コンサルティングファームの賞与
コンサルティファームというと給与水準が高いイメージがございますが、その中でも、特に賞与(ボーナス)は、どの位貰えるのかという話を時々頂きます。そこで今回は、コンサルティングファームの賞与についてお話したいと思います。
(尚、今回ご紹介する賞与は、複数の外資系戦略系コンサルティングファームの社員からのヒアリングを元に記載させて頂いております。個別のファームごとの違いや個人差もございますので、あくまで参考数値としてご理解下さい)
そもそも賞与はどの様に決まっているのか?
多くのコンサルティングファームでは、役職ごとに定まった年収とは別に、賞与(ボーナス)が支払われています。年収は、同じ役職であれば、個人差はないのですが、賞与については、それぞれの方の活躍に応じて、一定の幅が設けられた上で支払われています。
一般的に賞与は以下のように決まることが多いようです。
[1]ファームの業績
●ファームの業績が良い年は、全体の賞与が高くなることが一般的です。近年はコンサルティングファーム全体が好景気のため、各社のボーナス全体の水準は必然的に高くなる傾向にあるようです。
[2]個人のパフォーマンス
●もうひとつは、個人のコンサルティングファームにおけるパフォーマンスです。パフォーマンスといってもいくつかの要素がありますので一つずつ見ていきましょう。
コンサルティングファームでは、プロジェクト単位で業務を行うことが一般的です。プロジェクトの期間は多くの場合、3ヶ月~半年程度です。それらのプロジェクトを1年間の間に複数参画していくことになるのですが、時々プロジェクトの間でアサインされないこともあります。この間は、稼働が発生していないのですが、一般的な給料は支払われます。但し、このような期間が多い場合は、賞与の面では、マイナスとして評価され、一般的な水準よりも低くなることもあります。
プロジェクトに入ったコンサルタントは、マネージャーからプロジェクト単位で評価を受けます。役職に応じて、評価の基準は異なってくるのですが、例えば、第二新卒で入社された方の場合は、まずは、一般的なコンサルタントとしての基礎スキルを身につけ、プロジェクトに貢献できているかを見られることが一般的です。
(例:定められた期間の内に、きっちりとした定量分析の結果を纏められるか等)
そうした評価を、1年の内にいくつか貰うことになるわけですが、それら全てを考慮した上で、個人ごとに年間の評価がなされ、ボーナスが決定されるのです。つまり、普段のプロジェクトで、頑張ることが、直接的にご自身の給料にも結びつきやすい仕組みとなっているのです。
最後に、プロジェクト以外でもファームに対して貢献を示すことで、ボーナスが上積みされることがあります。コンサルティングファームと言っても、一般的な企業と同様、採用活動や、育成活動、プロモーションやマーケティングなど様々な活動を行っております。それらの活動に対して精力的に貢献していらっしゃる方に対しては、賞与という形で報酬を還元しているコンサルティングファームも一部あるとのことです。
コンサルティングファームの賞与はどの程度の水準なのか?
さて、次に気になるのは、実際にどの程度の賞与が貰えるのかという部分だと思います。
こちらは、前述の通り、役職以外にも、毎年の会社の業績や、個人のパフォーマンスによって大きく異なってくるので、一概に伝えるのは困難です。
但し、入社して2~3年もたてば、一般的に支払われるボーナスの額は、一般的な事業会社と比べると大きな差があることは間違いありません。
厚生労働省が発表した2016年の「民間主要企業夏季一時金妥結状況」によると、平均妥結額は、84万3,577円とのことですが、コンサルティングファームに入社された方の場合、入社2年程度でも、この水準は大きく上回るということは期待しても良いと思います。
企業の業績やポジション、個々のパフォーマンスによって相当変わるのが実情ですので、一例とはなりますが、2年目のコンサルタントで100万円程度の賞与を貰える場合もあります。
結論
コンサルティングファームの賞与は、一般的な事業会社と比べても非常に魅力的な水準であることは間違いありません。更に、ご自身の努力や活躍が賞与として正しく反映される仕組みも整っていることも魅力の一つだと思います。