最近はテレビや書籍などでも様々なコンサルタントを見かけるようになり、コンサルティング業界も、昔と比べるとかなり一般的になってきたと思います。一方で、企業ごとの特徴や、グローバルでのポジションなどについては、まだまだ知らない方もいらっしゃるかと思います。本日は、世界的に有名なコンサルティング会社についてお話したいと思います。
尚、今回は米国Vault社が毎年発表しているコンサルティングファームランキングを元に、紹介をしていきたいと思います。
McKinsey & Company(マッキンゼー&カンパニー)
まずは、戦略コンサルティングファームとして、グローバルでNo1のポジションを占めているマッキンゼー&カンパニーです。1926年にシカゴ大学のジェームズ・O・マッキンゼーにより設立された、アメリカ合衆国に本社を置くコンサルティング会社です。現在は、世界60カ国、100以上の支社を持つグローバルカンパニーでありながら、日本進出も1971年と歴史があります。
また、「ワンファーム」としての一体運営が徹底され、所属コンサルタントは国籍に関係なく、世界中のプロジェクトにかかわる。業種別(エネルギー、ヘルスケアなど)、機能別(コーポレートファイナンス、組織など)のグループに分かれ、グローバルレベルでのベストプラクティス共有に努めていることも特徴の一つです。
Bain & Company(ベイン&カンパニー)
ベイン&カンパニーは、1973年に、ビル・ベイン氏が新しいコンサルティング価値を追求、実現したいという強い想いからそれまで所属していたボストンコンサルティンググループから独立し、設立されました。他のグローバルファームと比べると比較的新しい企業ですが、今では世界34ヶ国に53拠点のネットワークを展開している世界有数の戦略コンサルティングファームです。
ベイン&カンパニーの特徴としては、その出自が示す通り、新しいことへの挑戦が挙げられます。プロジェクト終了後における顧客の企業価値の変化をモニタリングする仕組みの導入や、プライベートエクイティ投資会社であるベインキャピタル※や、NPOに対するコンサルティングを行うブリッジスパングループなどの立上げも、ベイン&カンパニーが先駆けて行った事例になります。
The Boston Consulting Group, Inc(ボストン・コンサルティング・グループ)
ボストン・コンサルティング・グループは、1963年にアーサー・D・リトルからスピンアウトしたブルース・ヘンダーソンによって設立されました。世界46カ国、82の支社を持ち、戦略コンサルティングファームとしては、マッキンゼー&カンパニーに次ぐ世界有数のファームです。ボストンに次ぐ世界2番目の拠点として東京にオフィスが設立されたこともあり、日本のコンサルティングファームとしては最も歴史のある会社になります。経験曲線やプロダクト・ポートフォリオ・マネジメントといったコンセプト開発が有名な他、「多様性からの連帯」という価値観のもと、多彩な専門性、知見、経験、能力、文化的背景を有する人材が集い、最適なメンバーでチームを組むことを大切にしています。
Deloitte Touche Tohmatsu LLC(デロイト トウシュ トーマツ)
デロイト トウシュ トーマツは1845年に設立され、世界四大会計事務所(ビッグ4)の一つでもあります。会計事務所としてだけでなく、グループでコンサルティング、税務・財務サポートなどのサービスを提供、150カ国以上に約20万人もの専門家を抱えています。コンサルティング部門としては、日本では、1993年にデロイト トーマツ コンサルティング合同会社が設立されました。インダストリー(コンシューマービジネス、資源エネルギー、金融 等)とコンピテンシー(企業戦略・事業戦略、組織変革、CFOサービス 等)のマトリックスでサービスを提供しており、全世界150か国、22万人を超える現地の制度やビジネス事情を熟知した各国デロイトのエキスパートを抱える等の強みを有しております。
PricewaterhouseCoopers Advisory Services LLC(プライスウォーターハウスクーパース)
PwCは1849年にイギリスで設立された歴史ある企業であり、こちらも、世界四大会計事務所(ビッグ4)の一つです。近年は、コンサルティング事業に力を入れており、べリングポイントやブーズ&カンパニーも経営統合しています。国内コンサルティング部門としては、14年にブーズとの統合完了を機に、プライスウォーターハウスクーパース・ストラテジーに社名変更をしています。ブーズの100年にわたる戦略コンサルティングの経験と、PwCが持つ世界157カ国に208,000人以上のスタッフや監査、税務、アドバイザリーのサービスを組み合わせることで、幅広いサービスを提供しています。
コンサルティングファームの今後
以上、いくつかのファームについて、特徴を見てきましたが、今後は大きく2つの流れが加速していくと考えられます。①コンサルティングファームの統合
●ブーズとPwCの例のように、今後ますますコンサルティング会社内での合従連合は進んでいくと考えられます。最近の例で言うと、アクセンチュアによるカート・サーモン社の買収やマッキンゼーによるデザイン・コンサルティング会社LUNAR社の買収などもありました。企業経営において求められる要素は、ますます多様になってきています。昔は、一つの専門的な機能のみを提供するだけでも十分な付加価値の提供に繋がったのですが、今では、総合的なサポートの必要性がかなり高まっています。そうした流れを踏まえると、今後大手コンサルティングファームによる中規模ファームの買収は更に広がっていくと考えられます。
②デジタル領域への進出
●もう一つの流れとして、コンサルティングファームによる、デジタル領域への進出もあげられます。デロイトデジタルやBCGデジタルベンチャーズなど、既に日本国内でも大手コンサルティングファームによる取組みが動き始めています。コンサルティングファームの付加価値の付け方が、時代の変化とともに変わりつつあるまっただ中であり、今後ますますこの領域での取組みが重要になってくると考えられます。