毎年数多くの方が新たにコンサルタントに転職される一方で、コンサルタントを退職される方も存在します。本日は、そうした退職される方の理由や退職後のステップについて、お話をしたいと思います。
自分の成長に対して満足してしまう(求められる成長スピードとの間にギャップが生まれる)
コンサルティングファームによってペースの違いはありますが、コンサルタントは、「新しいクライアント」の「新しいプロジェクト」を次々と担っていくことになります。同時に、コンサルタントとして求められる役割も、リサーチや分析をこなすことから、お客様とのディスカッションをリードすることなど、求められるスキルも、一般的な事業会社と比べると圧倒的なスピードで変化していきます。
このことは、非常に刺激的でありやりがいのあることであると同時に、慣れることがなく、常に自分自身の成長が求められるということであります。一般的な事業会社への転職の場合も、最初の数ヶ月や、数年に一度ある昇進の後に、同様の環境に身を置くことだと思いますが、その様な状態に常にいるのがコンサルタントという職業です。
コンサルタントを退職される方の中には、「会社からは更なる成長を求められるものの、自分としては、ここまで到達できたのだから、もう十分だ」ということで、キャリアを変更される方は一定数いらっしゃいます。
コンサルティングファームの労働環境が合わない
先ほどの成長スピードとも関連しますが、コンサルティングファームの労働環境は一般的な事業環境とは大きく変わります。クライアントが持つ経営課題に対して、短期間で一緒に対応方針を発見し、解決していくためには、効率的な働き方に加えて、時間の投資も積極的にやる必要があります。また、短いタイムスパンの中で、クオリティの高いアウトプットを出し続けることに対しては精神的なプレッシャーを感じることも多いと思います。
多くのコンサルタントがそのような環境の中でも、充実して働いているのは、結果としてお客様に大きなインパクトを与えることができたという満足感だと思っています。
逆に言うと、コンサルタントとして大変な環境の中でいながら、十分なパフォーマンスを出せていない場合には、辞めたいと思うのは当然です。
尚、勘違いしないでいてほしいのは、コンサルタントという仕事は、特殊な職業であり、そこでパフォーマンスを出せることが、社会人として立派であるということとは同義ではないということです。野球選手とサッカー選手を比較してどちらが優れているかということを議論することは誰でも意味のないことだと思うでしょう。
次のキャリアへ挑戦する
コンサルティングファームへの転職理由として、ビジネスマンとして基礎となる汎用的な能力を身につけて、次のキャリアに繋げていきたいという方もかなりの数いらっしゃいます。
事業会社の管理職、プライベートエクイティファンドへの参画、ベンチャー企業の役員、起業やスタートアップへの参画といった様々なフィールドで活躍されているポストコンサルタントは数多くいらっしゃいます。
人生のキャリアをより良いものにしていくための手段として、コンサルティングファームへの転職を考えることは、選択の一つとして常に頭の片隅においておくことをお勧めします。
MBAを取得する
最後に、少数ですが、MBA取得のためにコンサルティングファームを退職される方もいらっしゃいます。こちらは特に新卒入社の方が大半なのですが、中途入社の方の中にも更にキャリアの幅を広げるために退職される方はおります。ただ、コンサルティングファームの中には、MBA取得を支援しているファームもあると伺いますので、もしMBAの取得を検討されている場合は、面接の際などに伺ってみることをお勧めします。
結論
コンサルティングファームは、世間で言われている通り、数年で辞められる方も事業会社と比較すると多い業種であることは事実だと思います。但し、コンサルティングファームに転職したこと自体を後悔される方は、ほとんどいらっしゃらないことも事実です。皆さんのキャリアにとって、コンサルタントとしての経験は決して無駄にはならないと信じていますので、是非チャレンジしてみて下さい。