コンサルティングファームの選考プロセスにおいて最大の難関はケースインタビューです。
ファームによっては最大で4回程度ケースインタビューを通過しなければいけません。一方で、ケースインタビューはコンサルティングファームならではの面接形式でもあり、馴染みの薄い方も多いと思います。そこで、今回はケースインタビューの概要と、対策についてお話します。
ケースインタビューとは
ケースインタビューとは、面接官がクライアントの立場になり、設定されたテーマについて、面接応募者がコンサルタントとして、提案を実施するという面接です。面接時間は1時間程度のことが多く、その中で面接官に対して回答をし、場合によっては質疑応答にも応えることが求められます。課題の特定、必要な情報の整理、解決オプションの洗い出しと絞り込み、そして最終的なプレゼンテーションといった一連の流れは、まさにコンサルタントに求められる日常業務のシミュレーションと言えます。
ケースインタビューで面接官が見ているポイント
ケース面接で見られているポイントは様々です。
これらのポイントは、実際にコンサルティングファームに入社した後に、コンサルタントとして多くのクライアント業務に関わる中で必要となる能力ばかりです。
ケース面接を実施する目的は、まさにあなたがコンサルタントとしての適性が高いかどうかを見極めるためのものなのです。
ケースインタビューの事例
ケースインタビューは専門的な知識の有無があるかを把握するためのものではありません。その為、面接のテーマとしては誰もが知っているような一般的な題材が取り上げられることが多いです。一方で、面接受検者に対して事前に問題が漏れることを防ぐために、継続的に問題は変更しており、バラエティーはかなり多岐にわたります。ここではいくつかの例を記載します。
- 【1】高齢者人口が増え続けていく一方で、2016年介護関連事業者の倒産件数は過去最高になりました。この事象の背景も理解した上で、新たに介護関連事業を立ち上げる場合、どのような事業計画を立てますか?
- 【2】コンタクトレンズ市場において、コンタクトレンズ単品の市場規模は年率5%程度で順調に拡大している一方、ケア用品市場(洗浄液、保存液 等)は横ばい傾向が続いている状況です。この事象の背景も理解した上で、コンタクトレンズ業界最大手A社の今後3年間の事業戦略として、あなたは何を提案しますか?
- 【3】国内の大手テーマパークAの来場者数は、直近3年間の間、年率10%程度で拡大を続けています。今後3年間の事業戦略を考える上で、あなたはどの様な提案をこの企業に実施しますか?
- 【4】年賀状の発行枚数は1949年の開始後順調に拡大し、2003年にピークの44.5億枚を記録しましたが、現在では28.5億枚まで減少してきています。この背景にある環境変化を踏まえた上で、今後どのような事業者にビジネスチャンスが存在するか考えてみてください。
ケースインタビューの対策
ケースインタビューの対策本は最近では数多く出版されておりますので、是非採用面接の前にしっかりチェックすることをお勧めします。その上で、面接をしている際に良く出会う陥りがち易いポイントについて紹介していきます。
是非普段のミーティングなどの際にも、上記のポイントに自分が陥っていないか意識して頂き、出来る部分から改善してみてください。
最後に
ケースインタビューの目的は、正解を出すことではなく、考えるプロセスがコンサルタントとして適正が高いかをみるためのものです。どの様なテーマのケースになったとしても諦めることなく、根気良く課題に挑戦し、答えを面接官(=クライアント)と一緒に出そうという姿勢で取り組むことを大切にして頑張って下さい。