コンサルティングファームと言っても、マッキンゼーのような戦略系コンサルティングファームから、アクセンチュアのような総合系コンサルティングファーム、KPMGヘルスケアジャパンやBCGデジタルベンチャーズのような特化型まで様々な分野があります。そうした中でも、今回は社員数に着目し、中小規模のファームの魅力についてお話したいと思います。
中小規模のコンサルティングファームの魅力
中小規模のコンサルティングファームの特徴の一つとしてまず挙げられるのは、「専門性」だと思います。
例えば、「M&A系」「人事系」「事業再生系」「医療系」「中小企業特化系」、最近では「デジタル系」など特定の領域に強みを持つコンサルティングファームのおいては、社員数が数十名規模であることが多いです。
ご自身のキャリアを考える上で、既にこれらのテーマのどれかに強い興味関心がある場合は、少数精鋭のスペシャリストが揃うこれらのファームに転職する魅力が大きいと思います。
次に、「任せられる仕事の幅」も異なってくると思います。あくまで一般的な傾向ではありますが、中小規模のコンサルティングファームの場合、昇進のスピードが速く、比較的早いタイミングから重要な役割を担うことが多いと思います。特に、新しいプロジェクトの開拓などは、大規模のコンサルティングファームの場合は、コンペティションでの獲得や、過去のプロジェクトの継続などが多いのに比べて、中小規模のコンサルティングは、自ら新しい提案をし、案件を勝ち取りにいくことが比較的早いタイミングで求められる傾向にあります。
他にも、「給与体系」も異なることがあります。大手コンサルティングファームの場合は、個人間の給与水準の際は特に入社数年の間はそれほど開きがないことが多いです。一方で、中小規模の場合は、入社時期に関係なく個人の業績次第で、特別賞与などにより金銭面でも優遇されることがあるようです。
中小規模のコンサルティングファームへの転職で気を付けるポイント
一方で、大規模のコンサルティングファームと比べると、気を付けるべきポイントがあるのも事実です。
例えば、「社内のトレーニング制度」などは、一般的には大規模コンサルティングファームのほうが整っています。数多くの社員に対して高い水準のコンサルティングスキルを教え込むための教材や研修制度、他にもビジネススクールなどへの留学制度などが整っている大手ファームが多いです。但し、中小規模のファームの場合は、シニアなコンサルタントとの距離が比較的近いこともあり、トレーニングというよりは、直接実践の中で彼ら彼女らから学び取ることで成長することが期待できます。
他には、景気や業績の影響をより受けやすいという点はあります。中小規模のファームの場合は、当然ですが、クライアントの種類や数は大手に比べると少ない傾向にあり、景気が悪くなった際などに、数社との契約を失うだけで、会社全体としても大きな影響を受けることがあります。そのため、給料水準も業績次第では前年を下回るということもございます。但し、裏返していえば、業績が良ければ、大手のコンサルティングファーム以上に高い給料が支払われるということでもありますので、一概にデメリットとは言えません。
また、こちらも企業によって程度の差はありますが、大手ファームの方が、次のキャリアチェンジをした際に、評価が高くなる傾向はあります。但し、こちらも最終的には個人の能力次第でありますので、転職したファームでどのような経験をするか、何をその中から身に付けたのかということが大切になります。
重要なのは何を大切にしたいか
メリットとデメリットをいくつかあげましたが、基本的には何を大切にするか次第で、中小規模のコンサルティングファームに転職するのが良いかは決まってきます。
具体的には、以下のような点が合致するのであれば、中小規模のコンサルティングファームも是非見てみるのが良いと思います。
●特定の専門分野に対して強い関心があり、その分野に特化したファームがある
●早いタイミングから新規プロジェクトの開拓など、幅広い業務を自らリードしていきたい
●入社直後から自分の実力を存分に発揮し、個人の業績次第で、給料も適正に評価して貰いたい