高いパフォーマンスが求められるコンサルティングファーム。未経験で転職をされる方の多くにとっては、入社して自分がやっていけるのかと不安を抱かれることも多いと思います。今回はそういった方々から受ける質問の一つとして良くある、コンサルティングファームの教育制度についてお話したいと思います。
コンサルティングファームの社内研修
まず、コンサルティングファームへの入社が決まった場合、推薦の書籍や、研修に関するマテリアルが送られてくることが一般的です。入社までの期間は人によっても異なりますが、まずはこれらの資料に目を通しておいて下さい。特に、コンサルティングに対してあまり馴染みのない方は、入社直後の研修での吸収度合いが、事前に目を通しているかどうかで異なりますので、是非時間を作って頂くことをお勧めします。
その後、正式に入社されると、最初に社内研修に参加することになります。研修の期間や内容はファームによって変わりますが、多くの場合2週間~1ヶ月程度になります。内容については、ロジカルシンキングやリサーチのやり方、スライドライティングなどの基礎スキルに関するものが大半です。
入社時研修以外にも、多くのコンサルティングファームでは、定期的な研修がもうけられています。昇進者を対象にした、新しいポジションに求められるテーマに関する研修(ファシリテーションやプロジェクトのマネジメント 等)や、業界の最新トピックスに関するディスカッションの場など、学ぶ機会は様々です。
更に一部のファームでは、最近はオンライでの研修制度も整いつつあり、自分の好きな時に、好きなテーマについて、学習することもできます。海外出張や、地方での常駐のプロジェクトなどの場合も、簡単に受講できます。
コンサルティングファームの社外研修
コンサルティングファームの場合は、社外の研修を受けることはあまり多くはありません。特に大手ファームの場合は、自社の教育のノウハウが十分蓄積されているため、あえて社外の研修を受ける必要性は少ないからです。
但し、例外的な例として、ファシリテーションのスキルが大きな課題を持っていらっしゃるコンサルタントの方が、個別に社外の研修を受ける等のケースは伺ったことがあります。コンサルタントの成長はある意味自己責任です。自分が必要だと思った研修があれば、社内、社外関わらず積極的に受講することをお勧めします。
コンサルティングファームの人事評価制度
コンサルティングファームでは、プロジェクト単位で働きます。
そのため、人事評価制度は、各プロジェクトの責任者が、プロジェクトごとに評価を行うことが一般的です。但し、プロジェクトのテーマや、一緒に運営するメンバーなどの差によってパフォーマンスに違いが出ることもあります。そのため、継続性という観点で、しっかり成長できているのかということも、コンサルティングファームでは意識してモニタリングする仕組みを設けていることが多いです。
尚、コンサルタントの評価は、基本的にはプロジェクトで求められている役割を、しっかりとこなせているかというシンプルなものです。例えば、入社して暫くの間は、コンサルタントとしての基礎スキルをしっかり身につけられているかが大切なポイントですので、以下のような評価基準が重要視されます。
●調査・分析の基礎スキルを習得できているか?
●資料作成スキルを習得できているか?
●メンバーとして、チームにしっかり貢献できているか? 等
結論
コンサルティングファームのビジネスの肝は「人材」です。
そのため、教育制度に対しては各社かなり力を入れています。
但し、コンサルタントに求められるスキルの多くは、書籍や研修を受けるだけで、学べるようなものでないことも事実です。実際のクライアントとの仕事の中で、血肉となっていくものが大半だと思っています。ですので、私個人の考えとしては、より多くのプロジェクト、より面白いプロジェクトを経験できるコンサルティングファームこそが一番教育制度が充実したファームなのではないかと思っています。ですから、是非面接の際には、どのような研修があるのかだけでなく、ファームとしてどのような業界について、どの程度のプロジェクトを支援しているのかを伺ってみるのが良いと思います。