今回は、コンサルティングファームへの転職を考えている皆様のために、働き方を中心に、コンサルティングファームの基本的な概要をお話したいと思います。
コンサルティングファームのビジネスモデル
コンサルティングファームのビジネスモデルは極めてシンプルです。
クライアントとなる企業に対して、コンサルティングを実施し、その対価として、契約金を頂戴するといったものです。多くのファームでは、1人あたりのコストが明確に定まっているため、何人がどれくらいの期間プロジェクトを担当するかで、価格は決まってきます。
但し、最近は、いくつか新しい契約モデルが出てきていることも確かです。例えば、「コストカット」のプロジェクト等の場合、ある基準を設けて、そこよりも下がったコストの内、一定のマージンを成果としてコンサルティングファームに支払うといった成果連動報酬のスキームを目にすることがあります。国内において、コンサルティングファームはまだまだ歴史の浅い業態です。今後世の中が進化し、コンサルティングという業態がさらに普及するにつれて、新しいビジネスモデルも生まれてくるかもしれません。
コンサルタントの働き方
コンサルタントの働き方は役職やプロジェクトの内容によっても大きくことなりますが、ここでは中途入社して1年ほどになる若手コンサルタントのある1日の働き方のイメージをご紹介いたします。
朝は7時に起床。食事を済ませて、出勤時間の間に、モバイル端末で、クライアントや先輩コンサルタントからメールが来ていないかを確認し、その場で対応できるものは対応する。それらが終わった後、その日の朝刊や気になるネットニュースを確認。
朝8時に会社に到着、出勤時間内に確認したメールの内、資料の修正などが必要なものについては、早急に対応し、返信を実施する。終わったら、今日一日の動き方を整理し、朝9時からの社内ミーティングに向けた資料の最終確認を実施。
朝9時から9時30分までは、社内のミーティングで、午後のクライアントミーティングに向けた、資料の確認を実施。その後、ミーティングで貰った修正点や追加の調査を実施。
11時30分に資料修正が終わったタイミングで、先輩のコンサルタントに最終チェックをして貰う。更なる追加の修正がないことを確認した後、資料の印刷を実施し、移動の準備を開始。時間がないため、近くのコンビニでお弁当を購入し、自席でランチ。
14時から15時までクライアントの部長以下と週に1回のミーティングを実施。主に議事録を取り、自分の担当したパートについては、ディスカッションにも参加。
15時30分から16時の間に先輩コンサルタントとミーティングを実施して、今後の進め方を確認。その後、まずは議事録を最終化して、社内のチームメンバーに共有。
更に、3日後に控えたクライアントの課長以下とのミーティングに向けた大まかなスケジュールを作成した後、今日の議論で出てきた追加の検討ポイントに関する分析を開始。
20時からチームメンバーと近くの定食屋で食事をし、社に戻ってから現時点の資料を先輩コンサルタントに送った後、帰宅。
コンサルタントとしてエキサイティングな瞬間
最後にコンサルタントとして働いている中で、エキサイティングな瞬間をいくつかご紹介したいと思います。
①日経新聞の1面に自分たちが支援したプロジェクトの成果が報道される
コンサルタントとして、関わる仕事はどれもその企業にとってインパクトが大きいものばかりです。そのため、成果を出すことがそのまま大きなニュースとして世間で取り上げられることも多くあります。実際に新聞の1面で、自分たちが関わったプロジェクトが報道されると、やはり素直に嬉しいと思うことが多いです。
②本当に素晴らしい企業の経営者の方々との議論
コンサルタントで10年近く働くと、事業会社の役員クラスの方々ともディスカッションをする機会がかなり増えることになります。ビジネスマンとして、自分よりもはるかに多くの修羅場を経験されてきた彼ら彼女らとの議論は、本当に刺激的であり、毎回多くのことを学ばせて頂いています。
③次のプロジェクトをお客様から直接頼まれる
クライアントのために働く私たちにとって、何よりもうれしいのは、やはりお客さんから次のプロジェクトを頼まれる時だと思います。言葉での感謝は勿論嬉しいですが、実際に私たちと働くことに対して意義を感じて頂き、決して安くはないコンサルティング契約を継続して頂けることが、やはり一番の喜びです。
勿論、これらの裏には、かなりの苦労があることも事実です。特に入社して暫くの間は、努力の割には報われないことの方が多いと思います。それでも、多くのコンサルタントがご活躍されているの、ここに書いたこと以上に刺激的な瞬間をいくつも経験しているからなのです。