コンサルティング会社への面接において、避けては通れないのがケース面接です。
本日はケース面接の概要と対策について、お話したいと思います。
ケース面接の概要
新卒の採用でも、ケースインタビューは広く行われているので、ご存じの方が多いかと思いますが、具体的には、特定のビジネスシーン(=ケース)を想定した上で、面接官と方針についてディスカッションをする面接になります。
特に戦略系コンサルティングファームでは、ケースインタビューが選考過程の中でほぼ100%実施されます。志望動機等に関する通常の面接がどれほど上手くいったとしても、このケース面接の結果が悪い場合は、採用される可能性はかなり低くなるため、非常に大切な面接と言えます。
ケース面接の目的
ケース面接は、コンサルタント業界にどれほどマッチしているかを見極める一つの手段として行われます。コンサルタントとして働いていると、見慣れぬ業界に関して、限られた時間と情報の中で、クライアントとの議論を通じて、方針を決定していくことが求められます。
ケース面接では、そのような環境を仮想的に作った上で、あなたが実際にプロジェクトに入った際に、どのようにご活躍頂けそうかをチェックしているのです。
ケース面接の事例
ケース面接は、採用候補者に事前に内容が知れ渡ることを、回避するため、頻繁に内容は変更されています。また、同時期に受けた候補者でも、その人のバックグラウンドなども踏まえて、面接官がその場で設問の内容を変更することもあります。
ここでは、いくつかケース面接の例としてあげられそうな事例をいくつか記載したいと思います。
- ●クライアントの欧州の家電メーカーが中国市場に高級商品ラインで参入しようとしている。あなたはコンサルタントとして、どのような提案を実施するか?
- ●あるタクシー会社が自社の利益を拡大させるために、どのような取組みを実施すべきか?
- ●ある液晶メーカーがマーケットシェアを低下させており、利益率も悪化している。この企業はどのようなアクションを行うべきか?
- ●外食チェーン最大手のクライアントが新たに100億円規模の新規事業立ち上げを検討している。あなたは、どのような事業を提案するか?
- ●国内で3位のウォーターサーバー会社の今後の事業戦略を検討する上で、どのようなポイントを押さえておく必要があるか?それらを踏まえた上で、具体的にどのような戦略を提案するべきか?
ケース面接の対策
ケース面接の対策は、様々な書籍が出版されていますので、是非目を通して頂ければと思いますが、ここではいくつか絞って大切なポイントをお伝えしたいと思います。
1.全体像を常に意識する
検討を進める際には、常に全体像を明らかにした上で、どの部分の話をしているのかを明確にしてください。例えば、利益を考える場合は、売上とコストという全体像を示した上で、どちらの話をするのかを明確にしてください
2.理由を明確にした上で、検討のポイントを絞り込む
先ほどの例の場合、売上とコストの話を分けた場合、なぜ売上(もしくはコスト)の話を先にするのかを伝えて下さい。もしくは、どちらを先に話せばよいか分からない場合は、両方の検討をした上で、どちらによりフォーカスした方が良いのかの理由を伝えるように意識してください。
3.定量的な数値を伴った議論をする
単に人数が多いや、効果が大きいといった話ではなく、具体的な規模感も提示するようにしてください。正確な数値は知らないことが前提として面接は行われているので、常識に基づき、一定の仮置きをして頂き、議論を進めて頂ければ大丈夫です。
4.面接官とのコミュニケーションも必要に応じて活用する
ケース面接は、実際のプロジェクトを想定しています。プロジェクトでは、自分だけで上手く進められない場合は、先輩社員に上手く相談をすることも武器の一つです。自分一人で悩むのではなく、必要に応じて、面接官にも上手く質問を投げかけてみて下さい。
結論
ケース面接は、「正解」を出せるかどうかを見ることが目的ではありません。場合によっては、面接官も「正解」は分からないこともあります。
正解を出すための「道筋」「考え方」がコンサルタントとして働いていく上でマッチしているかを見極めているということを忘れず、どのような状況になっても、落ち着いて面接を受けるようにして頂ければ、より良い結果が出ることだと思います。