外資系コンサルティングファームへの転職を考える際に、語学力を活かして、海外で活躍していきたいという方も結構いらっしゃいます。今回はコンサルティングファームの海外勤務状況についてお話したいと思います。
海外勤務になる主なケース
コンサルティングファームで働いている場合に、海外勤務になるケースには大きく3つあります。
① 国内企業のプロジェクトで、海外進出などをサポートする場合
●現地の市場調査やパートナー企業との提携のため、短い場合は、数日の出張、長い場合では、数ヶ月の間、海外の現地に滞在してプロジェクトをサポートすることがあります。
このケースの場合、入社してすぐの社員であっても、海外で十分やっていける語学力があれば、配属されることはあります。
② 海外のプロジェクトに、エキスパートとしてサポートする場合
●特定の分野のエキスパートの場合は、海外のプロジェクトに呼ばれることが頻繁にあります。通常は電話会議やビデオ会議などでのサポートが一般的ですが、テーマやプロジェクトにおける重要性によっては、直接現地に赴き、プロジェクトをサポートすることもあります。
但し、エキスパートということで、入社してすぐにこのような経験があることは稀で、一般的には、5年以上の経験がある社員の中で、特定のプロジェクトを専門に担当してきた方が対象となります。
③ 海外のオフィスに移動する場合
●こちらは、機会としてはそれほど多くはないのですが、ご本人の強い希望がある場合に、コンサルティングファームによっては、海外のオフィスに移動することができることがあります。移動の仕方も、短い場合は数カ月、長い場合は数年間とさまざまです。一部の会社では、籍自体を海外のオフィスに移動する制度もあります。
海外勤務をすることのメリット
海外勤務はコンサルタントとしての働くことの魅力の一つでもあります。
まずは、海外での仕事そのものが非常にチャレンジングな仕事だということです。
海外のカルチャーの違いを乗り越えて、ビジネスを成功に導いていくことは非常に良い経験になります。また、チームマネジメントの面でも、海外の優秀なスタッフを部下としてプロジェクトを運営していくことは、日本人をマネジメントすることとは全く違うスキルも求められます。そのような経験を早いうちから経験できることは、コンサルティング会社ならではと言えます。
次に、ビジネスを超えて、自己成長の機会になることもあります。
日本のクライアントと働いているだけでは見えてこない価値観や、働き方を実際に体感するなかで、ご自身の人生に対する考え方が深まります。また、海外のメンバーとの繋がりを深めることが、国内に帰ってきたあとも、プロジェクトを運営していく上で、役に立つことが非常にあります。インドに半年勤務していた社員が、帰国後、インダストリーを関わらず、インドスペシャリストとして活躍しているといったケースもございます。
他にも、長期的な自己キャリアの形成に有利になることもございます。コンサルタントへの転職をお考えの方の中には、40代、50代という将来のフェーズでは、コンサルティング会社ではないフィールドで活躍することを検討していらっしゃる方もおられると思います。グローバル化が進む中、当然のことですが、コンサルティング会社で海外勤務をしてきたということ自体が、その後のチャンスを広げるきっかけになることも確かにあります。
結論
既に海外勤務をしたいと考えていらっしゃる方は勿論、これまであまり考えてこなかった方も、コンサルティングファームの醍醐味の一つとして、チャンスがあれば挑戦してみることをお勧めします。
また、実際に海外勤務がどの程度あるかはコンサルティングファームによっても、大きく異なってきます。外資系のコンサルティングファームといっても、海外勤務となることが多いプロジェクトの割合や、海外オフィスで働く制度の有無は全く違いますので、興味がある場合は、面接の際などに必ず聞くようにすることをお勧めします。