが大規模であり、プロジェクトの期間も長くなることが一般的です。
③総合系コンサルティングファーム
その名の通りあらゆるインダストリーのクライアントに対して幅広いサービスを提供する、比較的規模の大きな企業です。各領域別に専門組織に分かれていることが一般的であり、通信、金融、製造業、エネルギー、等の"インダストリー別チーム"と、戦略、会計、IT、人事など"ファンクション別チーム"に大きく区別されます。
④人事・組織系コンサルティングファーム
組織・人事戦略策定、組織・人員の最適化、組織改革、人事制度構築、福利厚生・退職給付制度構築、年金資産運用といったサービスを提供します。最近は、コーポレートガバナンスやM&A後の経営統合での人材交流支援なども実施することがあります。
⑤財務アドバイザリー系コンサルティングファーム
財務会計・税務のアドバイザリーの他、M&Aや企業再生、粉飾決算などの不正会計調査を担当する係争分析、不動産投資のスキーム作成、売買譲渡手続き支援などのサービスを提供します。M&Aに関しては、最近はクロスボーダー案件の拡大で、英語を活用する機会も増えてきています。
⑥企業再生・事業再生系コンサルティングファーム
業績が低迷により危機的な状況にある企業に対して、財務・コスト削減などによるキャッシュ確保と、中期的な成長戦略の提案を実施します。クライアントの現場に深く入り込み、オペレーションレベルの改革を共同で進めることが一般的です。
コンサルタントの転職先
コンサルティングファームへの転職理由の一つとして、ビジネスマンとしての汎用スキルを学び、ネクストキャリアに繋げていきたいというものも良くあります。最後に、実際にコンサルタントの方がどのようなネクストステップを歩まれているのかについて、簡単に触れたいと思います。
①事業会社への転職
コンサルタントとして、深くかかわった業界の事業会社に転職される方は非常に多くおられます。特に、医療・ヘルスケア業界などは、グローバル企業も多いこともあり、コンサルタント経験者の転職が多くなっています。
②プライベートエクイティファンドへの転職
コンサルタントとして身に付けたスキルをフル活用して、PEファンドでご活躍される方も近年は増えてきています。実際に事業の責任者として、企業を成長、再生させることは、コンサルタント時代とはまた違った魅力があります。
③ベンチャー企業への転職
最近の特徴として、IPO直前のベンチャー企業への転職や、WEB/モバイル系の比較的若い企業に参画される方も増えてきています。次世代リーダー候補、事業戦略、サービス企画、M&Aポジションなどでは、コンサル出身者が高い割合で占めていることが多く見受けられます。
④起業やスタートアップ企業への参画
数としては、まだまだ少ないですが、ご自身で起業される方やスタートアップに参画される方も一定数存在します。単なるスキルだけでなく、コンサルタントとして築いた幅広い人脈を活用して、創業間もないタイミングでの大型調達や、ビジネスの早期展開等、ポストコンサルタントだからできる強みを活かしている企業が多く見られます。
⑤他コンサルティングファームへの転職
最初に申し上げた通り、コンサルティングファームにはいくつかの種類があります。総合系コンサルティングファームから戦略ファームへの転職などの分野をまたがるケースや、国内系から外資系ファームへの転職などのケースなどの業界内での移動をしながらコンサルタントとしての経験を深められる方もいらっしゃいます。
ただ、いずれのケースもネクストキャリアでは企業の重要なポジションを担うことが一般的です。コンサルタントとして経験を存分に活用し、ご活躍される方々の姿は、私ども現役のコンサルタントにとっても嬉しい限りです。