コンサルティングファームの採用面接の中で、最初の難関としてあるのが筆記試験です。本日は筆記試験の概要と、対策についてお話したいと思います。
コンサルティングファームで求められる筆記試験とは
コンサルティングファームの筆記試験で求められる要素は大きく3つの種類があります
①判断推理
●こちらは、主に論理的な思考力を図るテストです。
特定の条件が提示された時に、その条件だけを踏まえると、どのような事実を推計出来るかを聞かれます。具体的な例としては以下のようなものです。
例題:ある集団について、インタビューを実施したところ、下記の事実が分かった。ここから確実に言えることはどれか?
A. 理科が得意な人は、体育が好きである
B. 家庭科が好きな人は、英語も理科も得意である
C.英語が得意でない人は数学が好きである
D. 体育が好きな人や数学が好きでない人は音楽が得意である
1. 理科が得意の人は英語が得意である
2. 音楽が得意でない人は英語が得意でない
3. 数学が好きな人は体育が好きである
4. 家庭科が好きな人は音楽が好きである
5. 体育が好きでない人は数学が好きである
実際にコンサルタントとして働いている際に、誤った前提に基づいて判断を下しているケースには良く遭遇します。是非基礎力を磨くという観点で鍛えてみてください。
②数的推理
こちらは、その名の通り数字を扱う能力を図るテストです。
数字と言っても、複雑な公式が必要なものではなく、どちらかというと算数に近いものです。
具体的な例としては以下のようなものです。
例題:5で割ると4余り、6で割ると5余り、7で割ると6余る最小の自然数を8で割った場合の余りを求めよ。
1.0
2.1
3.4
4.6
5.7
コンサルタントとして働いていると数字の観点からクライアントにアドバイスを行うことは非常によくあります。普段から物事を数字で考える癖をつけて、なじんでおくことが大切です。
③Critical reasoning
こちらは、判断推理とは別の形で論理的思考力を図るテストです。
判断推理は、条件から推定でしたが、Critical reasoningは結論から条件を考える力を見ています。
具体的な例としては以下のようなものです。
例題:下記の文章を完成させるものはどれか?
インタビューをしたところ、40%の人は自分にはやや不誠実なところがあると認めた。しかし、この調査は不誠実な人の数を過小に見積もっている可能性がある。なぜなら、
1. 誠実な人も不誠実として答えている可能性がある
2. やや不誠実と答えた人が本当は、非常に不誠実である可能性がある
3. 不誠実な人達の一部が、自分は誠実であると答えたかもしれない
4. 不誠実と答えた人の一部が、正直に答えたかもしれない
コンサルタントに求められる能力として、なぜお客さんがそのような発言をしているのかという意図を理解することができるかどうかは、非常に大切な力の一つです。普段の会話でも、言葉の表面を捉えるだけでなく、その裏側にある背景を理解しようとする癖を是非付けてみてください。
採用における筆記試験の重要性と対策方法
基本的には筆記試験は、採用面接を受ける手前の基礎能力を見るためのものとして使われています。逆にこの筆記試験でいくら良い点数が出たからと言って、それで面接が有利になることはほとんどありません。
ですから、コンサルティングファームを受ける際には、100点満点を取ろうとは思わず、ある程度の水準を満たせば大丈夫という心構えで臨んで頂くことが良いと思います。
良くある話として、分からない問題に時間をかけすぎたせいで、後ろの問題に全く取りかかれなかったということを聞きます。特に、本番は緊張をすることで、普段以上に時間を少なく感じる方が多いので、いつもは大丈夫と思っている皆さんも他人事ではありません。
全問正解である必要性は全くないので、分からない問題は、さっさと飛ばして次に望むほうが良い結果を得られることが多いと思います。
また、当然のことですが、筆記試験の前にはそれぞれのテーマに関する問題集を少なくとも1冊は購入して、問題集の問題はほとんど全て解けるようにしておいて下さい。
筆記試験は、きっちりと準備さえすれば、基本的には落ちることのないテストです。
焦らず、万全の準備をして臨んで下さい。